ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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此処は何処の細道じゃ?
日時: 2011/03/21 10:47
名前: 絢 (ID: WVvT30No)

 *此処は何処の細道じゃ 「プロローグ」



何故あたしを殺したの……




何故あたしを捨てたの……




何であの子だけは良くてあたしはダメなの?








教えてよ………










何でなの、








お母さん、お父さん………















始めましてホラーは初めての絢(aya)です、
どうか皆さん、よろしくお願いします♪



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Re: 此処は何処の細道じゃ? ( No.1 )
日時: 2011/03/18 17:13
名前: 絢 (ID: ptyyzlV5)

 *此処は何処の細道じゃ 「登場人物」



桜川 芽衣 さくらがわ めい ♀

ある事件で性格が冷淡になった女の子。
とおりゃんせの都市伝説を知る。



藤原 直哉 ふじわら なおや ♂

芽衣の元彼氏で今はリナの彼氏。
とおりゃんせの事件に巻き込まれる。



杉本 リナ すぎもと りな ♀

心優しいが芽衣との友情を失って以来ずっと芽衣を気に掛けてる。
とおりゃんせの都市伝説を知っており芽衣に教えていた。




木村 龍一 きむら りゅういち ♂

ベテランと互角ほどの優秀な新米刑事。
常に冷静沈着で町で起こった事件を担当された。









Re: 此処は何処の細道じゃ? ( No.2 )
日時: 2011/03/18 17:49
名前: 絢 (ID: ptyyzlV5)

 *此処は何処の細道じゃ 1 「最初の事件」



「おめでとう、美香ちゃん」

「美香のお祝いに外食に行こう」



お父さんとお母さんとの会話が出来る美香が羨ましかった。
わたしの家族は美香だけを可愛がる家族だった。


わたしには一つも気にかけてくれない。


それどころか存在が無いかのように扱うのだ。
美香とは同じ双子で容姿も同じなのに。
瓜二つなのに……



何でなの?





物陰に隠れて見るが本当に美香は幸せそうだった。
美香さえいなければわたしもあんな風に…




そんな思いが過ぎった。






と同時に何処からか不思議な歌声が——





  とおりゃんせ とおりゃんせ

  ここはどこの 細道じゃ

  天神さまの 細道じゃ

  ちっと通して くだしゃんせ

  御用のないもの 通しゃせぬ




聞いたことない歌声に唖然とするわたしに
お母さんが怒鳴り声に近い声でわたしを呼んでることに気付く



慌ててわたしはお母さんの元にきた。





「留守番してなさい、晩ご飯は適当に食べてなさいよ」

「美香ね、今からパパママたちと外食に行くのっ!」




美香だけは事情を知らずにわたしと平等に接してくれる。
後はお母さんの方のお祖母ちゃんだけだった。




「それじゃ、行ってくるわね」





バタンッとドアを閉めたきりお母さんたちは帰ってこなかった。





ようやく帰ったかと思えば知らないオジサンたち。
話を聞けば警察らしくお母さんたちは、






死んだ……









何でも何者かに殺されたらしい












わたしはそれから成長して大人になった、
幸せな家庭を築き子供も授かった。
全て幸せだった。







あのときの犯人は未だ見つからない。







だけど……感謝している。





美香は悲しいけどお父さんたちは自業自得なのだ、ザマーみろ。







子供は二人とも女の子だった、
まるであの頃のわたしと美香みたい…




だけどあの時と二の舞にさせまいと平等に接した。
だからか二人とも本当に聞き分けの良い子に育った。
意見もはっきり言うし、大人の都合に合わせる子ではない——





誇らしかった。だから段々と個性を磨く努力をし続けた。





そんな急にまた寒くなった日の夕方。
スーパーで思わず道草してしまったのだ。






唯と雪が寂しがるだろう……







誰もいない寂しい駐車場に走って行く際に








  とおりゃんせ とおりゃんせ

  ここはどこの 細道じゃ

  天神さまの 細道じゃ

  ちっと通して くだしゃんせ

  御用のないもの 通しゃせぬ








あの歌声だ……










——小さい頃に聞いた謎の歌。






後で施設のパソコンで調べれば曲名は……






ザシュッ——ッ!






「えっ……?」








突然鋭い痛みに襲われた。と同時にお腹が赤くなっている……?







「きっ……きゃあああああああああああああっ!!」








目の前には着物を着た綺麗な女の子がいた。
だけど顔は笑っていた——。







そして手は赤く染まっている、
あの子は……誰なの?






もしかして、この歌の……









そこでわたしの視界は真っ暗になった。










Re: 此処は何処の細道じゃ? ( No.3 )
日時: 2011/03/18 18:06
名前: 絢 (ID: ptyyzlV5)

 *此処は何処の細道じゃ 2 「事件後の学校」



この町に殺人事件が起こった——



そんな事実はあっという間に町の人々を魅力させた。
口では怖いと言いながら結局は興味津々の塊だ。



——みっともないわね



今日も教室でこの話題に友人たちと持ち切りのなか、
あたしは静かに机に座ったまま次の時間を待つ。
退屈だけど人間観察に最高の不思議な感覚を味あわせる休憩時間—。




あたしはただ冷ややかに人々を見る、
云わば゛冷淡゛と呼ばれる性格だ




当然にも良く思われない性格に皆はあたしを気にかけない。




むしろ……助かるんだけどね




はあ、と溜息したと同時に誰かの影が見えた。




——誰なの?




顔を見上げれば……リナだった。
残念ながらあなたに話すことは無いもない。



無視しようかと思ったがリナは話しかけた——。




「あのね……私の、」

「悪いけど、話しかけてくれないでくれる?」




そう断言したあたしは席を離れず座ったまま。
もうすぐチャイムが鳴るはずだ、
早く鳴ってリナを自分の席へと戻させてよ。




チャイムが鳴った。





リナは名残惜しそうな顔をするが無視する。
そんな内に先生が来て社会の歴史の授業が始まった。





ふと窓を見れば雨だった——。






今日は陸上部は休みだな……








あたしは教科書を開いた。
ページは12pだ。










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