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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ち ょ う
- 日時: 2011/02/19 04:19
- 名前: 弥生 (ID: 2MYnw2hS)
蝶子は、生まれてすぐに親に捨てられた。
幼少期は盗みをはたらいて空腹を凌いだ。
今は女を武器に体を売っている。
わたしは、そういう人間。
悲しくなんてなかったのに。
なのに、どうしてーー
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- Re: ち ょ う ( No.1 )
- 日時: 2011/02/19 04:49
- 名前: 弥生 (ID: 2MYnw2hS)
「ヘヘ、いいだろう? 蝶子」
ダメだと言ってもするだろうに。
馬鹿なことを聞く奴だと蝶子は内心あざ笑った。
「そんなことを聞くなんて意地悪なお方だ。あなたの誘いをわたしが断るとでも?」
「蝶子! もう辛抱ならん!」
ガバッと覆いかぶさってくる男におしたおされ、蝶子は畳にしかれた布団にたおれた。
蝶子はハーハーと鼻息荒い男を、冷めた目で見たが男は蝶子の体に夢中でその視線に気付く様子はなかった。
(あ……)
男から視線を外すと、男ごしに蝶子の視界の端にヒラヒラと宙をまうものが映った。
(蝶……)
蝶子は届かないとしりながら蝶に向かって白く細い腕を伸ばす。
すると、蝶はヒラヒラと白い羽をゆらしながら少し開いた窓の隙間から、夜のネオンの中へときえていった。
蝶子はそれを見送って、薄く微笑んだ。
「バイバイ…」
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