ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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─地上の天使─
日時: 2011/02/27 17:04
名前: 天塚 Low (ID: BZFXj35Y)

別サイトで小説を投稿していた、天塚Low(あまつか ロー)という者です。よろしくお願いします。
話の中心となるのは、タイトルにある“天使”ですかね……うん。
非現実的な所や、超能力的なものもはいっています。
ゴチャゴチャの小説ですが、楽しんで読んでくれたら幸いです。



【プロローグ】
この世は3つの世界に分類される。

1つは、我々人類が平和に暮らす知ってて当たり前の“世界”。

1つは、天使が暮らす死んだ者の楽園と言われている“天界”。

そして最後は、悪魔が暮らす天界とは正反対の死の楽園“地獄”。

この3つの世界“三世界”があることにより、全ては成り立つ。しかし、この方程式はある事件で崩壊する。
全ての始まりは、一匹或いは一人の天使と世界に住む青年の出会い。
空前絶後の物語が、今始まる──────。

〜第一章〜

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Re: ─地上の天使─ ( No.1 )
日時: 2011/02/27 20:49
名前: 天塚 Low (ID: BZFXj35Y)

 


  キーンコーンカーンコーン



雲一つない空は夕日で赤く染まり、第一光野学園高校から課外授業を終えた生徒たちが次々と出てくる。
グラウンドでは野球部、陸上部、サッカー部が練習中。野球部は来月の3月に名門高校と試合があるらしい。
グラウンドの脇にある屋根付きプールでは、水泳部が季節外れだが、すでに泳いでいる。
そんなグラウンドを横切り、鞄を肩に背負って正門を抜ける男子生徒───。

名前は、夜野一郎。光野高校一年生で学年トップの頭脳を持ち、運動神経抜群な16歳。

一郎はクシャクシャの髪を掻き毟り、凛とした表情を備えている。勿論、…………女子からも人気があるわけだ。
一郎の横には、高校1年生にも関わらず現役アイドルで、高校トップクラスの可愛さを持つ女子の宮地鈴がいた。
2人は、鈴の事務所に内緒で付き合っているらしい。そんな2人を、この物語の主人公である男は見ていた。





「はぁ…………………」





成績は中の上。イケ面でもなければ不細工でもない。運動神経はそこまでない。そう、普通の中の普通。
前を歩く一郎と鈴を羨ましそうな目で見つめる渡辺悠は、ため息をつきながら正門で出た。
2人とは正反対の右の方へ曲がり、学校の隣に流れている川沿いを歩いていく。悠は下を向きながら歩いている。
周りから見れば、悠は視界に入っているか入っていないかの存在。
「将来どうしようかな………。」
2月で3学期も終盤に入り、最近は悠は自身の将来を考え始めていた。
しかし、何の取り柄もない悠は何も思いつかない。そんな自分に、無償に苛立つ悠。
そんな時、悠はふと前を向いた。
「ん…?」
悠の前方2メートルほど離れた所に、息を切らして走ってくる小学生ほどの少年。
服装は年齢に似合わない純白のスーツ、靴まで白い。そして、背中には………羽が付いていた。


「わ、わぁぁぁぁぁ!!!!!」


少年は泣きながら悠に抱きつく。
「はぁぁぁ!?な、なんだよ!!お、お前誰!?」
悠は持っていた鞄を想わず落とし、両手で少年の肩を掴み引き離す。少年は目を真っ赤にして泣いていた。
「助けてください………お願いします………お願いします………。」
少年は訴えながら悠に再び抱きつく。悠を横切りサラリーマンや主婦は、不思議そうな眼差しを悠に向けていた。
「わ、分かったよ!!!とりあえず……お母さんかお父さんは?」
「……いないですよ。こっちには………。」
「こっち?」
悠は少年の言っていることが分からず首を傾げた。そして、背中についている白い羽を見て微笑む。
「その羽、とりあえず外せば?邪魔になるし、……俺も目立つよ。」
「分かりました。」
少年は両目の涙を拭きながら、背中に力を入れた。すると、羽はクルクルと包まりながら背中の何処かへ消えた。

「え?」

悠はその光景を見た瞬間、言葉を失い唖然となる。少年の顔を見ると、少年はニッと笑って悠の手を握った。
「驚かしてごめんなさい。僕、天使なんです。」




「僕、天使なんです。」
「僕、天使なんです。」
「天使なんです。」
「天使なんです。」
「天使。」
「天使。」

……………………─────────




「な、何言ってるのかな〜ぁ……はははっ。」
悠は必死に脳内に散らかっている疑問を片付けるが、少年の言葉を聞いた瞬間頭の中が真っ白になった。
悠が少年を見ると、少年はキッチリと頭を下げて悠の顔を見る。
「初めまして世界の住人さん。僕は天使のテュムです。よろしく。」






この出会いが







    物語の始まりだった_________


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