ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 愛染歌 -aizenka-
- 日時: 2011/02/13 12:01
- 名前: 神宮寺 奏 (ID: STEmBwbT)
人間ではない人間たちの話です。 グロ描写があると思います。
ご注意ください。
登場人物
メイタニ
五月谷 サスケ
16歳 どこか虚ろな目をしている少年。 語部。
右手を怪我しており、包帯を巻いている。
カゲフミ
影踏 イチカ
十代前半の少女。 白い髪を持つ。
どこか高貴な喋り方をする。
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- Re: 愛染歌 -aizenka- ( No.1 )
- 日時: 2011/02/13 12:11
- 名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: やはり同時進行しすぎなのかっ、そうなのかっ!!
どうも、私の小説にコメ有り難う御座います。
登場人物からして面白そうな雰囲気を漂わせる小説ですねっ! 文才欲しい。←
そして人間じゃない人間達のお話、だなんて私の興味がそそります←?
グロ描写上等っ! 苦手だけども頑張って見るかんね!!
というわけでまた来させて頂きま((
- Re: 愛染歌 -aizenka- ( No.2 )
- 日時: 2011/02/13 12:51
- 名前: 神宮寺 奏 (ID: STEmBwbT)
=第1章=
高校生になって一人暮らしがしたい、と両親に言うと、ここでなら一人暮らししてもいいよと、地図を渡された。
まあ、人生初の一人暮らしだから、期待に胸が弾んでたのもあるけれど。 正直、ガッカリだ。
「なんでおじーたまの経営するボロ家なんだよ」
我が祖父さまが経営する、五月谷荘。 一種のアパートのようなもので、入居者は数えるほどしかいないらしい。
都会っ子の僕としてはたまらんほどの田舎にあるのだが、高校入学を機に、引っ越してきたのだ。
なのに!
騙しやがったな、あの糞ババア。 どこか高級安賃でシティーライフが遅れるエレガントなマンション、だ。
それで騙される僕も僕なんだろうけど、あえてそこはスルーする。
帰ろうかとも思ったけど、荷物は全て持ってきたし、しかももう家賃払っちゃったし。
「──とりあえず、入るか」
幼い頃に何度か来たため、勝手は分かる。 おじーたまは厳格な人で、僕も数回しか会っていないけど。
「お邪魔しまーす……」
玄関から堂々と入る。 入ったのはいいけど。
「…………………………………」
「…………………………………」
他に人が居た。 いや、入居者が居るのだから、それに不審な点はない。
だけど、でも、いや、そんなことよりも。
真っ白なガキが居た。
年齢にして、10歳ほど。 だけど、腰まで伸びた髪の毛は、何故か真っ白だった。 雪よりも薄い、透けそうなほどの白。
綺麗だと、素直に思った。
「キミ、誰かね。 ここに何か用か?」
うわあ、何だコイツのこの態度。 なんか、男らしというか、ガキらしくねえ喋り方だな。
「敬語を使えと習わなかったか」
少し厳しい環境で育った僕としては、少し引っかかる態度のガキだ。
「失礼したね。 私は基本、敬語を使わない。 どうしても気になるのなら、聞き捨ててくれ」
そう言い、彼女は自分に言い聞かせるように、
「だが、私も幾分失礼だな。 まずは自分から名乗れというもの」
「あのさ、僕は五月谷 サスケだ。 ここの大家の孫って言ったら分かるか?」
重たい荷物を左手だけで持っているため、肩が痛い。 早く部屋でのんびりしたいんだけどな。
「おお、知っているよ。 なるほど、一太郎の孫か」
「なんか、親しい友人みてえだな」
なに人様のおじーたまを呼び捨てしてんだ。
「これは失礼した。 前々から話は聞いておる。 キミの部屋は私の隣だ」
真っ白の少女は、僕に左手を差し出した。 僕が右手に包帯をしているから気遣ったのか、左手が利き手なのか。
「自己紹介が遅れたね。 私は、影踏 イチカ。 五月谷荘の住人だ」
なにはともあれ。
僕は荷物を床に起き、小さな彼女──イチカと握手をした。
- Re: 愛染歌 -aizenka- ( No.3 )
- 日時: 2011/02/13 12:52
- 名前: 神宮寺 奏 (ID: STEmBwbT)
緑紫さん、コメありがとうございます。
そうですねえ、言ってしまえば、化け物たちのお話です。
グロいのは奏も好きです^^
- Re: 愛染歌 -aizenka- ( No.4 )
- 日時: 2011/02/14 16:27
- 名前: 神宮寺 奏 (ID: STEmBwbT)
外装もそうだけど、歴史をタイムスリップした感が否めない。
僕の部屋はイチカの隣で、似たような和室だった。 勉強机が一つ、置かれているだけで後は何もない。
「好きなように使ってくれ。 布団はそこにあるだろう」
「──あのさ、ちょっと聞きたいんだけど」
会って早々、聞きたい事だらけだ。
「なんだい」
「アンタは一人でここに住んでいるのか?」
「うん、良い質問だね。 私には家族というものがいない。 ずっと、キミの爺様、一太郎に世話になっている身だ」
家族がない、か。
随分サラサラと言ってくれるけど、聞くこちら側としては、何とも言えない。
「そっか」 「ああ、別に気にしないでほしい。 亡くなったのはもう前のことだし、私は別に寂しくはない」 「…そうですか」
なんか、喋り方が変だから、年上みたいに思えてくる。
ひとまず、荷物の片づけに取り掛かる事にした。 作業している僕をじっと横からイチカが見てくる。 うおお、集中できねえ。
「なんデスカ」
「キミ、右手はどうしたんだい」
イチカが指しているのは、僕の右手。 包帯で巻いていて、あまり使う事もない。 利き手、左だし。
「一年前、事故で怪我したんだ。 傷跡が目立つから、それで」
そうか、と大して興味も無さそうにイチカが呟く。 右手への好奇心はもう無いのか、黙って僕の作業を見ている。
……手伝ってくれたりとかしないのかな。
「ひとつ、キミに言っておく事がある。 いいかい?」
「どうぞー」
あまり気にせず答えた。
てか急がしいんだよ、こっちは。
「私は、命を狙われている」
……………。
「はい?」
パードュン? プリーズテルミー。 今なんて!?
「聞こえなかったかい?」
イチカは、初対面の僕にむかってこう言った。
「私は、命を狙われているんだ」
- Re: 愛染歌 -aizenka- ( No.5 )
- 日時: 2011/02/16 16:01
- 名前: 神宮寺 奏 (ID: STEmBwbT)
・・・・・
浅く、息をする。 そのまま、目を閉じる。
目の前に広がる惨劇を、見てしまわぬように。
少女は乾いた涙を流し、そして、
「ああああああぁあぁあああああああああああっ!」
あまりの運命の残酷さに、
自分の未熟さに、
全ての想いをぶつけて、絶叫した。
・・・・・
「私は、命を狙われているんだ」
「お前は一足早い中二病かっ」
てか何なんだ! なにこれ!
「いや、けっこうマジな話なんだがね。 やっぱり、キミは本気な事を冗談ととらえ、冗談な事を本気ととらえる傾向があるな」
「いらんわ、そんな分析!」
イチカが呆れ顔で僕を見る。 なんか、めちゃくちゃ可哀想な子って感じで見られてる。
「話にならん。 出ていけ」
「キミに言いたい事はもう一つあるんだけどね。 どうやら聞く耳もたないらしい」
「もたねえよ。 そんなバカげた話、誰が信じるっつーんだよ」
言うと、自信満々にイチカが答えた。
「キミだ」
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