ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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—桜ノ原—後悔—
日時: 2011/04/24 21:46
名前: もちのくさ (ID: jusjvnjl)

 誰にだって憎いヤツが一人や二人、いるもんだろう?
 オレだっているさ。
  あぁ、どうやってアイツをこらしめてやろう?
        フフフフフ・・・・・・

 オレ、桜野 彩樹(さくの あき)は高校1年生。
 無部だね。でも、無部だからってスポーツができないって思わないでね。
   オレ、スポーツ大好き!!

 

 「なぁ、桜野〜今日はどうした?朝から不機嫌なままだぞ?」
 
 学校からの帰り道、オレと親友の 尚木 聖矢(なおき せいや)はコンビニ前の駐車場でアイスをほおばっていた。

 「別に?いつもこんな感じだよ。」

 オレは  機嫌悪くないよぉ〜  と笑顔を聖矢にむける。
  

 「そうかぁ?まぁ、そうならいいんだけどよ!!」
  
 聖矢はオレと同じく部活に入っていない。
 その理由は家が剣道場をやっているため、彼はそこにかよわなくてはいけないのだそうだ。

 
 聖矢はフと思い出したように言った。
 「そういえばさ、アキは知ってる?村にサーカスが来るってこと。」


 「あぁ、知ってるよ。今朝女子達がうるさいほどしゃべってたから。」

 本当はそれ以前から知ってた情報なのだが、彩樹はそのことについてはだまっておく。


 「アキのクラスって3組か。さすが、3組の女子は情報知るの早いな。」
 聖矢は関心したように3回うなずいてみせた。

 

 「そっちの、2組の女子はなにもしゃべってなかったの?」
 彩樹はとりあえずと、聞いてみたが、その答えはもう分かっている。


 「何もしゃべってなかったぜ。知ってたら普通しゃべるよな?だってこの田舎の村に珍しくサーカス、だぜ?」

 聖矢はあきれた様に笑った。

 
確かに。この田舎にサーカスが来るのは珍しい。
  だって普通はお金がザクザクありそうな都会に行くだろ?

 彩樹はサーカス集団に不信な思いを持ちつつ言った。

 「もしかしたら一生に一度かもしれないよね。ここにサーカスが来るのは!」

 「・・・だよなぁ〜。あ、あの!!}

 聖矢が突然こちらに顔を向けてきた。

 「オレ、そ、そのさぁ、・・・・・・」
 ひどく思いつめたような顔の親友に彩樹は眉をひそめる。

 「・・・どうしたの?」

 聖矢は深呼吸すると口を開いた。


 「オレ!サーカス見に行きたい!!}
 

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—桜ノ原—後悔— ( No.1 )
日時: 2011/04/24 21:48
名前: もちのくさ (ID: jusjvnjl)

「サ、サーカス!?マジで言ってるの?」
 親友が突然言ってきた未来予想図に彩樹は目を丸くする。

 この言い方は・・・一緒に行こうぜって言い方だよなぁ。
  だってサーカスって高そうじゃん!お金ないよぉー!!


 「マジだ!なぁ、お願い!一緒にサーカス見に行こうぜ!!」

両手を合わせてお願いしてくる親友に彩樹は困り顔でたずねる。


 「で、でも、お金はどうするの?オレないよ!!」

 聖矢は彩樹の言葉を聴くと同時に得意げに笑って見せた。


 「それなら心配ないぜ!サーカスには無料でいれえもらえる!!」

 胸を拳でたたく親友に彩樹は眉をひそめた。

 「そ、その根拠はどこにあるの!?」
 オレは思わず大きい声を出してしまった。


 「実は、な・・・」

 
 聖矢が耳元でささやく。
 「サーカスの一員の中にオレの兄貴がいるんだよ。」



 ・・・・・・・・・!!!

 彩樹は言葉が出なかった。
 だってそんな、そんな・・・。
 ラッキーなこと、・・・


 「なぁ、一緒に見に行こうぜ?兄貴が絶対見に来いってうるさいんだよ!」


 オれと聖矢は飛び上がって喜び合った。

 これでサーカスが見れる!しかも無料で!!


 

—桜ノ原—後悔— ( No.2 )
日時: 2011/04/24 21:48
名前: もちのくさ (ID: jusjvnjl)

 
 家に帰ったオレはさっそく親友からもらったサーカスのパンフレットを見た。

 
 ・・・8月3日、午後6時から。村のグリーム広場にて。

 ちなみにオレは一人暮らしをしている。
  家に両親はいないため、いちいち親に言う必要なないのだ!


 オレは心臓から毛が生えてくるほどの喜びと楽しみをかみしめた。
 
 興奮するな、オレ!そんなガキみたいなことするな、オレ!
 一人のときにひょんひょん飛び跳ねて喜ぶ、とか絶対にするなよ!オレは高校生なんだぞ!!


 「さ、夕飯作るか!!」
 オレが気合を入れて立ち上がったとき、だ。

 —ルルルルルー・・・ルルルルルー・・・—

 突然オレの携帯電話が鳴り響く。


「誰だろ?聖矢、かな??」


 オレは携帯電話をかばんから取り出してみる、。

 違う。ってか、見たことない電話番号だな!オイ。


 とりあえず、とオレは携帯電話を耳にあてる。
 「・・・もしもし、桜野です。」


 ・・・・・・・・・・・・


 ((返事が、ない。))


 もしかして、これは今はやりのいたずら電話だろうか?
 切っちゃおうか・・・ いや、待て待て、早まるな。
 もしかしたら話す相手は今、喉のたんを必死で出そうとしている最中かもしれない。


 オレはもう一度問いかけた。
 「もしもし?返事がないなら10秒以内に電話を切ります。」

 オレは数え始める。

 「1・・・2・・・3・・・・」
   「もしもーし。」

 
 おぉ、返事きた。

 「もしもし、こちら桜野です。」

 「近藤です。」

 近藤、聞いたことないな。
 ・・・・・・!!もしかして!{お客さん}!?

 オレは胸がはんだ。


 「{お客さん}ですか?」

 オレの問いに電話の相手もホッとしたように答える。
 「どうやら、{桜の原}のオーナーさんで会ってるようだね。」


 桜の原、とは数ヶ月前にオレが開いた、何でも屋、だ。
 その名のとおり、できる範囲のことは何でもやってのける。
 なぜこれを作ったのか、というと簡単な話、お金に困っていたからだ。 
 最初は自分のほかに4人のメンバーがいたのだが、客が来ない、という事を理由にやめていった。


 オレは目をうるませていった。
 「はい、こちら{桜の原}です。今回のご用件はなんでしょう?」

 ずっと前から練習していた接客の練習が役に立ってよかった。
 オレは内心緊張しつつ、嬉涙をぬぐう。


 「依頼したいこと、あるんだけど。いいかな?」

 「はい!よろこんで!!」


オレは即答する。
 しかし、その依頼内容を聞いた瞬間、オレは凍りついた。
  今までの喜びや楽しみが全て真っ黒い闇の中へ消えうせるような感覚におそわれた。
 

—桜の原—後悔— ( No.3 )
日時: 2011/04/24 21:49
名前: もちのくさ (ID: jusjvnjl)

 
 「僕が君に頼みたいのは、そうだな。単純に殺人を依頼するってことかな。」

 彼はやんわりとした笑みを浮かべる。


 ここは駅前にある公園だ。
 オレと依頼主の近藤さんはベンチに座りつつ話していた。

 数分前、「電話じゃちょっと言いずらいから、直接会おう。」
 と彼から言ってきたのだ。


 オレは緊張でギクシャクしている体をほぐしつつ、言った。

 「・・・そんな事、難しいじゃないですか。オレ捕まりたくないです、警察に。」



 そんなオレに彼は、首をかしげる。

 「その言い方は、警察に捕まらないなら、やってくれるって事でいいのかな?」



 オレは言葉につまった。 
 確かに、自分はそういう意味をこめて言葉をはっした。
 さすがに、彼も気づかないだろうと思っていたのだが、あっさりとそれの意味を理解されたのだ。


 ・・・・・・こいつ、ただものじゃないな。。・・・・・


 オレは彼への警戒度をUPさせた。

 「まぁ、そうですけど。でも、やっぱり内容によりますよ。」

 オレは困ったように柳眉をよせてみせた。



 「ん〜・・・内容、か。じゃぁ、内容を教えるかわりに一つ、約束してね。」

 近藤さんは目をあおがせた。

 「今から、内容を説明するけど、もしこのことを警察なんかに言ったら、僕が君をやりに行く。約束だよ?」



 ・・・・・・?それは脅しだろ??約束する必要ないじゃんか。

 オレは小さく笑みを浮かべた。

 「大丈夫です。僕は警察なんかに おいしい情報 をくれてやろう、なんて事は考えませんから。」



 オレの返答に近藤さんはいたずらっぽい笑顔になった。

 「君って、警察が嫌いなんだね。まぁ、そんな事はいいか。」

 そして、一呼吸したあと、近藤さんはうつむきつつ、話し始めた。


 「内容。おおざっぱに言うとね・・・君の村に今、サーカスが来てるだろ?僕はそのサーカスの主を、こう、パーン!とね、やっちゃいたいんだ。」


 ・・・!?
 その言葉にオレは驚きをかくす事が出来なかった。


 「サーカスの主を!?」

 近藤さんは、オレの口に人差し指をあてて しぃ〜っ と言った。

 「そうだよ。分かってると思うけど、理由は聞かないでね。何でも屋なら聞かずに仕事をこなすんだよね?」


 ・・・そうだ。彼はあくまでお客さんだ。お客さんの依頼してきたことの理由をきいたらダメだ。


 オレは今にも口からでそうな{どうして?}の言葉の飲み込んだ。


 「・・・続けてください。」


 「うん。言い返事だ。でね、まぁ、君が殺すわけじゃないんだ。僕がやるから、観客の目をどこかに注目させて欲しい。これが僕の依頼だ。」



 青年はあいかわらずいたずらっ子のように笑う。

 「で、いくら出してくれるんですか?その依頼をうけるとしたら。」

 オレは真面目な仕事顔になってたずねる。


 ・・・こうなったら、やってやる!初めて来た客だ!!絶対に逃がしはしない!!

 オレは顔がにやけるのをこらえきれずにいた。


 「・・・そうだな。5万、ってどうだろう?」
 近藤さんはポケットから財布を出す。

 まだだ・・・
 「ん〜ちょっと安すぎじゃないですか?」


 オレは冗談でしょ!という感じを出して近藤さんに笑いかける。


 「安いか・・・。じゃぁ2倍の10万は?」
 青年は余裕のある笑みを浮かべた。


 もうちょっといけるはず!
 オレはふんばる。
「いや、せめて15万円はほしいです。」



 「・・・君は・・賢い子供だね。」 
 近藤さんは関心したようにオレを見る。
  そして笑った。


 「分かった。15万円だ!それで依頼、うけてくれよ?金は前もって渡すよ。」


 彼はそういって15万円を取り出すとオレの前へさしだす。
 オレはそれを受け取った瞬間、近藤さんはベンチから立ち上がる。


 「まぁ、詳しいことはまた後ほど。連絡するよ!じゃぁね。」

 そしてどこかへ去っていく。
 オレは彼の背中をみつつ、一つの決意をする。
 その決意は誰の見方をすることもない、ただ、自分を守るためだけの決意だった。






 近藤(20代前半・男)

 近藤は少年、桜野彩樹と別れたあと、一人ぶらぶらと歩いた。
 とくに目的もなかったため、歩き続けてるだけだ。


 ・・・桜野 彩樹、君か。


 彼はかばんから数枚の紙を取り出す。

 そこにはたくさんの人の顔と文字が書かれていた。


 「彼のことについて調べたんだけど、少ししか出てこないんだよね。」


 近藤はぱらぱらと紙をめくる。やがてひとつのページでその動作をやめた。

 そこには、桜野 彩樹の顔写真と少しの文字が書かれていた。



 桜野 彩樹 (男) 高校1年生。

 特技  料理
 趣味  自然観察。
 血液型  O
 誕生日  3月2日

 5人家族。兄と妹がいる。
 高校に入ってから一人暮らし。

 元気で明るい。優しくて情がある。



 本当にこの情報はあっているのだろうか?

 近藤は首をかしげる。
 情がある と書いていたから、彼は殺人計画に反対すると思っていた。
 だから彼を納得させるためにいろいろと手を用意していたのだが。。



 「必要なかったみたいだね。」

 近藤は軽く笑った。

 
 それにしても、調べたことの内容が少ないし、簡単すぎる。

 それに、桜野君は殺人計画を伝えたとき、驚きはしたものの、拒否はしなかった。どちらかといえば、積極的なほうだった。
 そのくせ、ガキのくせにすごく警戒をしていたみたいだったし。


 ・・・普通の子供、とゆうか、普通の人間には思えない。
 


 
 近藤か桜野 彩樹への興味がわきあがってくるのを感じた。

 彼は、 使える、 かもしれない・・・。


 青年は、 近藤は笑う。
  

—桜ノ原—後悔— ( No.4 )
日時: 2011/04/24 21:47
名前: もちのくさ (ID: jusjvnjl)

 その頃、桜野彩樹(さくの あき)は自宅に帰るために電車に乗っていた。

 ・・・近藤・・・・・・。
 あの人はいったい何者だろう?
 

 彩樹は柳眉をよせた。

 「下の名前、教えてくれなかったな・・・。ってか、近藤ってのも偽名だろうな。」



 いろいろな推測が頭をよぎる。

 ヤツは初心者ではないはずだ。
 ・・・それに、近藤さんの胸ポケットがふくらんでたけど、ありゃタブンナイフとか入ってるんだろうな。




 彩樹はだんだんと、近藤のことについて考えるのが楽しくなっていた。
 とゆうか、もともとこういう物騒なことを考えるのが好きなのだが・・・



 —— と、そのときだ ——


 ・・・な、なんだ?


 オレは目だけで辺りを見渡した。

 電車の中にはたくさんの客がいた。
 そのなかの数人が、さっきからあきらかに彩樹の事を何度もチラ見してきているのだ。



 ・・・オレと同じくらいの子供はこの電車にいないわけじゃない。
  どうしてオレ?


 しかも、よく見るとその数人はゆっくり、しかし確実に彩樹のところへ接近している。
 少年を囲むように。



 や、ヤバイぞ!
 こいつ等は、いったいなんだ?ってか、どうしてオレを——・・・!


 彩樹は一つの可能性を思い浮かべる。


 もしかして、彼等はさっき、オレと近藤さんとのやりとりを聞いていたのか?
 それとか、近藤さんを追っていたヤツ等がオレに何を話していたのか聞くつもりか?


 ってか、どっちもありえる話だ。
 まず、第一に近藤さんは初心者じゃない。
 過去に同じようなことを何回もやっているのだろう。
 だったら、どこかの悪い人達や警察官に目を付けられていてもおかしくは無いはずだ。



 オレは恐怖に震えるのをこらえつつ必死に考えた。

 ど、どうしたらこの状況をダッピできるのだろうか?
 こいつ等タブン一回やられたとしても、何回もオレのところに来るぞ!?
 だったら、どうすればいいんだ・・・??




 ヤツ等を徹底的に痛めつけたら、もっと大人数で来るよなぁ。
 でも、この状態で話し合おう、なんていったら誘拐されそう・・・。


 気が付くと電車は目的地についていた。
 オレはかばんを握り締め、走り出した。

Re: ・・・クラブと組織と集団と・・・ ( No.5 )
日時: 2011/03/21 20:27
名前: 銀弧 (ID: frYp9r1F)

小説読ませていただきました!
なんか続きが気になる感じですね。

更新がんばってください!


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