ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ブラック・コーア
- 日時: 2011/03/30 18:05
- 名前: わか (ID: jKtRhKej)
初投稿です。
戦争系・SF好きなだけです
それだけで作りました。
楽しんでいただければ幸いです。
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- Re: ブラック・コーア ( No.1 )
- 日時: 2011/03/30 18:24
- 名前: わか (ID: jKtRhKej)
1・悪夢
夢も現も苦しみで満ちていた。
コラード・ベリンの見る夢は、五臓六腑を撒き散らす凄絶な死によって終わる。
幾度と無く弾丸を打ち込まれ、咽笛を切り裂かれ、全身を炎で焼かれた少年兵には、人の心が無い。
心は、目の前で起きる全ての事に敏感すぎる
豊かな心は、すさまじい苦痛をさらに増幅させ、表現のできないほどの怨念を生み出してしまう。
凡人ならばそこで終わるが、永劫の戦いに身を投じるコラードは例外である。
何度命を散らしたか、何度体を吹き飛ばしたか
その経験を覚えているほど、余裕は無い。
追い詰められ、追い詰められ、夢でも追い詰められ、逃げ場を無くしてから、ようやくコラードは悪夢から目覚める。
「……うわぁっ!ハァッ!ハァッ……また……ここか」
濡れるシーツをどかし、ベッドから起き上がる。
狭く暗い世界だ。
見慣れてはいるが、ここは暗い世界だ。
照らしてくれているのは、頼りない裸電球のみ
コラードは自室、というよりは牢屋に近い部屋を出ると、汚水のにおいがきつい廊下に出る。
自分の意思でどこかに向かっている。きっと戦場なのだろう。そう思いつつ、コラードは歩いていく。
- Re: ブラック・コーア ( No.2 )
- 日時: 2011/03/30 18:42
- 名前: わか (ID: jKtRhKej)
そうしていつものように歩いていると、仲間と合流する。何度も死線を乗り越えたり、共に最期を看取り合った仲間だ。
「ようコラード。今日は生き残れるか?」
ジョー・ジャックマン。口と腕が達者なコラードの上官。
高い生存率と判断力を持つ。どんなヤツかは、ここでは重要ではない。
「どっちでもいい」
目線は変えないまま、コラードは口を開く。そう答えたのは、生き残ることが、そこまでこだわるべきものではないからだ。
——廊下は長い
マルコ・マンジは、誰よりも冷静だ。混戦の時における統率力、判断力は隊では重宝される。知識は豊富だが、性格は、語るほどではない。
デビット・ハモンドは、狂っている。とても狂っている。
仲間は、4人だけ
きっと同じ境遇の者はもっといるのだが、コラードたちは常に4人で作戦を遂行する。
- Re: ブラック・コーア ( No.3 )
- 日時: 2011/03/30 21:32
- 名前: わか (ID: jKtRhKej)
作戦会議室は、コラード達だけ別室で行われる。
軍が期待しているのか
普通の人間ができない任務を遂行できるから、よく言えばそうなのだが、悪く言えば生贄のようなものである。
任務は、アレジという正規軍人がいつも伝えてくれる。
「よう、今日は集まりが良いな」
アレジがくるときには、コラード達は既に会議室で待っていた。
改めて見ると、みんな目が死んでいる。それでアレジがどうするということも無いが。
「この前は残念だった。だから今回は名誉挽回させてやろう」
そう言ってアレジは、スクリーンの電源をいれ、そこに電子地図を開く。
「エリア2230の樹海か。既に制圧したと思っていたが」
「ジョー君。残念ながらまた奪い返されてしまってね。おまけに最近は軍の士気もいまひとつでな。こんなことを頼めるのは君たちしかいないんだ」
アレジは、ジョーに目を合わせつつ皮肉を込めるように言った。かつてX12を制圧した功労者がジョーだったからだ。
「知ってのとおり、この樹海を進むのは非常に難しい。見えないところに無人の対空砲やゲリラがいるからな。しかも最近は軍備が充実している情報もある」
「どうしようもないな。無理なんじゃないの?」
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