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血の色赤頭巾【ちょっと変更しました】
日時: 2011/03/31 16:20
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

12月24日 クリスマスイヴ


「シェラ、イヴ。こっちに来なさい。」

「あなた達がいると不幸になるのよ。」

「『悪魔』がこの貴族の家にいてはいけないのよ。」

「わかったら二人とも出てって。」


ああ、また追い出されるのか—————・・・


私達はいろんな町を転々としてきた。
足が不自由なイヴを背負って、私達はいろんな人の冷ややかな目線を受けてきた。



やだわ…悪魔よ……



なぜここにいるのかしら…早く出て行ってくれよ。



汚らわしい悪魔の子…!!



イヴは悪魔なんかじゃないのに。なんでわかってくれないの。




「寒いよ…おねぇちゃん…」


「大丈夫だよ。お姉ちゃんの毛布も使って。」

丁度妹が眠りについた頃、赤い頭巾をかぶった一人の女の子が私に寄ってきた。

「……」

また悪口言われるんじゃないかな。でももう大丈夫。

妹はもう寝たから———…


「妹さんを置いていけばいいじゃない。」


「…そんな…この子を置いていくことなんてできない……私の大事な妹なの。」

「だって、足も不自由で、悪魔と言われる子なんて、誰にも必要とされないし…姉のあなたは何も悪くない…
 あなた一人なら、なんとか引き取り手が見つかると思うわ。」


「やめてよ………私は…ここまで頑張ってきたのに………頑張ってるのに…」

「そうやって努力するのって疲れるでしょ。本当は心の奥では、早くこの子が無くなればいいとか思ってるんでしょ??」

「……」

「私が助けてあげる。」


ニッコリと笑って、暗い路地で毛布を体に巻き、横になる妹を抱き上げた。


「何するの!?やめてよ!!私の妹…!!」


薄い毛布の端を掴んで、その子は私の妹を川に放り投げた。




┗[>notes

・グロイの無理!!

・神作見たい!!

・荒らすぜ!!

・恋人欲しいから、まずここから探してみるか!!

・更新のスピードは命。

と言う人はまわれ右、どうぞー。

基本(と言うか絶対)、更新は遅いです。
できるだけ駄目作を防ぐ為、超それでもいい方は本編をお楽しみください(笑´Д`)
よろしくお願いします。


┗[>guest

・梨聖様
・銀弧様
・萌乃様

(ノ゜□゜)ノコメ有難う御座います(、。_。)、


┗━[>【血の色赤頭巾】<]━┛


cast…>>01

√chapterⅰ

┗[>1話>>03 2話>>05 3話>>06 4話>>08 5話>>014


(´—ω—`)

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Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.2 )
日時: 2011/03/29 19:32
名前: 梨聖 (ID: VNP3BWQA)

は〜・・・。何だかすごい話ですね〜・・・。
更新楽しみにしています☆

Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.3 )
日時: 2011/03/29 19:45
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

1話 報われない夢 



私達は、貴族の家に双子として生まれた。

小さいころから大切に育てられてきた。私は。

妹のイヴはいつも独り。
使用人も誰一人として彼女に構おうとしない。
私がイヴに近づくと、いつも親に止められてしまった。


あいつには絶対近づくな


                 呪われるぞ


        あいつには悪魔が宿っている



イヴの左目はいつも赤く光っている。
充血してないし、コンタクトでもないけど、赤く光っている。
そして、イヴに設けられた部屋は天井の物置部屋であった。

埃っぽく、何もない部屋。小さな窓からさす明るい光が、ただ一つの灯りになっていた。


「ねぇイヴ、一緒に遊ぼうよ。」

窓を見つめるイヴはゆっくりと振り向いた。

「私といると、皆に悪く言われるよ。」

振り向いたその顔はいつも笑っていた。




なんで??


         なんでいつも笑っていられるの??




みんなから貶され、追い出され、苦しまされて、でも平気な笑顔でわらっている。


誰が何をしようとも、私は妹が大好きだ。
いつでも笑顔を忘れず、言うことはちゃんと聞くし、本当に大好きだ。
あの赤い左目も————…


あんなことが起こるなんて、思いもせずに。

Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.4 )
日時: 2011/03/29 19:47
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

>>02 梨聖s


初コメありがとうございます♪

設定が複雑で私もわからなくなりそうでs。

更新頑張ります!!

Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.5 )
日時: 2011/03/29 21:52
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

2話  寒い朝


12月1日、突然父親が怒鳴り始めた。

何時ものように妹は避けられていたけれど、私は妹に構う暇などないほど、
傷ついていた。



『この悪魔め!!二度と目の前に現れるな!!』



父が私達を追い出すなど思ってもみなかった母親は、
父に秘密で友人の主人に私を家に泊まらせてくれるよう頼んでいた。

ただし条件は

今までの『名を捨てる事。』


『主人にはなにがあっても全てを従う事。』
      

そして、3つ目は『自らの手でイヴを殺す事』であった。


貴族の家に生まれた以上、悪魔の目を持つ妹との接触は堅く禁じられいたにもかかわらず、
イヴと接触した私は、イヴとの関係の事で世間から怪しまれていた。
イヴとの絶交を確かめる為、そこの主人はわざわざ私の手でイヴを殺させようとしているのだ。
私が妹を殺せば、引き取ってくれるらしい。


(そんな———…私にはできない。イヴを殺すなんて——…)


10歳にもならない実の妹の命をこの手で終わらせてしまう??


嫌だ。

妹は条件とは関係ないのに。

なんでイヴばっかり、辛い思いをしなければならないの??


なんでイヴばっかり。


Re: 血の色赤ずきんちゃん ( No.6 )
日時: 2011/03/31 12:46
名前: 桜木 無羽 (ID: 3ZeOyjRh)

3話 妹の死んだ川


チチチチチ…


雀の囀りと自動車が行きかう音で目が覚めた。


今日もまた始まった。
何もない一日———…
私は母の友人の家には引き取られないことにした。
そこの主人はきっと私がイヴを殺せないのを知ってて条件に入れたんだ。
馬鹿にしてたんだ。


妹は——…まだ寝ているか…

妹にとっては、寒い路上の上でも平気なのかな。
だって、いつも寒い物置部屋にいたから。それがイヴに割り当てられたただ一つの自分の居場所だった。
だからそこにしか居てはならなかった。

「はぁ…」

その時、私はこれから先、生きてて何があるのか。と脳裏に浮かんだ。

私には姉として、妹を守っていく義務がある。
一人より二人の方が心強いはずだし、

これからはイヴ一人の為に生きていくのだ。

一時は他の町に行き、使用人として働いていたが、イヴの目の事がばれて、結局追い出されてしまった。


「お姉ちゃん??どうしたの??」

私達の新しいすみ場所となった町の路地裏の近くには、こんなにも広いのかというくらいの川がある。
その川には、大きいにも構わず、人が二人並んで歩けるかどうかの小さい橋がかかっている。


「ううん………何もない。」


ここには貴族が多い。
上と下の差がハッキリしている。
私達のように家が無く、もう何年も此処にいる人だって勿論いる。
私達とは逆の存在の人は、此方をみて笑っているのだ。
その光景を見ながら、私は行った。


「この町を出よう。」


「またお引っ越し??こんどはどんなところに行くの??」


「私達の事を知らない人がたくさんいる町だよ。」


いつも地図を見ながら貧しい町を選んでいるが、最後は追い出されてしまう。
ただの貧民ならまだしも、イヴには『悪魔の赤い目』がある。
なかなか安定しない生活。

「明日にこの町を出よう。」




妹が寝付いた夜。
貴族とは全く無縁の世界が広がる。
目の前の川は早朝とは違い、激しく波を立てて流れていた。


「あなた一人なら、引き取り手が見つかるかもね…」


「!?」


後ろを振り向くと、赤い頭巾をかぶってクマの人形を持った女の子がいた。
私とおなじぐらいの可愛らしい人だった。

「…………」

「妹さんを置いていけばいいじゃない。」

「……!!」

「…そんな…この子を置いていくことなんてできない……私の大事な妹なの。」


「クスクス…だって足も不自由で、悪魔と言われる子なんて、誰にも必要とされないし…しかも姉のあなたは何も悪くない…
 あなた一人なら、なんとか引き取り手が見つかると思うわ。」


「やめてよ………私は…ここまで頑張ってきたのに………頑張ってるのに…」

「そうやって努力するのって疲れるでしょ。本当は心の奥では、早くこの子が無くなればいいとか思ってるんでしょ??」

「……」


ひどい

この子

でも

『早くこの子が無くなればいいとか思ってるんでしょ??』

これは私が一番考えないようにしていた言葉だった。

「それは…っ」

その時、今まで我慢していた気持ちが一気にあふれ出した。

「私だって、元の生活の方がよかったよ!!今までイヴを見てきて、人事だって思ってたけど、
 この子のせいで私がこんな目にあうなんて、思ってなかったもん!!」


「………」


「私は…もうイヴなんて大嫌い。消えたらいいのに…」



…私…今なんて…??



「そう。じゃあ私が助けてあげる。」


その子は毛布に包まれていたイヴを抱き上げ、私の方を向いて笑った。


「何するの!?やめてよ!!私の妹…!!」

「消えたらいいって??じゃあ叶えてあげるよ。」



橋の上に移動し、毛布を引っ張り上げた。


「な——…」


その瞬間、耳の奥に、なにかの音が聞こえた。
まるで、川になにかがおとされる音。



「ほら。良かったね。」



そのおとはなんのおと………??




「い…」




だいきらいないもうとがしんだおと………??





 
「いやぁあああああああああああああああああ!!」


クス…クスクス…


少女は楽しそうに笑って、町の中に消えていった。



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