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神様のDVD
日時: 2011/04/09 17:07
名前: 遊太 (ID: BZFXj35Y)

俺はついさっき、寿命を迎えて天国か地獄かも分からぬ所へやってきた。
そして、そんな状況の俺の目の前には“何か”がいる。だが、俺にその“何か”の正体が分からない。

「名前は安藤太陽。君はさっき、東京国立病院で60歳の寿命で死亡した。覚えているかい?」

男性か女性かも分からぬ歪んだ声に俺は「覚えている。」と無意識の間に答えた。

「君に選択権を与える。
       このまま輪廻転生して新たな生命になるか
                           とあるDVDを見るか。」

後者の意見の意味が分からなかった。俺の表情を見て察知したのか、“何か”の笑い声が聞こえる。
「君の人生が一枚のDVDに記録されている。」
俺の目の前にフワフワと一枚のDVDが、気付かぬうちに浮かんでいた。
「DVDを見て戻りたい場所があれば戻してあげる。
  だけど、その場合は記憶を抹消させてもらうよ。君は現在のこの状況も忘れ、一回死んだことも忘れる。」
「DVDを見るまでもなく……戻してほしい場所がある。」
「へぇ、私は特に根掘り葉掘りは聞かない。それじゃあ、その戻りたい時を想像して。」
俺は“何か”にそう言われ、頭の中に昔の記憶を蘇らせる。
「なるほど、中学時代か。それなら中学校以降の記憶を抹消させてもらう。
   つまり、君は未来の妻の顔も友人の顔も忘れることになる。
      それでもいいかな?」

   「迷いはない。戻してくれ。」

「分かった。目の前にあるDVDに触れて、その時代を鮮明に思い出せ。そしたら戻る。」
俺は言われた通りに目の前に浮かぶDVDを握り、中学時代のことを鮮明に思い出す。
入学式,部活,クラス,友人,彼女,春休み,宿題,校長,修学旅行,テスト,卒業式………

             「うっ!?」

「さようなら、安堂太陽。そして、初めまして安藤太陽。君は再び世界に舞い降りる。」


   *  *  *  *  *  *  *



【作者より一言】
どうもこんにちは、こんばんわ、おはようございます。
知っている人は知っている遊太(ゆうた)という者です。
まずは、長い長いプロローグにお付き合い頂き誠に有難うございます。
ちょっと恋愛も導入するかもしれませんが、度を超えるほどのものではないので大丈夫です。
それでは、お楽しみください。



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    ━第1章 ━

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