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苺とチョコレェト
日時: 2011/04/01 08:24
名前: 琉已 ◆y3J4S9STM2 (ID: hj9a4sJB)

はじめまして。琉已という者です。
小説を書こうと思います、是非是非応援等宜しくお願いします。

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Re: 苺とチョコレェト ( No.1 )
日時: 2011/04/01 08:41
名前: 琉已 ◆y3J4S9STM2 (ID: hj9a4sJB)

銃声と咆哮が私の鼓膜を刺激する。

「おねぇ…ちゃん。」

小さな声そう言いながら私に縋り付く幼い妹達を私はそっと抱きしめた。

「おねえちゃん、怖いよぉ。」

今にも泣きそうな目で私にそういう三女のエリィの肩は微かに震えていた。

「大丈夫。何かあっても貴方達だけは助けてあげるから。」

優しくそう言う私に安心したのかエリィの震えは徐々に無くなっていく。…そうだ。この子達は私が命をかけて守る。お父さんとお母さんにそう、約束したんだ。

「キャアァァッ!!!!!」

次女のメリィの叫び声にハッとして振り返る…すると私が背を向けていた家のドアが今にも破壊されそうに軋み声をあげていた。

「———!!!」

息が急に出来なくなる。…どうして??…この子達だけでも…この子達だけでも助けなきゃなのに…。体が動かない…。どうして??

「開けろ!!!!居るのは分かっている!!!!」

ミシミシと声をあげる木製のドアの向こうで誰かが叫んでいる。…止めて。来ないで。

「お…ねぇ…ちゃん??」

固まって動かない私の顔を心配そうに覗き込む妹達を見た瞬間、何故か殺意が湧いた。…何でよ。私は…何時だって一生懸命だったのに…。何でこんな無能な妹達の為に死ななきゃ行けないの?!意味わかんないよ…。

「貴方達は此処にいなさい。」

自分でも驚くほど冷たく恐ろしい声を発する事が出来た。…妹達は何が何だか分からないというように顔を恐怖に染めながら小さく頷いた。

「………。」

多分あと3分後にはドアの外にいる誰かが部屋に入って来て私達を撃ち殺す。…妹達と一緒に逃げても3分じゃ足りない。逃げきれずに殺されるだけ。…なら。

「おねぇ…ちゃん??」

幼い妹達あ恐怖に満ちた表情で私を見つめた。…私は部屋の中にある1m程上にある窓に手を掛けた。…逃げられるような場所はここしかない。

「おねえちゃん??」
「おい!!居るんだろう!!大人しく出てこい!!」

色々な声や音が脳内に流れてきて腕に力が入らない。…どうすればいいの??

「おねぇちゃん!!!!!」

妹達がそう大きな声で叫んだのと家のドアが壊れたのは同時だったと思う。…それと私が窓の上に這い上がり外に脱出したのも。

「いやあぁああぁぁぁぁっ!!!!」
「おい!!他に誰か居ないか家の中探れ!!!」

ドアの外にいた『誰か』の声と妹達の悲鳴が協和する。そして、銃声が鳴り響いた瞬間、先程まで鬱陶しいと思えていた叫び声がピタリと止んだ。

4月8日午前9時28分…この日のこの時間が…妹達の命日となった。


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