ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 復讐の死神
- 日時: 2011/03/08 12:04
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: 9YJBGiMA)
更新が出来そうにないのでロックします
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- Re: 怪人【ブラックドラゴン】 ( No.4 )
- 日時: 2011/03/02 23:05
- 名前: かにゅ ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)
こっちもですよ^^
弟の我が侭によりもう一つ増やされました;
明日明後日は受験だというのに……。
でわ、ほんの少しのストーリー構成を考える為におさらばです。
失礼しました^^
- Re: 怪人【ブラックドラゴン】 ( No.5 )
- 日時: 2011/03/02 23:45
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: 9YJBGiMA)
受験、がんばってください^^
描いていたのが消えたToT
- Re: 死神の復讐 ( No.6 )
- 日時: 2011/03/04 16:53
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: 9YJBGiMA)
……夢……か。 ここのところ毎日だな、何か不吉と言うかなんと言うか……。 まあ、現実で死なないだけマシだろう。
そんなことを考えながら目を覚ましたボクは、3階の寝室から2階の洗面所へ、いつもの習慣で顔を洗いに降りていった。 そして、ここで今日、一生のうちで忘れようにも忘れられない異変が起こった。
「え……うぁぁああぁあ!」
絶叫したのも、その驚きを何とか押さえ込める手段の一つ。 ……なのだが、ものの見事に失敗した。
洗面所の鏡に、人にはありえないような、どこぞの大魔王のような角の生えた状態で、絶叫するのも珍しいだろう。 しかしまあ、本職が殺し屋の所為だろう、常人が驚くようなことでは、まず驚かなくなるし、角が生えてもこうやっていつもの様に洗面を済ませ、タオルを……あれ?
「タオル何処だ?」
“私が今使っている”
はあ?
“君は新しいのを使いたまえ”
ああ、じゃあはい。 …………て、
「お前誰だよ !?」
目の前に居座ろうとするメモをどけ、その先に居た“何か”を凝視する。 見てみれば、踵まである長い金髪の少女が長いマフラーに、コート姿でそのコートは体が無いかの様に肉体の存在を無視して空気の流れに任せて揺らめいている。 そして、タオルに埋もれた碧い瞳がこちらを観察するかのように眺めている。
直後、再びその視線は小さなメモ帳に阻まれた。
“朝から騒々しいな”
“何だね?”
“朝起きて洗面所に行ったら”
“見ず知らずの美少女がいて”
“驚いたと言った顔だな、キミ”
いや、普通そうでしょ。 自分の家で招き入れた覚えも無い見ず知らずの人間見たら、誰もが警戒するって。 まあ、そんなボクに限って相当警戒してたりするのですけども……。
とりあえず、話しかけてみるべきか……?
「あのさ、君……誰? それと、何で筆談?」
その答えは、筆談とは思えぬ速さで返された。
“私は、通りすがりの死神で”
“人間だった頃に君に殺されたから”
“君を殺しに来た”
“で、筆談の理由はと言うと、”
“君に殺されたとき声帯が潰れて”
“会話が出来なくなったまま死神になったから”
“私には会話ができないし、”
“人間界では力が弱まるため”
“テレパシーも使えない”
“故に、下の階の机の上にあったメモ帳を”
“使わせてもらった”
“で、説明は終わりでいいのか?”
書くのは異様に早く、相当手馴れている。 だが、こんな奴、殺した覚えは無い。 人違いではないのか……?
「いや、ボクはキミの事知らないんだけど——」
“そうか……知らなくて当然だ”
“なぜなら私は、母の胎内にいる時に”
“母もろとも殺されたからな”
“私としては、”
“君が知っているほうが可笑しいと思うが……”
あ、成程。 だが、最初の前提に戻ると、まだ腑に落ちない箇所は何個もある。 第一、どうやってこの事務所に入った?
鍵はきちんとかけていたし、相当複雑で、更に5重。 普通、あけることなんて出来ないようなレベルだったけども——……。
だが、その答えは次に目の前に突きつけられたメモ帳に答えが描いてあった。
“鍵を、かけていたようだけれども”
“死神は、思念体にもなれる”
“だから、実体での壁は”
“無駄”
“ご苦労様”
……。 最後のご苦労様が気に食わない。 それもそうだ、何だ、この女は。 いうことなすこと、滅茶苦茶で、終いには自分を死神と言う始末。
「あのさ、君がどういう経路でここへ入って来たかは知らないけれど、早く出て行ってくれないかな? ボクはまだ仕事があるし」
“無理な相談だ”
“キミが今すぐ私に殺されてくれるのであれば話は別”
“しかし君にはまだ”
“存在意義が存在している”
“故に、死神の私には殺せないことになっている”
“だからキミに角を生やして”
“殺せば殺した分だけ君は”
“人間ではなくドラゴンへと変貌する”
“人間で無くなれば私が君を殺してもよくなる”
“だから、私はキミを殺すまで”
“出て行くつもりは毛頭ない”
……コレの原因お前か!
何だよコレ、ドラゴンって待て! 何でそうなる? 確かに黒い短刀使ってたけどさ、確かに黒いガントレット付けてたけどさ、そう呼ばれてたけどさ。
何で? 何でよりによってそれに沿って変身させる? そうだよ、確かに呼ばれてたけども!
「何で……よりによってドラゴンなワケ?」
“かっこいいだろう?”
そういうこっちゃねえ。 男が全員ドラゴン好きとか思うなよ !? 何か、……こいつズレてる。 まあ、良いか。 害は無いわけだし、……存在意義とやらがあるうちは。
一人暮らしで3階建てのビルっていうのも寂しいし、
「分かった、ボクを殺すまでここにいていいよ。 殺されてやるつもりは無いけどさ」
“いや、殺した後もしばらくここにいる”
“私の長年の経験では”
“地獄へ帰るための魔力を装填しきる前に”
“君が死ぬから”
“私はその間もここで身を潜めるつもり”
「……マジか」
“駄目?”
そのメモ帳とともに、彼女は子犬のような甘えた表情でタオルに埋もれたボクの顔を覗き込んできた。 止めろよ、いや、止めてください。 お願いします。
明らかに、裏がある。 さっきと態度がぜんぜん違うし……。
「良いけどさ……」
“決まりだな”
“感謝したまえ、こんな美少女”
“キミが一生かかっても付き合えないぞ”
いや、まったくだよ。 何処の世界に殺す、殺されるために同棲するカップルがいるんだ……。 何だよこのわけの分からないラブコメ的展開は。
まったくもって理解に苦しむ。
“まあ、憎まれ口はこの辺にして”
“キミ、名前は?”
「神田 那岐」
“ナギ?”
“女みたいな名前だな”
「ほっとけよ!」
“私は、アケビ”
“まあ、仲良くしてくれたまえ”
“最も、キミが生きている間だけだが……”
- Re: 復讐の死神 ( No.7 )
- 日時: 2011/03/04 23:04
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: 9YJBGiMA)
ああ、まったく無駄口はよく叩くらしいな。 この女が死神かどうかと言うのは置いといて……、殺される前にやはり、殺すべきだろう。
そして、この女の素性は一切不明。 まずは、
「キミの親の名前は?」
“テレサ”
テレサ……テレサ……ああ、確かに殺したな。 金持ちのパーティーで、核兵器開発業者の資金提供者。 人殺しの資金提供者だ。 でも、あの女、妊娠してたか? まったくそういう雰囲気無かったな。
あの女も、確かに金髪だった。 が、アケビの髪の色のほうが、鮮やかな金色をしている。
ストレスかなにかで色が濁ったのか……どうやら、まだ人間らしい人間を殺しちまったらしい。
そう考えると、少し気が滅入る。
「ああ、確かに殺したのは——ボクさ」
“別にいいよ”
“親の恨みなんて、私には無い”
“私を殺した恨み”
“それだけだ”
「そう、だったらいいよ」
その言葉とともに、洗面所を後にしようとしたその時だった。 後で何やら服が引っかかるような感覚とともに目の前にメモの切れ端が突きつけられた。
“お腹すいた”
あ——ハイハイ。
“気を病むな”
“キミが母を殺したのは”
“正しいことだ”
“だが、気軽に殺すのは”
“どうかと思うぞ”
……。 馬鹿が!
後ろで服を引っ張るアケビに振り向くと同時に、腰から音も無く取り出したマグナムの照準をアケビの脳天にあわせる。
だが、アケビは顔色一つ変えずに、メモ帳をポケットにしまうと
「……。 私に銃を向けるのは止めたまえ」
「キミ、喋れ——る !?」
一瞬の出来事だった。 照準を合わせたはずのその銃口が、自分の意識とは関係無しに明後日の方向へと向いたのだ。 そして、それを握っていた手の力が抜け、銃を床へと取り落とした。
一体……何が起こった? この女、噂の国家能力者兵か?
いや、だったら既にボクを始末しているはずだ。
だとすれば、やはり本当に——。
そんな考えの中、再びメモ帳の切れ端が目の前に提示された。
“死神と言うのは信じてもらえたことだろう”
“死神の言葉は、人間を殺せる”
“たとえば、死ねというだけで死ぬし”
“自害しろ”
“その言葉だけで意思とは裏腹に”
“自殺させる事だって出来た”
「つまり、ボクが生きるか死ぬかは……」
“キミ次第だ”
“キミが私に対して犯した罪を償えば”
“私はキミに憑く理由は無くなる”
「そうか。 キミ、喋れたんだ……」
“正確にはその言葉は全て”
“意味どおり”
“だから私は、迂闊に殺してしまわぬよう”
“筆談で会話する”
“証拠にほら、会話が出来ない”
“とは述べたものの、喋ることが出来ないとは述べていない”
そうか、……殺すことは無理そうだな。 だけども……事務所で何してるつもりだ?
冗談抜きでこんな小さい女の子……しかもピンポイントで13歳くらいのロリ萌えお宅の喜びそうな年代の女の子なんて依頼に来た前例が無いからな……。 ついでに、この性格と常につまらなさそうにしている表情から見て、M男も喜びそうだ……て、何考えてるんだか……。
さて、如何したことか……。
今、ボクにとてつもなく大きな壁が立ちはだかっている。 アケビを……如何すればいいのか。 コレが今現在の課題。
ここはやはり……本人に聞いてみるのが無難か。
「んじゃあ、事務所にいていいけど、キミは一体何してるの?」
“特に何も”
“ルービックキューブがあっても数秒の退屈しのぎにしかならないし”
“私はナギの仕事を観察してるつもり”
“遊び道具も持ってきたし”
“場合によって、私も口を出すが……(筆談で)”
“実際は、キミの存在意義がなくなるようにするときに限るが(笑)”
「(笑)じゃねえ。 なんだそれ、筆記だからありえてるけど、現実で言葉の最後に(笑)は無いって」
“いーじゃん‾△‾”
その……ふざけた絵文字止めろ。 マジで腹立つ。
“ねえ、お腹すいた”
“朝ごはん、まだ?”
「ああ、そうだったな。 先に上の階へ行っててくれ。 すぐに朝ごはんにしよう、今日は依頼遂行予定が入ってるから。 ボクは今日一日居ないよ」
“じゃあ、君の仕事を”
“視察させてもらう”
- Re: 復讐の死神 ( No.8 )
- 日時: 2011/03/06 14:22
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: 9YJBGiMA)
そこから数分後。 なんだかんだで朝ごはんをかっ込み、装備の上からスーツを着て、そこではじめて一つ問題が発生した。
この角……どうやって隠そう……。 ニット帽をスーツに、と言うのも何だかアンバランスで無駄に目立つし、パナマ帽だと、角が突き出て、見えるし……。
それに、これ以外帽子もってねえぞ……どうすっかな。
パナマ帽を被っている状態で、そんなことを考えていると、目の前にメモ帳の切れ端が提示された。
“似合ってるぞ”
やかましい。 似合ってねえよ、確実にコスプレお宅扱い受けるわこの野郎。 如何にして……角を隠すか。
如何すべきか。
“ま、外出の時は角を消してやってもいいのだが”
「マジ?」
“一つ、条件がある”
「何だ?」
“任務が終わったら自害しろ”
「……論外だな、分かった」
“自害するのか?”
「そんなわけないでしょ、地下を行けば良い」
“あの臭い中を?”
“勘弁してくれたまえ”
“君の仕事を視察できなくなってしまうではないか”
知ったことか。 勝手についてくるとか言ってんなよ、連れて行く気もねえっての。 でもな、絶対こいつ、憑いて来るだろうし……。
あ、そうだ。
「じゃあ、憑いて来るな。 下水道を通っていくからな、この角の所為で」
明らかに、この角の所為ですよと、アピールしてみせる。 もちろん、アケビもむくれて少し考え込んだ。 そして、結局出した答えは、
“仕方ない、今回だけだ”
角を見えないように消した。 だが、コレで十分だろう。 何しろ、依頼遂行場所には滅多に行かないし、角の生えた人間がその日そこをうろついていたら誰もが不審に思う。 まあ、そうでなくとも角の生えた人間と言うだけで不審に思うのだろうが……。
「よし、決まりだね。 キミは表で待っていなよ、ボクがバイクを持ってくるから」
“よし、5秒以内に持って来い”
“でないと君の角をナギにだけ見えないようにするぞ”
この女、ドSだ……。 と言うか、一々面倒くさいな。 如何したら黙らせられるのだろう?
そんなことを考えながらバイクを車庫から出して、アケビを後ろに乗せると、コレに気がついた。
体が……無い! マフラーまでは確実に首があるし、頭がある。 だが、その下のコートは、空洞。
……どうなっている?
「おい、その体……」
“胸無くてすまんね”
「違……」
“安心しろ”
“魔力が足りなくて人間界では頭以外実体化できないだけだ”
“ある程度時間がたって魔力が戻ったら”
“肉体は自然と形成される”
「そうか、それを聞いて安心した」
“何故だ?”
「それって、偶然撃たれても死なないし、痛くないって事だろ!」
その言葉とともに、バイクを急発進させ、依頼遂行へと移った。
今回のターゲットは、大型マフィア「リザードマン」の壊滅及び、書類の奪取。 聞いた限りでは、政府と何らかの繋がりがあるらしい。
何だか、そういう上っ面だけの集団は気に入らないな……。
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