ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ─迅雷zinrai─
- 日時: 2011/03/06 12:34
- 名前: 遊太 (ID: BZFXj35Y)
《作者のヒトリゴト》
某小説サイトでずっと書いておりました♪知っている人は知っている遊太です。
今回は超能力と殺し屋のお話………かな。うん。自分でもよく分からないです。楽しんで読んでくれたら幸いです。
《注意とその他》
1.小説カキコのルールは守りましょう。
2.荒らし・喧嘩は止めて下さい。喧嘩の発展となる言葉にお気を付け下さい。
3.アドバイス・コメントは待ってます。
ではでは、お楽しみに♪
◆◇◆◇◆◇◆
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- Re: ─迅雷zinrai─ ( No.1 )
- 日時: 2011/03/06 16:28
- 名前: 遊太 (ID: BZFXj35Y)
小雨降る中、スクランブル交差点で傘も持たずに立ち尽くしている男がいた。
男は鼠色の空を見上げ微笑する。
「先輩、そろそろ事務所に戻んないと………」
男の後ろから、小柄でショートカットの女の子が傘を二つ持って駆け寄ってきた。
女の子は男を見ると、頬をプクゥと膨らまし、傘で男の足を突いた。男は一瞬表情を濁らす。
「雨が降る時は傘を持って行ってください!!もう……洗濯大変なんですから。」
「雨は気持ち良いぞ、真里奈。」
男は事務所の後輩である真里菜にそう言うと、黒い蝙蝠傘を受け取りさした。
真里奈も傘をさし、並んでスクランブル交差点を渡り着る。渡りきったところで、真里奈が男に質問した。
「ところで、今回の依頼は終わりましたか?」
「あぁ。それより、気になることがあるんだが……」
「なんですか?」
男はポケットから一枚の写真を取り出す。写真には、アイドルの衣装の様な服を着た、若い女性が映っていた。
真里奈は写真の女性を見ると、「あっ!!」と思わず声を出して驚いた。
「この人、今人気の“Nine’s”っていうアイドルグループの子ですよ!!私、大ファンなんです!!!」
「次の依頼は、この子を殺すことだ。」
無表情で真里奈に言った。真里奈の笑顔は、段々と絶望溢れる表情となり、最期は唖然とした表情となった。
「なんで………どうして…………」
「知らない。事務所に差出人不明で俺宛てに届いていた。」
「殺す気?こんな若い女の子を?」
「俺…いや、俺達は殺し屋だぞ。ターゲットになる者を同情したら、依頼失敗だ。」
男は写真をポケットに戻し、再び歩き始める。しかし、真里奈はその場から動かなかった。
「最低です。人間のクズですよ…そんな………若い子を殺すなんて………。」
真里奈の言葉を聞くと、なぜか男は微笑しながら振り向いた。
「殺し屋をやっている時点で、俺らは人間のクズだよ。」
男はそれだけ言うと、後は何も言わずに振り向いて、人ごみの中へと姿を消した。
「迅雷さん………失望しました……」
真里奈は先程の男を「迅雷」と呼び、そのまま街中へと消えて行った。
**********
三階建てのテナントビルの前に着いた迅雷は、傘をたたむと階段を上がって二階にやってきた。
ドアのガラス張り部分には、“関係者以外立ち入り禁止”と書かれている。しかし、迅雷は躊躇なくドアを開いた。
「今戻りました。」
「おぅ、お帰り。任務報告を頼む。」
「ターゲットは死亡しました、目撃者もいません。」
迅雷は傘を傘立てにしまいながら、事務所の一番前に座る年配の男性に言った。
事務所の主任である飛田大和は、満足そうな笑みを浮かべて何度も頷く。そして、コーヒーを一杯飲んだ。
迅雷は飛田の一番手前のデスクに座り、安堵の息を漏らした。
「ん?真里奈はどうした?」
「………喧嘩してしまいまして………さっき別れてきました。」
「またか…ハハッ。」
飛田は苦笑いを浮かべながら立ち上がり、後ろの窓を開けた。相変わらず雨が降っている。
「まぁ、真里奈の家族は、ここにいる我々だけなんだ。仲良くしてくれよ。」
「分かってます。」
迅雷はそう言うと、デスクの上にあった資料とコーヒーの入ってカップを手に取り立ち上がった。
「俺、また数時間後に依頼が入ってるんで、とりあえず仮眠取ります。」
「無理すんなよ。」
「はい。」
迅雷は一礼すると、そのままデスクの後ろにあるドアを開けて、部屋の中へと入った。
「………雨、止みそうにねぇな。」
飛田は鼠色の空を見上げて呟くと、窓を静かに閉めた。その動作と同時に、事務所のドアが開いた。
「ただいま戻りました。」
「おぅ、お疲れ。」
入ってきたのは、真里奈と眼鏡をかけたインテリの男性。男性は眼鏡を拭き、迅雷の前のデスクに腰掛ける。
「こいつはもう帰ってきてますか?」
「ん?あぁ。」
「っち、また一番かよ。」
綺堂小太郎は舌打ちをすると、背伸びをしながら腰に隠し持っていた消音銃をデスクの上に置く。
真里奈は傘を傘立てに入れると、無言で奥にある‘MARINA’と表札が掛ったドアを開けて部屋に入っていった。
飛田は真里奈の様子を見て、すぐに察知した。
「なるほど。迅雷、女の子を分かってないな。」
「そうですよ。あの雷野郎。」
綺堂は眼鏡を置くと、デスクの引き出しを開けて、持っていたポテトチップスの袋を開けた。
バリバリと音をあげて、豪快に食べる。飛田はその様子を見て苦笑いを浮かべた。
「体系のわりには、よくそんなもの食べれるな。」
「ポテトチップス‘メロンソーダ味’、限定でめちゃくちゃうまいっすよ。」
綺堂の偏った食に呆れる飛田。綺堂はそんなことを思っている飛田の考えに有無、ポテトチップスを頬張った。
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