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プロト
日時: 2011/02/21 21:39
名前: 肉食獣 (ID: jrQJ0.d7)

えっと...、頑張りますっ。
ジャンルはミステリーです。

登場人物

ニ階堂 灰(男)
墨田区に住む名探偵
別名 不可解な五月病

火馬 数斗(男)
新入り刑事
別名 燃える馬鹿

ニ階堂 舞子(女)
ニ階堂の妹で、東大生
別名 ブラコンの鑑

黒田 源次
刑事歴50年のベテラン刑事
別名 生ける伝説

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Re: プロト ( No.1 )
日時: 2011/02/21 22:22
名前: 肉食獣 (ID: jrQJ0.d7)

プロローグ

高層ビルが立ち並ぶ街並みに、朝日が昇る。
あるマンションの一室、真っ白な部屋に一つ、シンプルなベットが置かれている。
布団の真ん中が盛り上がっており、中に誰かが寝てる。
布団から天然パーマが飛び出している。
彼の名はニ階堂 灰。
町で有名の私立探偵。
ニ階堂はうなされているように右へ左へと寝返り、ベットから大きな音と共に落ちた。
カーテンから差し込む光に目を凝らし、床から起き上がる。
大きなあくびをし、時計を手に取ってみると、もう7時になっていた。
「もう、7時か...。遅刻だな。」
そう言うニ階堂の様子は焦っているようには見えない。
急いで立ち上がり、クローゼットをあさりダボダボのブイネックのシャツを取り出した。
急いで着替え、部屋を出ようとドアノブに手をかけたその時、何やら殺気を感じた。
心を落ち着かせ、勢いよくドアを開けた。
すると、ドアは半分開いたところで何かにぶつかった。
大きい音と共に甲高い叫び声が聞こえた。
「きゃぁ!」
隙間からの顔を出してみると、高校生ぐらいの背の女が眉間にしわを寄せこちらを睨みつけている。
妹の舞子。
舞子はむかい側の壁に寄りかかり鼻を押さえている。
「当たったんだけど...、謝罪してよ。」
「すまん。」
ぺこりと頭を下げると、そのまま部屋を飛び出した。
「こらぁ!」
妹の怒号を聞き流し、玄関を飛び出す。
後ろから追いかけてくる足音と何を言ってるか分からないどなり声が聞こえてきた。
後ろを向くと、何を思ったかフェンスをまたいで下を見下ろした。
下には駐車場があり、車が何台か停まっている。
深呼吸をひとつし、地面をけり飛び降りた。
「えっ...、うそ!」
舞子は開いた口がふさがらなかった。
フェンスに手をかけ、駐車場を見下ろした。
すると、車の間を中腰で走っていくニ階堂が見えた。
安心したようにため息をつくと、ニ階堂にむかって手を振った。
「頑張ってね!絶対、事件解決してね!」
ニ階堂は声に反応し振りかえると、小さく手を振った。

途中タクシーを拾い、一息ついていると、電話がかかってきた。
電話にでてみると、いきなり怒号が飛んできた。
『遅いぞ!6時に警視庁に来いと言ったじゃないか!』
思わず携帯から耳を離し、ため息をついた。
「すいません、今むかってます。」
そう言って携帯を切ると、窓の外にある警視庁をみつめた。
ニ階堂は苦虫を噛むような顔をし、深いため息をついた。

Re: プロト ( No.2 )
日時: 2011/03/03 21:04
名前: 肉食獣 (ID: hoeZ6M68)

「仮面の殺人者 Ⅰ」

三月。
桜の開花予測が発表され、中にはもう咲いてるところも。
しかし今日、テレビで多く報道されたのは新しくできた署の署長が会見を開いた事についてだ。
灰色の巨大な部屋。
そこにある、茶色の机に座る男を多くのカメラマンが取り囲んでいる。
机の上に太い腕を置き、マイクを近づけた。

東京都に新設された黒今署。
二月中旬にできたが、その周辺ではあまり事件が起きておらず、期待はされてない。
しかし何故、この署が新設されたのか。
署員達の間では、何か裏があるのではないかと囁かれている。
あまりにもおかしすぎる。
実質、たいした事件も起きていない。
しかし、真相は定かではない。

そんな黒今署に、都心で噂の探偵が来るという情報が流れだした。
それと同時に、署長の親戚である警察官も所に配属される事となった。
あまりにも不自然だ。
誰の陰謀だ?
不可解な情報に、署員たちは戸惑った。
そして、二人がこの署にくる当日。
先に着いたのは、探偵の方だった。
その姿に社員達は自分の目を疑う。
黒いダボダボのVネック、安物のジーンズ、ぼさぼさの髪。
すごくやる気のなさそうな顔は、まるで五月病になった人みたいだ。
一人の署員が、同僚に解説するように言った。
「もっとキリッ、としてたらイケメンになれるよ。」
「そう?私はそういうのよくわかんないけど。」
その会話が聞こえたのか、探偵はその署員に目線を向けた。
署員はごまかすように咳払いをした。
探偵は部屋を見回すと、署員たちに一礼をして手前の署員に話しかけた。
署員は少し後に引き、無理やり笑顔を作った。
「なんでしょう?」
「署長室どこですか?」
地図見りゃ済むのに...。
内心そう呟きながらも、署長室の場所を教えた。
探偵は「ありがとうございます。」といって室内を出て行った。
孫と次に来たのがさわやかな青年で、さっきの探偵とは真逆だ。
棒のようにまっすぐ立ち、固い表情にで部屋を見回す。
「あの!」
必要以上の大声で青年が叫ぶ。
「署長室はどちらですかっ!?」
そんな大声出さなくたって...。
思わず言いそうになったが、口に手を当てて抑えた。
さっきの署員が渋々前にでて説明した。

どういう風にすればいいか散々練習したが、いざ署長室の前に立つと緊張する。
火馬は自分の胸に手を当てると、いつもの二倍の速さで心臓が鳴っている。
深呼吸をひとつし、ドアノブに手をかけた時、ドアが勢い良く開いた。
ダボダボのVネックを着た男が立っていた。
しばらく見つめあい、あわてて笑顔を作った
「こんにちは...。」
男は愛想笑いもせず、火馬をどかし去っていった。
「なんだよ...。」


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