ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- とおりゃんせ—……
- 日時: 2011/03/04 19:04
- 名前: 鈴 (ID: VWN9kw8v)
*とおりゃんせ 「プロローグ」
通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの 細通じゃ
天神さまの 細道じゃ
ちっと通して 下しゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つの お祝いに
お札を納めに まいります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
通りゃんせ 通りゃんせ
あたしはあんたたちの所為で…
未来を奪われた……
この恨み、
未来永劫、絶対に…
子孫の末代で必ず直系の子孫は生き残るが、
必ず短命にしてやる……
生かさず殺さずだから
子孫は永遠に苦しむわよ?
ふふふ……
*
始めまして鈴(suzu)と言います。
ホラー系なのですが初めてなので
どうぞよろしくお願いします。
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- Re: とおりゃんせ—…… ( No.1 )
- 日時: 2011/03/04 19:51
- 名前: 鈴 (ID: VWN9kw8v)
*とおりゃんせ 「登場人物」
野崎 春香 のざき はるか ♀
大親友である怜とその子孫の未来が危ないので助けるべく
彼女等の先祖が起こした事件に関ることになる。
のちに彼女の先祖にもある秘密が。
荒木 怜 あらき れい ♀
春香の大親友だが人間関係が冷淡な一族に生まれたため
未だに普通の女子高校生らしい感情がない。
昔、先祖が起こした事件のせいでその友達の子孫と共に呪われてる。
赤城 啓太 あかぎ けいた ♂
彼もまた先祖が起こした事件の所為で呪われてる一族。
荒木家とは大親友の家柄で共に罪を償う一族である。
春香に気がある。
白木 奈緒 しらき なお ♀
彼女もまた先祖が起こした事件の所為で呪われている一族。
荒木家と赤城家とは大親友の家柄で共に罪を償う一族。
自分の先祖を激しく恨んでる。
—— 江戸時代の人物 ——
野崎 花 のざき はな ♀
荒木家と赤城家に白木家とは大親友の家柄。
後の子孫の春香のご先祖さまでもある。
通称「おはなっちゃん」
荒木 百合 あらき ゆり ♀
荒木家と赤城家に白木家と野崎家とは大親友の家柄。
後の子孫の怜のご先祖さまでもある。
通称は「おゆりっちゃん」
赤城 健之助 あかぎ けんのすけ ♂
前述の通り仲良しであるため通称「四大仲良し隣人家」と呼ばれる。
後の子孫の啓太のご先祖さまでもある。
通称は「けんちゃん」
白木 尚彦 しらき なおひこ ♂
前述のとおりに三家とは仲良しの家柄である。
後の子孫に奈緒がいるが激しく恨まれ続けている。
通称は「なお」
*
- Re: とおりゃんせ—…… ( No.2 )
- 日時: 2011/03/05 12:51
- 名前: 鈴 (ID: VWN9kw8v)
*とおりゃんせ 1 「平穏な日常」
放課後の教室はあたしと怜と奈緒と啓太以外、誰もいない。
だからこそ…
あたしたちはお喋りし続けていた。
時間が遅くなれ、と願いながら。
「もう…夕方だ」
啓太の言葉に時計を見れば5時半だった。
もうこんな時間になってたんだ…
楽しいほど時が早く経つもんだよね、と怜が言った。
たしかにそうだ、怜は相変わらず鋭い。
あたしたちは鞄を持って教室を後にした。
廊下を歩き階段を降りるさい背後で気配を感じた。
「……ん?」
「どうしたの、春」
「ああ、怜…背後で気配を感じたんだけど、気のせいか」
後ろを振り向いても誰もいなかった。
隣にいた怜は少し可笑しく笑った。
啓太と奈緒は先に行ってたようで気付いてない。
慌てて啓太たちを追いかける。
後ろで人影があるとは知らずに……
———
「奈緒ね、お墓参り面倒だよ!叔母さんのなら良いけど」
「あのなー…先祖を恨むなよ、怖ぇよ」
「煩いっ!」
奈緒たちのやり取りを聞きながら通学路を歩くあたしたち。
実は奈緒たちは呪われてる一族としてこの地域では有名だった。
何故なら…
この一族は江戸時代にこの地域に貢献した一族らしいんだけど、
その際のご先祖様の直系の子孫が奈緒たちだ。
だけど…呪われて続けている。
直系の子は必ず結婚して子供を儲けたあとに…死ぬ。
親が早死にする一族で有名だからだ。
だけど子供だけは生き残る。
兄弟や姉妹の場合は片方が生き残ってしまう。
人々に呪われてる、と言われ続けているが、
何故、地域のために貢献した先祖の子孫が呪われてるのか知らず
ただ皆に同情と…恐れられていた。
だから奈緒たちは昔から苛めなど経験してる。
その所為で奈緒たちは今でも人に対し冷淡なところがある。
自分でも最初は怖かったけど付き合う内に怖さはなくなった。
だから今あたしたちは大親友だ。
これからもだよね…?
- Re: とおりゃんせ—…… ( No.3 )
- 日時: 2011/03/05 13:15
- 名前: 鈴 (ID: VWN9kw8v)
*とおりゃんせ 2 「事件の始まり」
私の名前は白木美緒というわ。
白木奈緒の姉よ。
今日は両親がいないあたしたちには命日だった。
どうせ奈緒は能天気だから忘れてるだろうけど
……いや、忘れてないか。
奈緒はご先祖様を激しく恨んでる。
実を言うと私も最初は恨んだけど徐々に真実を暴きたい。
という気持ちになったのだ。
奈緒にも協力させよう無理やりでもね。
奈緒にも真実に逃げないように言いたいの。
もうすぐ私は殺されるだろうから。
夢に出てきた。
女の人は明らかに呪うと言い奈緒を殺そうとしたため私は言った。
「奈緒を殺すな!私を殺せ!」
多分…あの女の人は私達を呪っているんだ、とすぐ直感した。
何故、私たちを呪う?と聞きたいが聞けない。
それは奈緒に任せるからだ。
まず奈緒以外にも協力者も集めなきゃ…
暴走されては困るからね。
身を滅ぼす真似だけはさせたくない。
絶対にさせないからね、奈緒…。
もうすぐ私はあの女の人に殺される。
だから奈緒に今までの経緯と私の決意を託すべくメールにした。
メールを送信し終えたときに背後から気配が。
そして…
童謡が聞こえる。
……とおりゃんせ、とおりゃんせ
此処は何処の 細道じゃ
天神さまの 細道じゃ
私のお母さんもお父さんも死ぬ前にこう伝えた。
とおりゃんせの歌が聞こえるときは
死ぬときだから。
ゴメンね…
奈緒。
「私を…殺してよ、だけど奈緒だけは殺さないで…」
歌声は段々と大きくなる…。
恐ろしいけど奈緒の為なら大丈夫だ。
最後の歌が唄い終えたときに横腹に激痛が……
見れば血が染まっていた。
多分鋭利な刃物で刺されたんだろう。
意識が朦朧とする。
後ろから姿は見えないけど女の笑う声がした。
その声は段々と遠のき最後には聞こえなくなった。
暗闇に視界を落とす前に…。
最後に奈緒に言いたかった事があるわ、
それはね……
ありがとう、とゴメンね。
奈緒…
私の視界はここで閉じた。
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