ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ——裏切らないでね?
- 日時： 2011/03/30 18:41
- 名前： アリア （ID: fS3ho1RJ）
あたしと友達が仲良くなる為には、お互いに信頼し合わないとね。
本当にアナタを大切にするから、喜んでよ。
本当にアナタの味方だからね、喜んでよ。
後はね、一つだけ、お願いがあるんだけど聞いて。
あたしを、
——裏切らないでね?
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- Re: ——裏切らないでね? ( No.1 )
- 日時： 2011/03/30 18:44
- 名前： アリア （ID: fS3ho1RJ）
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春本 愛 / はるもと あい ♀
安藤 マナミ / あんどう まなみ ♀
三上 怜奈 / みかみ れいな ♀
長谷川 佑 / はせがわ ゆう ♂
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- Re: ——裏切らないでね? ( No.2 )
- 日時： 2011/03/30 19:34
- 名前： アリア （ID: fS3ho1RJ）
春風が心地好く道路や木々を通り抜け舞う頃に離任式が行われていた。
普通ならば、評判の良い先生が抜けると落ち込む者がいるのだが、
明らかに尋常でない落ち込みというよりか、凄く「悲劇」を感じさせる。
目を赤くさせた校長があたしたちの前で話す。
「赤城先生が何者かに、殺されました」
途端に中には泣き出す者が居て、空気は重く重く沈んでしまった。
赤城勝先生は教育熱心だが心優しく穏やかで暑苦しさを感じさせずに、
何処か爽やかな好青年といった親しみ感で学校から好かれてる先生だった。
あたしたちの学校に世間で話題になってる「モンスターペアレント」も
赤城先生のクラスになった途端、理不尽な要求は無くなったのは有名な話だ。
何より大親友のマナミは赤城先生を慕っていたから悲しんでいるはず、
あたしはマナミの方を見るが、予想外でただ冷静だった。
「赤城先生は本当に素晴しく皆さんの為を考えてくれる先生——」
校長の話はほとんど聞かれずにただ皆が心の中で悲しみに沈んでいる。
校長も気付いたのか、いつもより話を短く終えさせた。
あたしたちは講堂を出た。
教室に戻るも教室はまだ暗い雰囲気のままだった。
皆に慕われていた先生が何故あんな風に殺されるのか分からない。
担任の先生も話を短く済ませ、あたしたちは素早く帰る準備をした。
緊急下校だった。
全部活動も一斉に休みになった。後10日間くらいは続くらしい。
平和だと思われたこの町に『殺人』事件が起こったのだから無理も無い。
だけどそれを興味津々で好奇から取材をする『マスコミ』が憎い。
安らかにさせてくれない。
人々の思いを踏みにじる彼等『マスコミ』が憎たらしい。
校門前に大勢のマスコミが居てあたしたちに取材を申し込んでくる。
何とか上手くまき、事件の所為で人気もなくなった通学路ではない道を、
静かに歩いた。
いつもの仲良し4人組で。
「赤城先生、何で死んじゃったのよ……」
怜奈が今にも泣きそうな声で言った。
そんなのうちも知りたいよ、とマナミが付け加える。
全体的に重い空気が圧し掛かった。
これ以上何も言う気になれず、あたしたちは途中の道で別れた。
何処と無く寂しい別れだ。
あたしはさっきから三人が気になって仕方ない。
大丈夫だよね?
そんな確信はあると信じたいけど、何処か心の隅で疑っている。
「———大丈夫だよね?」
知らずにまた呟いた。
あたしの横に春風が通り抜けた。
その春風は、
冷涼な感じだったのを、今でも忘れられない。
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