ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 〜異形人形 Mysterious dolls〜
- 日時: 2011/04/05 16:22
- 名前: スライム (ID: BZFXj35Y)
〔Hello Goodmorning Goodafternoon good-bye〕
クリックありがとうございます(^_-)-☆もう、戻るボタンは押させねえぜ(ウザぃ…
話の内容は、兄妹の切なく涙なしでは読めない物語です……泣けるぜ。
たぶんですけどね。
まぁ非現実的な部分が多々あると思います。てか。9割がそうだす。ご了承ください。
ゆえに、次の項目に当てはまる人は戻った方が良いかも………
1.これは表現力なくて想像できんわ
2.でら面白くない
3.駄作……削除依頼出しちゃうぞ♪
この項目以外でも、この小説或いは拙者が嫌いな人は戻ってよし!
ではでは、全てを許してくれた貴方様はお楽しみください(^O^)/
○ ▲ □ ● △ ■ ○ ▲ □ ● △ ■ ○ ▲ □
Doll>>003
Maine Casting>>005
Sub Casting
Prologue>>001
01話>>002
02話>>004
Page:1
- Re: ─異形人形─※作り直しました ( No.1 )
- 日時: 2011/04/03 22:17
- 名前: スライム (ID: BZFXj35Y)
【Prologue】
「こんな世の中、どうかしてる。」
誰もが一度は思ったことだ。現に僕もそう思う。
2033年の世界は、明らかに理解不能な方向へと足を進めていた。
“世界政府”という半非現実的な言葉がニュースで報道された時、誰もが自分の耳を疑った。
それは3年前の出来事だった─────つまり2030年の時である。
『米国に拠点をおいた世界政府を結成しました。』
朝のニュースで見慣れた女性アナウンサーが、手元に置いてある原稿を読みながら言った。
女性アナウンサーはとんでもない文章を無表情で黙々と読み始めた。
『約20ヶ国の先進国で結成した世界政府は世界未来条約(WFC)を結びました。
日本総理大臣の神島竜神は、昨日行われたサミットに出席して国々と意思表明を交わし、
各国の首相と写真撮影を行うなどの
喜ばしい一面も見せた模様です。
続いては…………』
黒髪をオールバックで整えた強面の日本総理大臣の神島竜神。
神島が各国の首相と笑顔で写真を撮影している映像が流れる。
それは我々、日本国民にしてみれば理解することが不可能な映像であった。
いきなりの“世界政府”の結成と“世界未来条約”を他国と結んだというニュースに驚きを隠せなかった。
この時、僕は心の中で感じていた。これから何か始まるのではないかと______。
そして2ヶ月経った頃に、僕の予想は見事的中した。しかし、それは想像を遥かに超えていた出来事だった。
『我々世界政府は来るべき人類の絶滅に備えて、新たな人類を創りだすことを可能とした。』
神島の口から直接発せられた意味深い言動。
それは恐らく、終わりの始まりというステージの幕をあげる合図だったのだろう。
神島の意味深い言動から数日経ち、日本国内で謎の“招待状”が届き始めたのだ。
差出人は一切書かれていない黒い封筒。中には1枚の便箋が封入されていた。
便箋に書かれた短い文章は、届き主の顔色を変えて言葉を奪った。
─ 招待状 ─
この度、あなたの知性と人間性が認められて選ばれました。
厳選されて選ばれたあなたは、永遠の命を手にする資格を得たのです。
後日、あなたの自宅にお迎いが上がります。
どうか反抗せずに速やかに連いて行って下さい。
我々と共に、永遠の未来を過ごしましょう。
この便箋は、僕達を「人間」からランクを成り下げる万物だった。
直に黒服を身に纏った政府の人間が、“選ばれし者”を自宅まで迎いにやってきた。
彼らは僕達に何も言わず、耳当てと目隠しをして車に無理やり乗せた。
そして目的地に着いた瞬間、首元にスタンガンが押し付けられて気絶した。
─ 次に目を覚ました時は、すでに「人間」ではなかった ─
手の甲に浮かび上がる痛々しいスリーダイヤの焼き印。これこそが、証だった。
そう。
「人形」の証である。
政府曰くの実験施設に連れて行かれ、我々はある物を奪われた。
それは言うまでもなく、「人形」と呼ばれる理由、つまり“感情”を奪われたのだ。
無表情で何も思わない人間 = 人形ということだ。
最愛の人が死んでも、決して悲しむことはない
誰もが見て笑う有名なお笑い芸人のコントを見ても、笑うことはない
人を愛すことなんか、できるわけがない
そう、奴らは奪ったのだ。人間に一番必要な物を。
だけど僕達は違った。
僕と妹だけは、感情を奪われずに焼き印を押されただけで済んだ。
理由は分からない。しかし、これは僕の心に1つの決心をつけてくれた。
「奴らの手で、この焼き印を消さしてやる。」
この焼き印を付けられた「人形」を見る一般市民の目は、最早、ゴミを見る目同然だった。
僕は奴らを許さない。
最愛の家族である妹を守るために_____
自分の人生を取り戻すために_____
「人形」となった「人類」を元に戻すために_____
僕は戦いの道を進む。逃げはしない、後戻りもしない。
人形でも足はある。自分の足で、真実へと辿りついてみせる。
- Re: ─異形人形─※作り直しました ( No.2 )
- 日時: 2011/04/04 14:01
- 名前: スライム (ID: BZFXj35Y)
§第1話§
「お兄ちゃん!!お家、見えてきたよ!!!」
ツインテールと制服のスカートをパタパタと揺らしながら、僕の妹である里早は飛び跳ねた。
5週間ぶりに見る家は、外から見ていると閑散としている感じを漂わしていた。
しかし誰が何を言おうと、あの2階建ては神崎家の自宅だった。
中性的で女の子らしい顔つきの優太は、自宅を見た瞬間に思わず笑みがこぼれた。
それもその筈、今から5週間前の出来事に遡る──────
━5週間前━
ピンポーン♪
神崎家に1本のチャイムが鳴り響いた。チャイム音と同時に、優太の父と母は肩をビクリと動かす。
そして2人は顔を見合わせて、父が無言で頷いて立ち上がる。
玄関に向かいドアを開けると、前髪に赤いメッシュを入れた黒服の男性が立っていた。
「先日招待状は届いておりますよね。息子さんと娘さんを引き取りに参りました。」
「………何の話だ、招待状など届いておらんぞ。」
父はあくまで怪しまれない様に無表情且つ同じ声のトーンで喋る。
「そのような芝居は何十回と見てきました。お2人を出さなければ力尽くで引っ張りだしますよ。」
黒服の男性は首を傾げながら父に言った。しかし、父は未だに玄関から動こうとしない。
男性は何度か頷くと、着ていたスーツの中を見せた。見えない様に、腰に拳銃が隠されていた。
「‘死ぬ’か‘息子さんと娘さんを出す’、どっちかお選びください。」
「‘死ぬ’を選ぶに決まってるだろう。」
父は悩む間もなく、男性の冷徹な目をしっかりと見ながら言い放った。
すると、男性はフフッと笑いながらスーツを着直した。
「こんなことしても意味はないですね。失礼しました。」
「……………」
「あなたも政府の役人なら今は従っておくべきです。反抗すれば、奥様にも命の危険が迫りますよ。」
男性の一言で父の眉がピクリと動く。ふと、後ろを振り向くと2階から優太と里早が父を見ていた。
父は2人と目が合うと、優しい笑顔で微笑んだ。
「……分かった。しかし、本当に命の危険はないのか?あの子達に何かあれば………私は……」
「大丈夫です。ご兄妹は本当に運が良いですよ。」
「どういうことだ?」
「いえいえ、こちらの話です。安心してください。1週間で戻ってきますよ。」
男性は笑顔で父に言った。しかし、父はその笑顔が偽物だとすぐに気付いた。
「君も例の“人形”………とかなのか?」
「えぇ、御覧の通りです。私は5番目に創られた“人形”です。」
男性は左手の甲に痛々しく押された黒いスリーダイヤの焼き印を父に見せた。
更に、スリーダイヤの真ん中には「5」と小さく焼き印の上に焼き印が押されている。
「それでは、息子さんと娘さんはお預かりします。」
男性は父にそう言って、我が神崎家に足を踏み入れたのだった
━━━━━
そうだ。本当は男の言葉通り、1週間後には帰れる筈だった。
それが5週間も延びたのには理由がある。
実験施設で、実験途中の「人形」が1体逃げだしたのだ。
逃げだした「人形」は実験施設の厳重なセキリュティを1人で破壊しながら進み、結局逃げたらしい。
その事故ともいえる出来事は、世間で大きく報道されて施設は一時閉鎖。
無論、僕と里早は巻き添えを喰らい、施設に閉じ込められて4週間もの期間を施設で過ごした。
そしてつい先ほど、僕達は施設から出て来れたのだ。
「お兄ちゃん!!早く早く!!!」
すでに自宅の玄関前にいる里早は、手を大きく振りながら僕に向かって叫んだ。
「え〜っと……確か鍵は………あった!」
ジーンズのポケットにあった自宅の鍵を取り出し、玄関まで小走りで向かう。
「パパとママ、元気かな?私、色々話したいことがあるんだよね〜ぇ。」
里早は笑みを浮かべながら鼻歌を歌っている。
玄関のカギを開けると、里早が元気よく家の中に入って行った。
「ただいまぁぁぁ…………あれ………え………?」
家の中は不気味なほど静まり返っており、家の中に人の気配がなかった。
「ママー、パパー。」
里早は靴を脱ぎすて、キッチン、リビング、風呂場、そして2階へと向かった。
探すまでもなく両親は家にいなかった。
埃まみれの床は歩くたび埃が空に舞い、見慣れたリビングに行けば、畳にカビが生えていた。
「きたな……どうなってる?」
家の中はまるで、誰も住んでいない空き家の様な状態だ。数分後に、里早が2階から戻ってきた。
「めっちゃ埃が舞ってるし………ねぇ、パパとママどこに行ったんだろう。買い物かな?」
「………もう、ここには誰も住んでいないよ。」
里早に言うと、言うまでもなく里早は僕に聞き返した。
「な、なんで………どうして、そんなことを言えるの?」
「この埃の量は尋常じゃない。多分、僕達が施設に連れて行かれてすぐに引っ越したのかも……」
「待ってよ!!私とお兄ちゃん置いて引っ越したの!?おかしいじゃん!!」
里早の言う通りである。そんなことを、あの優しい母さんと父さんがする筈がない。
僕はふと、右手の甲にある黒いスリーダイヤの焼き印を見た。
こんな出来事はまだ始まりでもなかった。
僕達は今から、事態の重大さに気付き始めるのである。
- Re: ─異形人形─1話うp ( No.3 )
- 日時: 2011/04/04 18:20
- 名前: スライム (ID: BZFXj35Y)
世界政府が創りだした「新たなる存在」にして「進化した人類」
━ その名も「人形」 ━
人形:世界政府が創りだした第2の人類。
どのようにして進化したかは、3年経った今でも非公開である。
〔1.不老不死型人形 Amrit type doll〕
損失:感情100%
会得:不老不死
創りだされた7割がこのタイプである。
名前の通り歳も取らなければ死ぬこともないが、頭か心臓が肉体から離れた場合は死亡に繋がる。
更に、デメリットとして感情を失う損失がある。
自意識はあるが、悲しむことや怒りこと等の感情表現は一切不可能。
〔2.特性特質型人形 Special type doll〕
損失:肉体の一部,感情99%
会得:超人的身体能力
創りだされた2割がこのタイプである。不老不死型とは違い、感情が1つだけ残っている。
このタイプは肉体の一部を損失することで、普通の人間の100倍もの身体能力を得ることができる。
失った肉体の一部は義手、義足などでカバーする形となる。
ちなみに、このタイプは政府関係者のボディーガード等に多い。
〔3.能力不足型人形 Lack type doll〕
損失:?
会得:なし
残り1割がこのタイプである。
実験後に焼き印を押されているが、見た目からしては損失がない。半対に会得もない。
失敗作と呼ばれることも多々あるが、このタイプは謎の満ちた部分が多い。
※「人形」となった者は証として、体の一部に黒いスリーダイヤの焼き印を押される。
- Re: ─異形人形─ ( No.4 )
- 日時: 2011/04/05 08:45
- 名前: スライム (ID: BZFXj35Y)
§第2話§
優太と里早が自宅に戻った同日同時刻_______
夕日に照らされた白い外壁の国会議事堂。
閑散とした中央階段に、赤いメッシュを前髪に入れた黒服の男性が立っていた。
更に、ここを国会議事堂と知ってか知らずか、中央階段に座っている茶髪の男性。
服装は黒いスーツで綺麗に着こなしているが、態度は非常識レベルと思われるほどだ。
「ここは国会議事堂だぞ、聖域でそんな態度をするな。」
「へいへ〜い、分かってるって。ピリピリすんじゃねえよ、人形の分際で五月蠅いぜ。」
チャラい喋り方の男性はワックスで固められた茶髪を両手で整えながら立ち上がり、大きく背伸びをした。
「んにしても、ボスは遅くねえか?」
「すまないね。ホテルで省庁の大臣との会食が長引いたよ。」
茶髪の男性が言った瞬間、階段の下に日本国民なら誰もが知っている人物が立っていた。
「神島総理、お疲れ様です。」と赤いメッシュを前髪に入れた男性はお辞儀をしながら言った。
「アスト君、例の兄妹たちは無事に自宅へと戻ったかね?」
「はい。それで、実験施設から逃げ出した人形の件ですが………」
ストライプ模様のダークスーツを着て、オールバック強面の神島竜神はアストと並んで歩き始める。
その後ろから、茶髪の男性が欠伸をしながらついてくる。
「逃げだしたのは実験体444番。名前は不明です。」
アストの口から出た以外な言葉に、神島は足を止めて聞き返す。
「不明?どういうことだ?」
「こいつの経歴資料が役所も我が世界政府の資料にも存在しません。」
神島は顎を触りながら表情を曇らせると、後ろにいた茶髪の男性の方を振り向いた。
「パラバース君、君の固有能力で実験体444番を探せるかね?」
「都内にいるなら探せますよ。ま、東京から出てたら終わりっすよ。」
日本の総理大臣に向かってこの口調、アストはパラバースを睨みつけた。だが、パラバースは無視である。
「任せていいかね?」
「お安いご用だ。んじゃ!」
パラバースは手をヒラヒラと振りながら、中央階段を降りて行った。
アストは舌打ちをすると、再び話の続きを始める。
「逃げた実験体のことはあいつに任せて、実はもう1つ気になることが………」
「まだあるのか。」
神島はなぜか微笑しながら階段を上がり始める。アストは何に対しての微笑か理解できなかった。
中央階段を上がり、赤いカーペットが敷かれた廊下を歩いていく。
「神崎兄妹の血縁にいくつか不自然な点があります。」
「………何だ、不自然な点とは?」
「長女である里早、もとい優太の妹の血液型です。」
その疑問がなぜ疑問なのか、神島は「なぜ不自然なのだ」と聞き返す。
「優太はA型、父親はA型、母親もA型です。しかし、妹の里早だけはO型なんです。」
「父母のご両親にO型がいるのではないかね?」
「いえ…確認しましたが存在しません。神崎家の家系図にO型の者など存在しません。」
「人間は不思議だな。」
神島はそれだけ言うと、廊下の一番奥にある大きな木製の豪壮としたドアの前で足を止めた。
そこは、議事堂内にある総理専用の部屋だった。
「アスト君、そんな問題はどうでもいい。まずは実験体444番を探すのだ。」
「…分かりました。お疲れ様です。」
「うむ。」
アストは深々と一礼すると、振り向いて元来た廊下を戻り始めた。
神島は一時の間、アストの背中を鋭い目で見つめて部屋の中へと入って行った。
* * * * *
「あのお方は何かを隠している………神崎兄妹について知ってるのか……」
アストが一人呟きながら歩いていると、目の前から黒いスーツの上に白い毛のコートを着た男性が歩いてきた。
アストは男性に気が付くと、大きなため息をついて落胆した。
「相変わらず派手なものを着ているな、メディバーグ。」
「今の内にこの世を謳歌しておいた方が良いぜ、真面目君。」
長髪をゴムで整えたポニーテールに白い毛皮のコート、絶対に議事堂では似あわない格好である。
メディバーグはアストの肩をポンと触ると、ニヤリと笑って耳元で何かを囁いた。
「兄妹に俺の部下向かわせた。色々考えるなら、殺した方が丸く収まるんじゃないか?」
アストはメディバーグの言葉に、思わず「貴様!!」と叫んで後ろをふり向いた。
「気楽に行こうぜ〜ぇ、俺ら人形は
何も考えない方が気楽なんだよ。
力と権力を使いまわして、一緒に輝かしい未来でも
想像しようや。」
大笑いしながら、メディバーグは総理の部屋の手前にある委員長室の中へと入って行った。
「結局は自分のためか。それより、兄妹をどうにかせねば……」
兄妹は死なせてはいけない様な気がする。
彼らは、何か大切な物を隠している、いや、持っている。
特に兄の優太は、5週間ほど前に迎えに行った時から違和感を感じていた。
「絶対に死なせない。」
- Re: 〜異形人形 Mysterious dolls〜 ( No.5 )
- 日時: 2011/04/05 16:22
- 名前: スライム (ID: BZFXj35Y)
─ Maine Casting ─
@神崎 優太……「人形」となった高校2年生。左手の甲に焼き印が押されている。
タイプは能力不足型。心優しい勇気がある青年。
@神崎 里早……「人形」となった中学3年生。左手の甲に焼き印が押されている。
タイプは能力不足型。優太の妹。
@アスト ……総理大臣である神島竜神の側近であり、5番目に創られた「人形」。
タイプ不明。前髪に赤色のメッシュを入れている。
@黒成 星也……優太の同級生。「人形」となった優太に力を貸す。
運動神経が学年1位であり、軽快な身のこなしをする。
@444番(フォーズ)……実験施設から逃げた経歴不明の「人形」
タイプは特性特質型。前髪で右目を隠し、レンズのない眼鏡をかけている。
@パラバース……フォーズを追いかける神島竜神の側近。「人形」なのか「人間」なのかは不明。
何かしらの力を持っている。チャラい男性。
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