ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- タイムスリップ=ゲーム=オーバー
- 日時: 2011/03/08 23:51
- 名前: 白梅鼠 (ID: BZFXj35Y)
『選ばれしプレイヤー諸君、こんにちは。』
『君たちはこれから“未来”か“過去”のどちらかを選び』
『課題をクリアして』
『生き残って下さい。』
『ではでは、さいなら。』
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
【ご挨拶】
違う小説で書いていたけど、このサイト見つけてこちらにやって参りました。
‘白梅鼠 シロウメネズミ’といいます。今後ともよろしく。
物語は………読んでからのお楽しみ♪楽しんでくれたら幸いです。
【注意事項】
このサイト上で決まっているルールは、絶対に守ってください。荒らしや喧嘩は即退場。
パクリは一切ないので、適当な因縁をつけないでください。
万が一誤解される様な表現があれば、訂正いたします。
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- Re: タイムスリップ=ゲーム=オーバー ( No.1 )
- 日時: 2011/03/09 00:12
- 名前: 白梅鼠 (ID: BZFXj35Y)
「………ん?」
水曜日の夜、テレビでお笑い番組を見ている時だった。
突然、画面が歪み始めたかと思うと、電源が勝手に切れた。男性はリモコンを手に取り、何度も電源を入れる。
しかし、電源は入らない。
「おいおい……冗談だろ?最近、新しく買ったばっかだぜ……」
今年で高校を卒業して、九州から東京に上京してきた大学1年生の森真は、大きなため息をついた。
半分諦めた様子を見せながら、真はテレビに近づき、手動で電源を入れようと試みる。
それでも電源は入らない。
「はぁ………洒落ならんぜ…………」
真が床にぺたりと座りこんだ、その瞬間だった。
『壊れてねぇし』
「え?」
テレビの電源が勝手に入り、画面は真っ黒だが、確実に若い男性の声が真の耳に聞こえた。
しばらくすると、真っ黒な画面に“future or past”と紫色の文字が浮かび上がった。
『選べ。』
「は?」
『早く選べ!!“未来”か“過去”か、画面に向かって押せ!!!』
「は、はい!!!」
小心者の真は、テレビから聞こえる若い男性の声に催促され、大急ぎで‘past’の方を押した。
押した瞬間、真に猛烈な睡魔が襲いかかってきた。
真は睡魔に見事に負け、そのまま床に倒れ込む。
『ルールは向こうで教えてやんよ。新規プレイヤー。』
真はその言葉を最後に耳にして、意識がブツリと消えた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
森 真 (モリ マコト) 男性 18歳
小心者 努力家 地味
プレイヤーナンバー 444番
登録完了
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
『それではこれより、2015年から過去へと移動を開始します。』
場所:2001年 9月11日
課題:一人ぐらい救え
報酬:真実の欠片
ご健闘祈ります。では、さいなら。
- Re: タイムスリップ=ゲーム=オーバー ( No.2 )
- 日時: 2011/03/10 20:43
- 名前: 白梅鼠 (ID: BZFXj35Y)
「…………Run away early ..peel!!!」
「I do not want to die!!!!!!」
「Hurry up!!!!!! Hurry up!!!!!! 」
微かに聞こえる外国語に、真はゆっくりと瞼を開けた。その瞬間だった。
耳を劈く様な悲鳴と自分の頭上を駆けて行く人々に、真は驚いて立ち上がった。
辺りを見ると、周りはスーツを着た外国人ばかりだった。
「……え!?ど、どうなってんの!?」
真は意味が分からず、何かに逃げて行く外国人をただずっと見ていた。
「確か、いきなり睡魔が襲ってきて………」
真は冷静に気絶する前を思い出そうとする。その次の瞬間だった。
ズズズウゥゥン………──────
ガシャァァァァン!!!!!
轟音と共に建物が大きく揺れ、階段を降りて行く外国人達はバランスを崩して、ドミノ倒しになっていく。
真は壁に張り付き、冷や汗を流してキョロキョロと辺りを見渡す。しかし、まったく場所の検討が付かない。
「ど、どこだよ!!ここ!!!」
真の中に恐怖と絶望が生まれ、小さな悲鳴をあげて、逃げゆく外国人と共に下へと目指そうとする。
途中で何度も転んだが、感覚で分かる迫ってくる死に脅え、急いで立ち上がり足を動かす。
しかし、どれだけ階段を下っても、1階は全く見えない。
真は体力を使い切り、階段から外れて、どこかのフロアの廊下に寝転がった。
「はぁはぁ………ゆ、夢じゃない…………なんだよ……………これ……」
廊下に敷かれた紺色のカーペットに頭を擦りつけて汗を拭き、再び立ち上がる。
立ち上がった時、真の視界に廊下の先にある大きな窓が見えた。
真は何かに惹かれるように窓に近づき、外の景色を見た。
「あ、あ、あ、ここって……そ…そんな…………嘘だ…………」
真の目前に広がったのは、紛れもなく日本ではなくアメリカの街並みだった。
聳え立つ大量のビル群を見下ろし、真は唖然となる。
が、上から降ってくる何かに、真は我に戻った。
何百枚もの紙が、上から炎を纏ってヒラヒラと落ちていく。真はこの光景を見て、脳裏に何か過った。
「……この光景、テレビで見たことある様な………」
真はふと、視線を横に右に向ける。視界に入ったある建物を見た瞬間、謎は全て解けた。
「………同時多発テロ………ここって、世界貿易センタービル!?」
真の目に入ったのは、上層が黒煙と紅蓮の炎をあげて悲惨な姿となった貿易センタービルの南棟だった。
真の額から、一滴の汗が頬を伝わり、顎から床に落ちた。
「待て待て………貿易センタービルは………崩壊する筈じゃ…………」
真が震えた唇で言ったその瞬間だった。
ドォォォォォン!!!!
地鳴りと爆発音と共に、突如南棟が砂煙をあげて崩れ始めた。
真は言葉を失い、大量の砂煙に覆われて行くアメリカの街を見て呆然となる。
南棟は完全に崩れ落ち、跡形もなくアメリカの地から消え去った。
「は………はははっ…………た、確か、この棟も崩れるよな…………」
「そうよ、29分後には跡形もなく南棟と共に崩れ去るわ。」
真は後ろから聞こえた日本人女性の声に振り向いた。
廊下には携帯を持ち、有名メーカーのジャージを着た20前半と思われる女性が立っていた。
女性は真に歩み寄り、窓から崩れ去った南棟を見る。
「あんた、新規のプレイヤーでしょ?」
「え………ま、待って、意味が分からない………なんだよこれ!!!」
「新規のプレイヤーね。初めまして、私は中村奈々。」
「は!?」
あまりにも冷静すぎる奈々に、真はキョトンとした表情で奈々の目を見つめた。
奈々は真を見るとため息をつき、携帯の画面を真に見せる。
携帯には、真っ黒な背景に赤い数字で何かカウントダウンが表示されている。
「残り時間、28分18秒。カウントダウンがゼロになった瞬間、この北棟も崩れるよ。」
「………ど、どういうことだ……な、なんで………」
「説明を全部終わってからするわ。とりあえず、ついて来て。死にたくなかったらね♪」
「は、はい…………」
真は奈々の言葉を聞き、とりあえず奈々の言うことに従った。
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