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- 何の変哲も無いただの冒険譚
- 日時: 2011/03/25 16:22
- 名前: 葉っぱ ◆wT74Pkz1gw (ID: yO0nPcAS)
こんにちはー
いきなりですが注意事項↓
・荒らしは当然お断り。
・駄文です
・これ書いてる奴はガキです(精神的に)
・頑張りますが更新がゆっくりになると思います
温かい目で見守ってください(生暖かい目も可)
・最初のほうはみんなふざけてますが、ちゃんと真面目になります
誤字・脱字、アドバイス等があったら、遠慮無くいってください。
ではっ!
————————————————————————————————————————————
プロローグ(というかちょっとした不親切)
「おい、そこのお前」
「・・・・・・は?」
いつもどおりの通学路、雛鳥公園の目の前にて。
僕は思わずぞんざいな返事をしながら振り返った。
もちろん、僕は常日頃そんな不作法な返事をしているわけじゃない。
そのときは、ちょっと気が立っていたのだ。
「お前さ、若狭っつーガキ知らねーか?」
そこに立っていたのは、スーツをだらしなく着た男だった。
二十代くらいだろうか。
ワイシャツはよれよれで、ネクタイもきちんと結べていない。
おまけに髪はボサボサだ。
ご近所の皆さんには、知り合いだと思われたくない。
「・・・・・・わかさ?」
「えーと、若狭・・・・・・翔一?って奴。お前、高雛中学の生徒だろ?この若狭って奴もそこの一年なんだが」
わかさしょういち。若狭翔一。
「妹がいて、四人家族。最近引っ越してきたから幼なじみとかもいないし、ご近所づきあいもあまりない。
クラスでは学校一の秀才として周りから一目置かれてるっつー嘘みてーな奴」
男の口から出てくる詳しい情報に、思わず眉をひそめた。
が、男は気付かず、再び僕に問う。
「知らねーか?」
「・・・・・・知りません」
「あ、そ。じゃあいいや」
男はきびすを返し、僕が歩いてきた方、つまり中学校の方へ歩いていく。
「あ・・・・・・、あの」
「ん?なんだ、やっぱ知ってたか?」
「・・・・・・・・・・・・」
しまった。思わず引き止めてしまった。
「え・・・・・・っと、その若狭って人に、何の用だったんですか?」
「ん〜。何の用、ねぇ」
すると、その男は考えるような顔をしてから、突然にっ、と笑った。
「そいつに、消えてもらおうと思ってな」
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- Re: 何の変哲も無いただの冒険譚 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/25 16:02
- 名前: 葉っぱ ◆wT74Pkz1gw (ID: yO0nPcAS)
第一話 不法侵入者に出会う
十六時二十七分、帰宅。
部活は休みだ。
家には誰もいなかったので、自分で鍵を開けた。
お父さんは会社にいっているので当然いないし、お母さんは現在、お祖母ちゃんの家に行っている。
確か、衣類の整理を手伝うんだとか何とか。
帰ってくるのは明日。今日の晩御飯はレトルト決定だ。
まぁ、せいぜいゲームやパソコンをして、有意義に時間を使わせてもらおう。
そう思いながら短い廊下を歩き、リビングへのドアを開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
誰もいないはずのリビングでソファーに足を組んで座り、ゆったりとテレビを見ているのは誰だろう。
先程の、よれよれスーツを着た男だった。
「よっ、お帰り〜」
僕のほうを振り返り、男は軽く手を上げる。
「・・・・・・・・・・・・」
僕は自分の部屋へ向かうため、階段へ向かった。
「ちょっと待てこら。そこフツー無視するか?」
当然の如く男が引き止める。
しょうがなく振り返ると、僕は鞄を床に置きながら言った。
「誰ですかあなた。・・・・・・不法侵入って言葉、知ってます?」
「そういう言葉はな、漢字で書けるようになってから使えよ」
「・・・・・・・・・・・・」
僕はテーブルに歩み寄り、その上に置かれていたボールペンとチラシを手に取った。
そして、チラシの裏面に大きめの字で「不法侵入」と書きなぐり、男の鼻先に突きつける。
「不法侵入って言葉、知っ・て・い・ま・す・か?」
「ありゃ」
男は頭をかきながら感心した様に言う。
「最近の中学生は良く出来てんなー。あ、でもお前は特別か」
「全然、全く、特別じゃありませんよ」
僕はリビングと繋がっている、キッチンへと向かった。
「てかさー、お前全然驚かないのな」
「驚いてますよ。家に知らない人がいたら誰でも驚くでしょう」
棚からコップを取り出し、ペットボトルのお茶を注ぐ。
「でも全然冷静に見えるぞ?」
「驚いてますよ。コップを投げつけたいくらい驚いてますよ」
「それ、怒ってね?」
「・・・・・・で、あなた誰ですか?」
男の突っ込みは無視して、話を進めることにした。
「誰かって?はっ、聞いて驚け!」
無視されたことを気にかける様子もなく、ソファーからいきなり男は立ち上がる。
「俺の名はなぁ!」
「・・・・・・普通に自己紹介してくれませんか?見ているこっちが恥ずかしいので」
「あーもう、つれねーなー」
そんなのでつられてたまるか。
「えっと、じゃあフツーに言うけど、俺の名前は陣内。よろしくな」
「何がよろしくな、ですか。不法侵入した人と仲良くする訳ありませんよ」
「いや、それには理由があってな・・・・・・」
僕はコップをテーブルの上に置いた。
「大の大人が言い訳ですか?みっともない」
「いや、まぁ、確かにそれは俺も同感なんだけど・・・・・・え?何で上から目線?」
「あぁ、すいません。つい」
「つい上から目線って何だよ」
話を進めるつもりがふざけてしまった。
「って言うか、俺もお前に言いたいことがあるぞ」
「なんです」
「さっき道であったときの事だよ。何が知りません、だ。お前が知らねー訳ねーじゃねーか」
「でも、僕が知っている若狭翔一とは違うみたいだったので」
僕はコップを流しに運んだ。
「まず、僕の知っている若狭は、今現在三人家族です。妹は先々週死にました。事故死です。
それに、若狭は別に頭がいいわけではありません。いたって普通の中学一年生です・・・・・・分かりましたか?」
「・・・・・・・・・・・・ん?ちょっと待って、もっかい言ってくんない?」
どうやらこの陣内とか言う人の頭は、一度に二つのことを理解できない残念な構造になっているらしい。
僕が呆れながらリビングに戻ると、突然陣内は真面目な顔になって言った。
「まぁ、いいや。とりあえずこっちの話を聞いてもらうぜ」
にっと笑い、僕をまっすぐに見据える。
「若狭、翔一君よ」
- Re: 何の変哲も無いただの冒険譚 ( No.2 )
- 日時: 2011/03/28 09:13
- 名前: 葉っぱ ◆wT74Pkz1gw (ID: yO0nPcAS)
第二話 内側
僕はテーブルの上に置かれた電話を手に取った。
「嫌ですよ、話なんか誰が聞きますか。こっちは忙しいんです。・・・・・・あ、すみません、警察ですか?今ここに不法し」
「話聞けって言ってんだろーが!」
陣内は僕から受話器を取り上げると、電話を切る・・・・・・のではなく、電話を破壊した。
バリバリと。
メキメキと。
受話器は真っ二つにされる。
あ、電話の中身ってこーなってんだ、と思うような場面ではもちろんなく。
かわいそーに。
「・・・・・・弁償してくださいね」
「うっせぇ。ったく、近頃の中学生は・・・・・・」
ブツブツ呟きながら(おやじ発言)、陣内はそれをきちんとゴミ箱に捨てる。
乱暴なのかそうじゃないのか、よく分からない人だ。
「僕、携帯は持ってないので、警察に通報するにはこの足で交番に駆け込むか、
ご近所の皆さんに助けを求めるかするしかなくなってしまいましたよ?」
「そんなこと知るか。いいから話を・・・・・・ん?」
彼のズボンのポケットで携帯がなっている。
よく分からないが、何かのロックの曲らしい。
名前を確認すると、陣内は露骨に嫌そうな顔をして電話に出た。
「あ、奈央、今ちょっと手間取ってて・・・・・・だってこいつが話聞かねーから。
最近の中学生はさー・・・・・・あー、はいはい、分かりましたよ」
陣内はぱちりと携帯を閉じると、
「と、言うことで」
きわめて唐突に、右手を軽く持ち上げ、そしてそれを巨大化させた。
- Re: 何の変哲も無いただの冒険譚 ( No.3 )
- 日時: 2011/03/29 16:15
- 名前: 葉っぱ ◆wT74Pkz1gw (ID: yO0nPcAS)
第四話 変化
巨大化、というのは、つまり、大きくなったという意味で。
つまり、その右腕は、その右肩から先の部分は、丸太のように巨大化していて。
ただそれだけではなく、その肌は・・・・・・赤く、黒く、変色していた。
「・・・・・・は?」
完全に———、理解の範疇を超えている。
どころか、人間の範疇を超えている。
なんだ・・・・・・こいつ、化物か?
思わず、半歩後退る・・・・・・けど。
それが精一杯だった。
「避けんなよ」
「っ!?」
そんな声が聞こえた、と思った瞬間、「それ」が僕に向かって振り下ろされる。
何の躊躇もためもない。
真上から———叩きつけられる。
「・・・・・・・・・・・・」
避けれるはずがない。
それに、避けたつもりもない。
あんなものが当たったら、つぶれる・・・・・・かは知らないが、無傷ですむはずがない、のだ。
なのに。
数秒後、ようやく五感が動き始め、音や匂いが戻ってきた時、恐る恐る目を開けると・・・・・・。
「・・・・・・え?」
僕は、ちゃんとその形を留めて、しりもちをついていた。
痛みは、無い。
「な・・・・・・なんで」
無傷・・・・・・つまり怪我が無いということ。
でも僕は、確実に当たっていたはずなのだ。
信じられない思いで、自分の体を見てみる、と。
さらに信じられないことに、僕の衣服・・・・・・つまり中学校指定のジャージは、赤い液体で濡れていた。
赤い液体というのは血のことで・・・・・・血というのは血液のことで。
鉄臭い、血の匂いがはっきりとする。
なんだ・・・・・・これはどこから出てきたんだ?
「ちっ・・・・・・なぁんだ、当たりかよ!」
突然、陣内の声が頭に響いた。
グッと腕を引っ張られ、半ば無理矢理立たされる。
ぼんやりしていた視界が急にはっきりし、彼の姿が見えた。
「おい、しっかりしろよ!逃げんぞ!」
陣内は、今は完全に普通な、何の変哲もないただの右手で、僕の腕を掴んでいた。
先ほどの変化の面影は全く見えない。
けどそんなのありえない。
「急げ!」
僕はリビングの外へ、引きずられるようにして出た。
なおも陣内は腕を引っ張るが、僕はそれを振りほどく。
「っ!?なんだよ、早くしねぇと———」
「・・・・・・離れろ」
逃げる、だって?
それなら・・・・・・今はなれるべきなのは、確実にお前だろうが。
化物の、お前だろうが。
「何なんだよ、お前・・・・・・」
「そんな暇ねぇよ!」
それはつまり、話している時間が無いということなのだろう。
でも、それすら僕には分からない。
こいつは、何から逃げてるんだ?
何で急いでる?
ふと、リビングのほうを振り返って見ると、さっきまで僕がいた地黙りが目に入った、が。
さらに異様な光景も、僕は捉えた。
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