ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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優しさと冷たさ
日時: 2011/02/26 21:42
名前: きのこめいど (ID: 0ZFQDflb)

TKユズ氏とリレー小説を書いてるきのこメイドです★
いままで10作くらい書いてきたんですけど、何一つ完結してませんwwwww^p^
今回は終わるまでかき続けたいなぁと考えております*^^*
文章力はあまりないし、誤字、脱字あるかもしれませんが、大目に見てやってください^^;
一応挿絵も描くつもりなので出来次第、毎話のURLにはっ付けておきます*^^*
ちなみに将来の夢は漫画家です←

では宜しくお願いします!!


目次

Page:1 2



Re: 優しさと冷たさ ( No.1 )
日時: 2011/03/04 19:46
名前: きのこめいど (ID: 0ZFQDflb)

プロローグ


私は何の為に生まれてきたんだ

暇になったら考えた事。
そりゃぁ楽しむ為でしょ、と私から返事が返ってくるのがいつも。
自分以外の人はもっと違う返事が返ってくるのだろうか。
私はせっかくの人生だ。最初から最後まで何一つ悔いなく幸せに生きていきたい。その座右の銘を打ち砕かないようにいままで全て楽しく生きてきた。

だけど何だろう。つまらないな。
光があるからこそ闇がある的な。良い奴がいるから悪い奴がいる。
私の場合、楽しい奴がいるから悲しい奴がいる。
私はきっと楽しい奴なんだ。だから私と仲良くしてきた人は私を嫌う。
私は何も悪い事してないのにね、そう願う事は楽しいだろうか?

だから私は考える。
楽しく生きたいがために。
けど、つまらない

楽しいことしか無いから楽しいのじゃないのか?
嫌な事が、悲しい事がひとつでもあるから楽しくないんじゃないか。
じゃあ私の感情は何だ。まだ楽しいが足りないのか?
だったらもっと楽しくなる。もっと生きがいが欲しい。
楽しくない人生なんてまっぴらごめんだね

答えが出ても考える。
考える事に楽しいを持ってるわけじゃない。
されど私は考える。
楽しくなる為考える。

…ってそんなこと考えながら、送る中学生ライフ。
それが今。

Re: 優しさと冷たさ ( No.2 )
日時: 2011/03/04 20:23
名前: きのこめいど (ID: 0ZFQDflb)

第一話


私の名前は佐藤丈留。女だけど「たける」なんか男みたいだ。
そんなわけでつけられたあだ名は「さとし」。
なんで丈留からさとしになったかは知らないけど。皆私を見る目が怖い。
けど友達はいるよ。楽しい友達が。
名前は久坂恵美。日本人離れした赤い髪の女の子。
「私の髪は血で染まってる。だっておかあさんもおとうさんも私の目の前で引き裂かれたから。」とかすごく怖い事いうけど。わたしは私とは逆のちょっと男っぽい外見に引かれたけどなぁ。
実は「さとし」のあだ名も恵美がつけてくれた。

恵美は私に教えようとしてくれるんだ。この世の恐ろしさや辛さ。悲しさ、腹立たしさ。
全部ひっくるめて私はすきだって。透き通ったちょっとおとなっぽい声で語りかけてくる。

逆に私はこの世の極端さや幸せさ。楽しさ、弾む胸。
私がじゃべっても恵美は少し悲しそうな顔で前見てるだけだけど。
なんか小学校のとき味わえなかったひとつ上の幸せをかみ締めてるみたいで楽しかった。
だから私は今日も私の心行くまで語ってやった。話せば話すほど恵美は辛そうになって、逆に私は幸せの絶頂へと上り詰めた。
やっぱり何もかも犠牲は必要なんだよ。
そんなこんなで一日が過ぎ、もう寝る時間。
宿題は出なかったから、私は5時に寝た。やることも無い。今日は思う存分語ったから。
明日もきっと私は楽しくなれる。

そして、寝た。



                           ★


「おはよう、さとし。」
恵美はややこしいあだ名で私を呼んだ。
私の家から20センチくらい歩いたところに恵美はいた。ズボンをはいて。
私の通う中学は男子はズボンだけだけど、女子はスカートかズボン選べたから私たち二人だけ女子でズボンをはいている。

歩いた。すると恵美が
「今日は昨日より起きるのが15分早かったんだ。だから迎えに来た。」
って言ったから
「ふーん。私はいつもより17分34秒早かったよ。お前より早いな。」
って、楽しいをつぶやいてやった。
すると
「そんな事にさとしは幸せを感じるのか。そんなに楽しい?君の感じる楽しいは」
って、いつもとは少し違うこと聞いてきたから
「うるさいな。楽しいがすこし害された。私が楽しいうちにそういうくどい事は手を引くほうが良いよ」
と会話をぶちぎってやった。
そしたら少し悲しそうな顔をした後、「ごめん。そういうつもりじゃなかったんだ…」って下を向いた。
めんどくさくなったから走ろうとしたら、

「まって、」
って恵美が叫んだ。そして
「僕はさとしの事、きらいじゃないよ」
って言った。
わたしは「じゃあもう気分を害させるな。」と一言零して、恵美が追いつくのを待つ。
なにか違和感感じたけど…ん?

「…僕?」

ぽろっと口からでた。恵美は驚いたように少し戸惑いを見せ、

「あ、あぁ…ごめん癖は抜けなくて…」
恵美はいつも自分のことを「私」と言っている。

私はモチロン楽しいから追い詰めた。

「なんで僕がくせなの?」
恵美はまゆを下げる。
「なんで?」
追い詰める。
すると
「…5歳くらいのときまで自分のこと男だと思ってたから……」
いや、理由めちゃめちゃすぎだろ。
言ってやった。けど、
「ほんとだって。両親は2歳くらいからもういなかったし。男女の区別が良く分からなかったんだ。だから…」
って言い返すんだけど。

「嘘だろ?それ。」
だって恵美の顔がいつもと違う。なにか隠してる顔だ、って言ってやった。







「—————————なんでそう思う?」
ピリッと急に空気が変わった。
「直感だよ」
私は言った。そしたら

「…まぁいいか、いつかは言わなきゃいけないことだったし。」

「えらくあっさりだな。恵美………じゃないか。本当の名前は?」

「ハントル、ジョギ、ミージュ、マイケル、透、フィリップ、コンストール、パトリシオ。それからミツ、ハナセ、メルク…えーとあとは」

「もういい、もういい、本当の名前とかないの?」
聞いた。
「無いよ。そんなの」
言われた
「私がつけても良い?」
そしたらちょっと間を空けて
「…いいの?」
少しうれしそうに言った。私は「モチのロン」と返した。

「じゃあ付けて。」
無邪気に笑う。すこし儚げにも見える。
「う〜ん…そうだなぁ」

考えた。得意な妄想。




「———————————「ひかる」とかどうかな?」
意外とすぐ出てきた。
「ひかるか………もらうよ。今日から僕は「ひかる」だ。」
また笑う。今度は優男みたいに。


「そうだ。僕は今日からひかるとして何もかも生まれ変わろうと思うんだ。だから…さとしも一緒に生まれ変わらないか?」
調節耳に入り込んできた科白。


なんか面白そうだな。
「いいよ。じゃあ私も今日から生まれ変わる。面白そうだし。家もでるよ、あんなつまらないところ丁度うんざりだったから。」
好都合、家でも出来る。
「じゃあ…」



ナイフを渡された。

「…なにすんの?」
たずねた。そしたら、

「死ぬんだ。一緒に。」




「………はぁ?」

「死ぬんだよ。僕はいままで名前の数だけ死んだ。」

「いや、生きてんじゃん。」

「このナイフで死ねば生き返る。」

…でた非日常。

けど楽しそう。

「わかった。せーのでお互い刺すぞ。…生まれ変わるならおとこがいいなぁ」

「なりたいと願えばなれるよ。僕はどうしようかな」

「一緒に男で行こうぜ」

「…わかった、さとしがそう望むなら。」








せーの










すぐ目が開いた。
目の前に広がる世界はさっきと同じ。だけど違和感。

「あ、俺男だ…あ、「俺」って言った」
「僕は特に何も変わらないな。」

体つきが前と違い、男になった。

「ついでに髪、切ろうか。」
「だな」

ばさばさ、とお互いの髪の毛をその場で切りあった。

「俺の名前どうしよう。」

「「さとし」でいいんじゃないかな?」
恵美…じゃなかった、ひかるが言う。

「それで良いか。」
たけるからさとしになった。







その名前に時に意味は無いと思ってたけど、それから月日がたった今、気づかされる事になろうとは。
まぁそれはもう少し後のお話。














「今日から宜しく。さとし」

ひかるが笑う。優しく笑う。

「こちらこそ」




これまで抱えてた「たのしさ」を求める俺の信念。

いま音を立てて割れた気がした。









            第一話 END

Re: 優しさと冷たさ ( No.3 )
日時: 2011/03/04 20:24
名前: きのこめいど (ID: 0ZFQDflb)

やっと一話かけた〜*^^*

挿絵も頑張ります★

Re: 優しさと冷たさ ( No.4 )
日時: 2011/03/08 22:46
名前: きのこめいど (ID: 0ZFQDflb)

第2話



「おはよう、さとし」
目を開いた瞬間、飛び込んできたのは恵美…ではなくひかるの顔面だった。
「近いな」
嫌なわけじゃなかったけど嫌そうに言った。
「ごめん。朝ごはんできたよ」
笑顔で言う。たしかに良いにおいが。
「サンドイッチだけど…」
「いただき」
コロッケが挟んであったみたい。さくさくしてておいしい。
…けど、

「ヤロー同士でこれはなくないか?」

気づくのが遅れた。なんせ昨日まで女だったし。
サンドイッチにかぶりつこうとしたひかるが少し驚いた顔で、
「大丈夫だよ。僕さとしの事好きだから」
とりあえず牛乳を吹いてやった。
「ホモかよ!お前は…」
変な汗がでた。寝起き早々、天然ボケ連発だな
「いや…そういう意味で言ったんじゃないけどな…」
すこし頬を赤らめて言う。やめろ…男でその顔は吐き気がするっ
「トモダチ としての好きだよ。」
笑いなおすひかる。あぁ、そういうことか…

「ご飯食べたらなにする?」
俺はぽつ…と自然に問うた。そしたら
「…やめてっ」

13歳のヤローが頬を赤らめたかと思ったら今度は抱きついてきやがった。
「やだやだっ!…そんなこと…聞かないで!!」
「いや、…ちょっと!!はなれろとりあえず!!」
引っぺがした。これはトモダチでもさすがにしない行為だろ。

「どうしたんだよ?ひかる」

「………さとしっ…さとしがっ……」
「さとし?俺ならここにいるじゃないか…」
「ちがうっ!!本当のさとしが…っ」

「…本当のさとし?俺じゃないのか?」
がばっ

急に泣き出したかと思えば今度は恐る恐る俺の顔を見上げた。
「……………ごめん…なんか変な事言ってた……?」
「本当のさとしがどうたらって…」
「!!」

苦しそうに、ただ少し悲しそうに。やりでも胸に刺さったかのような光の顔。すこし、俺は泣きそうになった。

「…ごめん、さとし…」
「いや、あやまらなくていいから。」
「けど…」

…俺は、

「生まれ変わったんだ。お前と一緒に。…なんかお前と一緒にいると本当の楽しさが分かる気がする。お前のいつも言ってた悲しさとか、現実の残酷さ。いまなら全部見つめられる気がする。だから…お前の隠してる事は、お前が言いたくなってから聞きたい。…こんなの女のときの俺とはまったく違うけど、生まれかわったんだ。俺たちは新しい俺たちで歩いていこうぜ?な?」
何いってんだ…俺。


「さとし…」
傷ついた顔してた。けど、どこか感謝の気持ちがこもったような表情してる。

「…うん。そうだね。…ごめっ…あはは、やっぱりあやまっちゃうや…」
小さく二人で笑った。
良く分からないけど心地よかった。

「…僕、さとしに「さとし」のこと…秘密、打ち明けられるように頑張るよ…」
「ああ」
よくわからない約束を二人で交わした。




「さとし…一緒に生まれ変わってくれたさとしに、秘密打ち明けるように頑張る。だから、………それまで待ってて…絶対にいなくならないで。」

「わかった、やくそく」

お決まりの指きりげんまん。
これが俺たちを結ぶ細い糸。











「大好きだよ…さとし。」

「正直きもい。もう大好きって口に出すな。」

「はは…ごめん……あ、」

「あやまったなぁ〜」

「いててっ!ご、ごめ…ああああ…」




「「はははははっ!」」




心のそこから笑った。
まだ二人一緒になって一日しかたってないのに、



「きもいっていったけど、俺もお前の事好きだよ」

「“トモダチ”として」

「…ありがとう」

ひかるがわらう。





これが、「幸せ」かぁ……





            第2話 END


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