ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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貴方はアタシのナイトメア
日時: 2011/02/28 19:28
名前: 佑架 (ID: K68xY4Ax)

深い、深い……とても、深い、とても、暗い……とても、冷たい……

自分が誰かも……分からない……



——「アタシは誰ですか……?」——



ふと、呟いた……何時も毎日、何度も、何度も、呟いた……

そして、アタシは泣く……誰にも悟られずに……


でも、


ず…………っと泣いていたアタシを、助けてくれた貴方……ただ、



貴方はアタシの悪夢ナイトメアでしか無かった……

——————————————————————————————————

<登場人物>
名/性/歳 アタシ(アタシ)/♀/十代半ば
他色々  ・記憶が無い
     ・名前は一人称から取った
     ・他人からは『アンタ』や『オマエ』等と呼ばれる。

名/性/歳 夜士ヤシ/♂/不明
他色々 ・アタシを見つけた張本人
    ・色々と謎が多い
    ・アタシに『悪夢さん』と言われている


<作者から>
どうも、作者です。今回の話は、グロ表現があります。
観覧の際には注意してください。




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Re: 貴方はアタシのナイトメア ( No.1 )
日時: 2011/02/28 22:05
名前: 佑架 (ID: fmJgdgg4)

「おや、可愛い御嬢さんだコト。」
「貴方……誰?」


急にアタシの目の前に現れた男。
他人の顔から切って張り付けた様な笑顔。気味が悪いが心地良い。
暗くて深くて冷たい此処には、アタシしか居ない筈なのに……


「吾輩かイ?吾輩は夜士ヤシ。」



——「『悪夢さん』とでも呼んでおくレ」——




    ≪第一話 出会いとプレゼント≫




「あの……」

アタシが歩みを止めて彼を呼ぶ。
彼は初めて会った時と変わらずの、切って張り付けたような笑顔を此方に向けた。


「どうかしたのかイ?」
「何処まで歩くんですか……?」


「んー……」と言ったまま前を向いて歩きだす。
さっきからずっとこの調子だ。


「もうちょっと先で「さっきも聞きました。ソレ。」……」


暗くて深くて冷たい場所には変わりないが、今、アタシは悪夢さんと此処を歩いている。
悪夢さんの持っている明かりのおかげで、足元が見える。

ずっと座って泣いていたから、歩くのは久しぶり。
悪夢さんと一緒に居るけど安心できない。でも何故か安心する。
さっきっから矛盾している事ばっかだ。


「此処、何処なんですか……?」
「んー……それは吾輩にもわかりませン。」
「アタシ達は何処かも分からない場所を今までグルグル回ってるんですか!?」

「訂正しまス。分かりますが、教えたくありませン。」

「……何で?」
「何ででも、教えたくないものは教えたくありませン。」


アタシは口を尖らせる。
すると、いきなり悪夢さんが急停止した。
おかげで、アタシは悪夢さんの背中に思いきりぶつかった。


「い゛ったぁ〜……如何したんですか!急に止まって!」
「あ、すみませン。目的地に着いたので、つイ。」
「全く……」


体をずらして、悪夢さんの言っていた目的地を見てみた。

目の前には大きな洋館が建っていた。
大きくて少し怖い外観と裏腹に、窓から明かりが漏れていて、綺麗で、暖かかった。


「貴方は、これから此処で暮らすんですヨ。」
「アタシが……此処に……?」
「えェ。その為に探していたんですかラ。」
「良い……の?」


涙が溢れそうだった。
自分がこんな所に住んで良いのかと。
明かりの下で、暖かいところで暮らして良いのかと。

悪夢さんは深く頷いた。


でもアタシはまだ知らない。
此処で起こる“惨劇”を……




    ≪第一話 出会いとプレゼント≫ 完





作者の反省会
書いてる途中で気付いたのですが、新しい小説のジャンルが出来てましたね。
ファジー小説だったっけ。
ライトでありダークでありな作品をどちらに置くか悩んでる方の為の所……
って、説明読んでると、この作品ファジー側かもしれません。

が、もう此方で書く事に決めたので自分はこのまま書き続けます。

Re: 貴方はアタシのナイトメア ( No.2 )
日時: 2011/03/02 19:17
名前: 佑架 (ID: d2sOH2lv)

「屋敷の探索の前に、此処に住んでいる人達に挨拶をしようカ。」

目を輝かせているアタシに悪夢さんが優しく問いかける。
広い廊下が蝋燭の灯りに照らされ、足元がハッキリ見える。

金細工が施されている高価そうな扉が目の前にあった。
蝋燭の光を反射して金細工がキラキラ光って綺麗だ。

アタシはふと、悪夢さんに聞いた。


「ここには人が居るの?」
「あァ。少し変わり者が多いけどネ。」

アタシが居たところには人なんて一人もいなかった。
アタシだけ。独り。孤独だった。
だから、人が居るのはアタシにとっては珍しい事だった。



「ま、そう固くならずに、仲良くしてネ♪」



ギイイイイィィイイィィィァァァァ……

重い扉を開ける。相当古いのか音が凄まじい。

そして、アタシ達を出迎えたのは……



一度見ただけで覚えてしまいそうな程、奇抜な面々でした。




    ≪第二話 『悪夢荘』の住民達≫




「おや、皆揃っているかイ?」
「えぇ、まぁ。……ところで、其方の御嬢さんは?」

茶髪の優しそうなお兄さん。

「この子かイ?この子「「もしかして、夜士の隠し子〜?」」違うヨ」

紅い髪の毛の男の子と藍色の髪の毛の女の子

「随分と痩せてるな。病人みてぇだ。」
「まぁまぁ、そう言わないであげてくださイ。ずっと一人ぼっちだったんですかラ」
「ふーん……」

言葉遣いの荒い深緑の長髪(?)のお兄さん。

「髪……眼……肌…………綺麗……。」
「……!」
「でしょウ?絶対美人さんですヨ。彼女。
 でも、背後に忍び寄って勝手に触るのは無礼ですヨ?」
「……気を付ける。」

金髪の傷だらけの女の子。

色の濃い面子に、質問攻めにあっている悪夢さん。
一つ一つ説明している所が意外とマメだ。
ざわつく室内に悪夢さんが手を三回叩く。


「はい、お静かニ!今から自己紹介させますかラ。後は本人に聞いてくださイ。
 以上!」

……………………え?今なんと……?
アタシが?自己紹介?アタシ記憶すらないんですけど……

悪夢さんと目が合うと、彼が目配せをして来た。
内容が……


(ごっめんネ。でも、ありのままの事を話して良いんですヨ。)


謝ったのは許しますが、いい歳して舌をペロッて出してウインクするの止めてください。
人として恥ずかしいです。


「えっと……ア、アタシは記憶が在りません。
 此処が何処なのかも……自分の名前すら分かりません。
 なので、皆さんの好きなように呼んでください。

 これから宜しくお願いします。」


一礼する。皆さんの視線が痛い。
チラって見えたけど絶っ対悪夢さん笑ってる。面白がってる。

一寸して、小さいけれど拍手の音が聞こえた。


金髪の女の子だ。
その後から聞こえる拍手の音。
恥かしいけど、蝋燭の灯りよりも、暖かいものを感じた。


「じゃあ、彼女が自己紹介してくれたからね。此方も自己紹介するか。」
「「さんせ〜!」」
「はんた〜「じゃ、先ずは僕から。」……おい、人の意見に耳を傾けろ。」

茶髪のお兄さんが席を立って深呼吸。


「僕の名前は、壱世ヒトセ。趣味は読書と薬作り。
 大体僕の部屋か此処に居る時が多いから、本とか貸して欲しかったら
 遠慮なく言ってね。」

笑顔の眩しい壱世さん。

「「次は僕らね!/ボクらね!
  僕は紅鬼コウキ!/ボクは藍鬼ランキ
  趣味はイタズラ!/イタズラ!
  宜しくね!!」」

紅い髪の紅鬼君と、藍色の髪の毛の藍鬼ちゃん。

「私…………吊斬ツルギ……。趣味は…………お菓子作り……。
 ……宜しく。」

無口な金髪の吊斬さん。

「俺は、真偽シンギ。趣味は無「料理でお菓子作りが得意でしょウ?」……邪魔すんな。」

「そういえば、真偽と吊斬はよく一緒に居るね。」
「料理……教えてもらってる…………。」
「「あのね、真偽の作るお菓子おいしいよ〜。」」
「そう、なんだ……。」

料理上手らしいな真偽さん。


それと…………?


「……貴方は?」
「(ビクッ)……!」

壱世さんの後ろで小さくなっている女の人に問いかける。
青白い肌が漆黒の髪によく映える。

「わ、私……は……弐成ニナリ……です。
 ……趣味は…………ガーデニング…………です。」

「似てないんですけど、弐成は僕の妹です。
 恥ずかしがり屋なうえ臆病なので、あまり驚かせないであげてください。」
「わ、分かりました……。」

恥ずかしがり屋な弐成さん。


「……とまぁ、こんな感じかな?質問とかあるかい?」
「いえ……特に無いです。」
「そーかそーか。なら俺は帰「じゃあ、これから部屋に案内するから。皆で。」おい、壱世!」

「あ、吾輩はもう帰りますのデ。またいつの日カ。」
「「ば〜いば〜い!!」」

「それじゃ、行こうか。」
「は、はいっ!」
「「ゴ〜ゴ〜!!」」
「……」
「ま、待って……」
「おい壱世!人の話を聞けえぇぇぇ!!!」




    ≪第二話 『悪夢荘』の住民達≫ 完

次回!
『悪夢荘』を探索!その最中、アタシが見た物とは?


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