ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

アクアリウム。
日時: 2011/02/26 23:31
名前: 広瀬なつ ◆Uo1MUwYLcY (ID: 6nKCk8pi)

"僕たちは、水槽の中の魚に過ぎないのさ″


こんにちは。この板ではお初です、広瀬なつです。
急にダークなものが書きたくなりまして、
別にこれといって、グロいわけでもないような感じのものを書いていきたいと思っております^ω^

ただ、暗いです。
アクアリウムっていうのは、水槽のことです。
登場人物たちを魚っていうかんじでストーリーを書きます。


どうぞ、ごゆっくり。



—本文—



Page:1



Re: アクアリウム。 ( No.1 )
日時: 2011/02/26 23:54
名前: 広瀬なつ ◆Uo1MUwYLcY (ID: 6nKCk8pi)

—act.1   ″比喩"


「狭い、狭い」
      シノハラ  ミツキ
そう呟いて、篠原 壬月は持っている携帯をブラブラと揺らした。

「どうしてこうも、狭いのかな、水槽というものは」

今度は大げさにため息をつき、後ろにいる人物に声を掛けた。


「アンタはそうは思わないのか、桜」

さらり、と艶やかな黒髪を揺らして、振り返る。

       ミツルギ サクラ
壬月によばれた光木 桜という少女は、大よそ壬月とは真反対の表情を

浮かべていた。

「大体、何故アンタは笑ってる?」

退屈げな表情と楽しげな表情が交差する。

「だって、壬月が変なこというんだもの」

「・・・おい」

尚も笑う。

「大体ね、水槽なんて比喩するのは壬月くらいじゃない」

「悪かったな」
 ナナミ
「七海も絶対笑うわよ」

「七海は関係ないだろう」

2人は毒づき合いなのかよく分からない会話をはじめた。


「ふん、こんな街、水槽と呼ぶにピッタリだ。
 水草は揃っているわ、環境も整っているわ、
 ただ、出れない。そうだろう?」

「まぁ、そこの部分は肯定するけどね」

街——、ここは俗に人工都市だ。

人が住む環境にちゃんと合うように作られ、
そこそこの都会であり、不自由はない。
ここではストレスもあまり感じはせず、平和だ。

ただ、1つ。本当に1つだけ。

ここに入れば、出られないのである。

年も、性別も、出生も一切関係なく、だ。

だが、不自由はない、といったとおり、稼ぐことは幾らでもできる。

しかし、この街は一切外界との関係がない。

手紙を出すことすら適わないし、電話も繋がらない。

そして、どこの国にあるかも分からないこの都市は、


"迷宮″都市なのだ——


「馬鹿らしい、何が迷宮だ。広いだけじゃないか」

「でも、出口がないわよね、ココ・・・」

「いつかは出口が見つかるだろう」

とちほ


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。