ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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カゲロウ
日時: 2011/02/16 17:27
名前: clow (ID: YhpKr5Ny)

小説初めて書きます。
よろしくです。

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1: カゲロウ ( No.1 )
日時: 2011/02/16 21:57
名前: clow (ID: YhpKr5Ny)

—お悩み相談事務所—

「あの〜お客様?
うちは探偵ではないので迷子の猫を探すのはやってないんですよ」

男性はめんどくさそうにお客のおばちゃんに説明する

「多分、お客様が嫌で出てちゃったんですねー。
わかります。私も逃亡癖がありましてね、若いころはよく現実逃避していたものです。次の方どうぞ〜」

そう言って、おばちゃんを追い返し、机の上の缶コーヒーを一口飲んだ。次の方といっても、この部屋には誰も人間はおらず、30代前半の男性があくびをしながら一人漫画を読んでいるだけだった

10分後、一人の女性が事務所に入ってきた
背は高くないが、足が細く、清楚な雰囲気を出していた
女性が入ってくるなり、男性は人が変わったように姿勢をよくし、座り直した。

「来られるのはわかっていました。どうぞおかけください。」

女性は少し驚いた表情を見せたが、椅子に座り、重い口を開いた

「復讐…してほしい人がいるんです。」

その言葉を聞くと男性は、にやりと不気味に笑みを浮かべた

「ようこそ、お悩み相談事務所へ。
どんな悩みも相談にのりますよ。」

2: カゲロウ ( No.2 )
日時: 2011/02/16 21:57
名前: clow (ID: YhpKr5Ny)


—某地下カジノ—

「おい、見たかよ。」
「あぁ、やばいな。これで何連勝だ?」
「わかんねぇーよ。けど、アイツがあの席座ってから一回も負けてねぇーよ。」

カジノで働く新入りが話題にしている男性は、大量のチップが積んであるテーブルに一人で楽しそうにブラックジャックをしていた

「今日は当たり日だなー。今月給料引かれてピンチやったし、めっちゃ助かるわー」


ドタドタッ

日本人には思えない体格の二人組が、その男に近寄った
二人組は、体格からは想像できない言葉づかいでブラックジャックを楽しそうに行う男性に話かけた

「お客様、本日は誠にありがとうございます。
お客様をVIPルームへご招待させていただきたいのですが…」

「マジで!?ホンマにええの?
行こ行こ、早よ行こ。」

男性はそのまま二人組に連れられ、部屋を出ていった



—VIPルーム—

「お客様、困ります。
イカサマなんてされたら、この店潰れてしまいますわ」

この店のオーナーと見える男が、この日ブラックジャックで大勝した男性のこめかみに拳銃を突きつけていた

「いやー、なんかね。テーブルがカードを教えてくれるねん。
このカードがハートの……」

「てめぇっふざけてるのか。
このまま勝ち逃げできると思うなよ」

大勝した男性は、落ち着いたまま携帯電話に目をやった。

〜AM2:34〜

「ちょっとタンマ。少しメールさせてもらうわ」

男性はそういうと携帯電話のボタンを打ち始め、送信ボタンを押した
液晶画面には、漢字で四文字表示されていた


〜作戦開始〜


パンッ!!パンッ!!



部屋中に鳴り響く銃声

3: カゲロウ ( No.3 )
日時: 2011/02/18 00:04
名前: clow (ID: YhpKr5Ny)


—某地下カジノ入口—

細い廊下に7人の警察官
軍曹と呼ばれている男が現場初めての新入りに心配そうに尋ねる

軍曹:「おい、新入り。テンパって拳銃撃ちまくるなよ。俺が許可するまで絶対に撃つな。わかったな?」

新入りの男:「はははい、りりりょうかいでです。あ、手錠持ってくんの忘れた」

軍曹:「おいおい…大丈夫かよ…」


無線が入る
軍曹が素早く無線機を取った

軍曹:「了解。午前2時35分、カジノに突入します」


細い廊下にメールの着信音が鳴り響く
新入りがハッと思い出したようにあたふたしながら携帯を取り出す
軍曹が小声で新入りに注意した

軍曹:「馬鹿野郎。電源ぐらい切っとけ。これから突入するんだぞ。どんだけ緊張感ないんだ」

新入り:「sssすすいません。すすすぐマナーモードにssします」

軍曹:「切るんだよ、馬鹿野郎」

新入りは携帯電話のメールボックスを開き
先ほど受信したメールを確認した
画面には漢字4文字で『作戦開始』と表示してあるだけだった
内容を確認すると、新入りは携帯電話を閉じ、落ち着いて軍曹に謝った

新入り:「すいません。もう大丈夫です」

軍曹は腕時計に目をやる

〜AM2:35〜


軍曹:「時間だ。突入するぞ」



バタン

ドアを開ける音


軍曹を先頭警察官たちが次々に突入していく
最後に新入りが一人残る


新入り:「一分早ぇーよ。あの馬鹿」



最後に新入りがゆっくりカジノに入る



軍曹が警察手帳を見せながら大声で叫んだ

軍曹:「動くな、警察だ!!
刑法185条および186条、賭博及び富くじに関する罪でお前らを逮捕する」




—某地下カジノ—


バタン

ドアを開ける音

警察官が6人次々と部屋に入ってきた
一人の男が警察手帳を見せながら大声で叫んだ

軍曹:「動くな、警察だ!!
刑法185条および186条、賭博及び富くじに関する罪でお前らを逮捕する」

部屋の中では、警察の突入に気付き逃げ出す者、勝ち金を隠そうとする者、破産し床に泣き崩れている者などがいた

軍曹が振り返り、一人いないことに気がつく

軍曹:「おい、新入りどこ行った?」

警察官たちも新入りがいないことに気がつき周りを探すが
見つけることができなかった

軍曹:「前代未聞の新入りだな…」

Re: カゲロウ ( No.4 )
日時: 2011/02/19 00:09
名前: clow (ID: YhpKr5Ny)


—VIPルーム—

〜AM2:35〜

部屋には気を失っている男たちが横たわっていた

オーナー:「な、何だ今の…一瞬消えた…」

大勝男:「あーミスった。まだ意識あったわー。どうしよ」

オーナー:「ば、化け物!!」

大勝男:「ホンマにごめんな。このままアンタが今あったことおぼえていたら消さなあかんねん。残念やけど」

オーナー:「!?」

大勝男:「そこで取引やねんけど、今あったことなかったことにしてくれへん?3万あげるし」


ガチャ

VIPルームのドアが開き
一人の男が入ってくる


新入り:「やっぱり。またミスった。
それに3万でチャラにできるわけないだろ、馬鹿」

大勝男:「おぉ、亮太。どうしょ…。
コイツ、第一号の死体さんにしたくないんやけど…」


その言葉を聞いて突然震えだすオーナー

亮太:「功、やめたれ。オーナーさん怖がってるから。
んーちょっと待てよ。確か…」


そういうと亮太は静かに目を瞑った
しばらくすると目を開き、左手をオーナーの頭にかざした

功:「なぁ、使えるストックあった?」

亮太:「使うこと無いと思っていたけど、一応ストックしといて良かった。後で飯おごれよ」

亮太の左手から淡い光出て、オーナーの頭へと吸い込まれていく
光がオーナーの頭の中に全て吸い込まれるとオーナーは気絶した

功:「名付けて…ブレインクラッシャー」

亮太:「勝手に名前付けるな。記憶消しただけだ。
この能力より本当は記憶を書き換える能力が欲しかったけどな」

功:「助かった。ありがとう」

亮太:「想定内だよ。功がミスるのは。
時間だ、集合場所行くぞ」


二人は急いでその場所を後にした
気絶したオーナーの横に諭吉のお札が3枚置かれている



走って廊下を移動する二人
功が全て売り切れの自動販売機の前で立ち止まる


—某地下カジノ—

店員の一人が異変に気がつく

店員:「あれ?ブラックジャックのテーブルは?」






—某地下カジノ廊下—


走って廊下を移動する二人
功が全て売り切れの自動販売機の前で立ち止まる

功:「こんな自動販売機カジノにあるわけないやん。
なぁ、奈々?」

突然自動販売機が解け始めた
やがて自動販売機のあった場所には一人女性が座っていた

奈々:「遅い。3分も遅れてる。なかなか来ないから心配になったじゃない」

亮太:「功がまたミスったんだよ。いつものことだろ」

功は苦笑いしながら誤魔化した
それを見て亮太と奈々はため息をついた

功:「それはさておき、集合場所に行こうぜ」

功は二人を置いて走り出してしまう


奈々:「私たち、功を甘やかしすぎかも」

亮太はうんうんと首を縦に振った



二人も功の後を追って走り出す




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