ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

IFの理由 −完結−
日時: 2011/05/29 18:43
名前: 鵺 (ID: gfIXAr2y)




   こんにちわ。また小説を載せることにしました。
   どうぞよろしくお願いします。


   ※荒らしはやめてください。

Page:1 2



Re: IFの理由 ( No.1 )
日時: 2011/02/27 00:11
名前: 鵺 (ID: 4SiygD4o)




   −登場人物−


   ・桜の木

    ある丘に立っている。
    九十九神だが、心があるだけで移動は出来ない。



   ・亜紗(アサ)

    泣き場所を求めて桜の木の所へやって来た5、6歳の女の子。
    桜の木が九十九神だということは知らない。




Re: IFの理由 ( No.2 )
日時: 2011/02/27 23:30
名前: 鵺 (ID: Z7dY/o0y)




   −プロローグ−





   私はずっとこの丘に立っている。私以外の木はない。
   人一人やって来ないが、小鳥達が羽を休めにやって来る。
   だから、寂しいと思ったことはない。


   永く生きたせいか、私は心というものを持ってしまったらしい。
   しかし、そろそろ寿命だ。
   死に対して何とも思わないのは、この世界に対する執着心というものがないからなのだろうか。
   そりゃそうか、私は此処に立っていただけだ。
   生きたことが無駄とは言わないが、何とも虚しい。









  「・・・うぅっ、グスッ・・・。」







   ・・・・・・おや?



Re: IFの理由 ( No.3 )
日時: 2011/02/28 16:22
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: KjzdqHYY)

初めまして,風と申します。
九十九神とは…面白いですねvv
意思が有るだけで動けない…人間だったら発狂しそうですが…

最後の泣き声の主は亜沙と言う少女でしょうが何故泣いているのか気になります。

Re: IFの理由 ( No.4 )
日時: 2011/03/07 21:45
名前: 鵺 (ID: 3OMKkiZi)




   風さん、コメントありがとうございます。
   泣いていた理由は次回あたりに分かると思います。


   これからもどうぞよろしくお願いします。

Re: IFの理由 ( No.5 )
日時: 2011/03/18 21:48
名前: 鵺 (ID: .GCH7A/G)






  ゛涙の理由を知っていますか?"







   −プロローグ sied亜紗−



   私にお父さんはいない。
   友達は変だ、おかしいと言うから、私もそう思った。


  (「どうして私にはお父さんがいないの?」)



   そうお母さんに泣きながら聞いたことがある。

   その時お母さんは悲しい顔をして、ごめんねと言って苦しそうに笑った。


   あれから私は人前で泣かなくなった。私が泣けば、お母さんはまたあの顔をすると知ったから。

   そして私は知ってしまった。人には家族愛というものがあるが、私はそれが異常なまでに強いということを。
   






   私はお母さんが大好きだ。いい事をすれば誉めてほしいし、悪いことをすれば叱ってほしい。これからも二人で笑って暮らせればいい。
   しかし、そんな事を思う反面、それを望むことが恐ろしく思えた。



   生物は心臓があり、血液が流れ、呼吸をする。
   そしてそれらが停止すればそれは死んだということになる。

   私はそれが恐いのだ。

   お母さんに触れるたびに、お母さんが微笑むたびに生を感じながらそのすぐ近くをちらつく死の影に怯えている。



   もしお母さんが病気になったら?
   もしお母さんが交通事故に合ったら?
   もしお母さんが通り魔にあったら?




   死ぬきっかけなんてその辺にいくらでも転がってる。

   あの人を失いたくない。でも、死は平等だ。いつかは死ななきゃいけない。その法則に逆らってはいけない。




   苦しい。何でこんなことを考えなきゃいけないんだろ?
   考えなければいいのに、考えずにはいられない。




   辛い、頭がグルグルする・・・。
   泣きたい。そうすればスッキリできるのに。一時だけど、全てを忘れられるのに。






  「・・・うぅっ、グスッ・・・。」






   気が付けば目の前に一本の木が立っていて、その凛とした姿に安心し、私は気が済むまで泣いた。










Page:1 2



この掲示板は過去ログ化されています。