ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- A:ノコ:HOLIC
- 日時: 2011/04/10 22:47
- 名前: けろ (ID: Pc.bKmsa)
クリックありがとうございます。
はじめまして
新参者の「けろ」と申します。
右も左も分かっていないので
読んでいて苦しいかもしれません
よければご指摘や感想などいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします
完結できるか分かりませんが、のんびり更新していきたいと思います
>>6 登場人物紹介
Ωプロローグ
>>1 >>3 >>5 >>7
Page:1 2
- プロローグ ( No.3 )
- 日時: 2011/04/09 23:11
- 名前: けろ (ID: BL8fZ.Pl)
:1
授業中
公民の教科書であった
凄く綺麗事が書いてある、全くもって素晴らしい
涙がでてきそう
眠くて
私は欠伸をし、自分の窓際の席から外を見る
特に変わらない青空。真っ青
特に変わらない雲。真っ白
私のノートみたいだ
前の席を見ると人がいた。当たり前
ちなみに男子
私はそっと「あの子」の方をシャーペンでぶっさす
「つッ」
勿論あの子は驚く
振り向く
肩をおさえる。当たり前
血がどくどくと流れ、あの子の着ている服に染み込む
「おい、何してる」
小声でそう言って、あの子は私を睨む
私はにやっと笑う
「うはっ」
思いっきりシャーペンを抜いた
ずるっと感触。気持ち悪い
あの子は苦痛に呻く
だが、そこに0.3㍉シャーペン分の穴は開いていなかった
結構グリグリと穴を広げたつもりだったのだが…
服についた血がするすると巻き戻しされ、何事もなかったような綺麗な肌がのぞいている
これが"才能"。あの子の"才能"は再生。
「あのなぁー」
あの子は少し苛立っているようだ
カルシウムが足りないなぁー
「うん、今日も絶好調だね」
素敵な"才能"をニコニコしてそう褒めてあげる
あの子は呆れた顔をした。だがすぐに授業へと集中するため前を向いた
「あの子」の名前…できれば言いたくない
誰にもあの子の名前さえ教えてやりたくない
だって勿体ないし
あの子は私の親友
女子の私が男子の親友だなんておかしいだろうか?
私は満足した気分で今度は教室を見る
クラスメイトが先生が話しているうちに黒板に"才能"でチョークを操り、落書きしている
また違うところではマイクロ級の火を出し、隣の子のノートを燃やして虐めている
皆起用なものだ
先生に見つからないように上手に"才能"を操り、加減している
生まれつき身につき、それをしようし続けているのだか高校生になればもうそれは御茶の子さいさいというものだろうか?
使いこなせるのがもう前提なのだろう
こんな小さなクラスでもこんなに"才能"を悪用しているのに、果たして社会はどれだけ素晴らしいのだろうか
毎日毎日報道は警察と犯罪者の追いかけっこ
捕まえても脱獄。また捕まって刑罰
平和と平等なんてどこにあるんだか
それを教えてくれるのは綺麗事だらけの教科書じゃないや
私は教科書をパタンと閉じてみた
閉じるだけじゃ駄目!しまわなきゃあぁーえいえいっ
私がそんなにばたばた独り劇場やってても、何考えてても、周りは変わらない
授業は進む。残り10分…
自分が深刻に教科書なんかの事を考えているメルヘン少女になった気がした
くだらないな
自分に笑えてきた
自嘲、自重
否定はしません。痛い子です
私はまた教科書を引っ張りだし、授業に集中するフリをした
- Re: 語らない話(仮) ( No.4 )
- 日時: 2011/04/09 23:12
- 名前: けろ (ID: BL8fZ.Pl)
>かりんさん
有難うございます!
精一杯頑張らせていただきます!
- プロローグ ( No.5 )
- 日時: 2011/04/10 16:48
- 名前: けろ (ID: BL8fZ.Pl)
:2
チャイムが鳴った。授業終了
お疲れ様でした
テキトウな座礼をして休み時間
前の席の人。勿論再生能力を持つあの子だが
たくさんの人が集まってくる
男女関係なくクラスの3分の1くらい
私も例外ではない
「ねぇ、リク。さっきゆっこに刺されたでしょ?」
「あ、俺も見た。てか凄くうけた」
授業中の私の動きを見ていた子が何人かいたようで話題にのぼる
「あーあれは痛かった。頭おかしいんじゃないかって思った」
あの子は笑って、もう傷さえない肩をさする
「え?狂ってるって定評をつけたのは君でしょ?思ったんじゃなくて核心してるじゃん。いいでしょ?リクはドMなんだから」
私は気楽に笑い、いかにもふざけているようになだめる
「お前にだけはドMって言われたくないなこのドM!」
あの子はちょっとムッとして返す
子供っぽいなぁーと内心笑う
「うんうんリクは可愛いねぇー」
「どこが?」
言い返すとこが
そう思ったが私は何も言わず笑う。てかさっきから笑いぱなし
頭を撫でるとあの子はもっとムッとして私の手を振り払う
「おーい、リク。美術部のヤツ呼んでるぞ」
教室の出入り口の前で"才能"を使ってじゃれている男子の一人が廊下で呼んでいる本人の代わりにあの子を呼ぶ
廊下でこっちを向き、手を振っているのは他クラスの男子。名前は木下空
あの子と同じ美術部に所属していて、仲が良く、合作したりしている
「あ、はいはい」
あの子はそういって席を立つ
私も一緒に行こうと思った
美術部関係の連絡に関係はないが一緒に行っても構わないだろう
廊下であの子を呼んでいる空は私の友達でもある
あの子の友達は私の友達なのだから
「ゆっこってリクと仲良いよね」
だが、私の行動はクラスメイトの女子。同様にあの子の席の周りに集まっていた人たちのありがたくて素晴らしい話の始まりによって止められた
「そうかなぁー?皆だって仲いいじゃん」
邪魔。話しかけんな
私はあの子と廊下に行きたいんですけどー
そんな内心おくびにも出さず、真面目に考えてるような態度をとる
「いやいや、ゆっこはもっとだよ」
「ねぇ、ゆっこってリクの事好きなの?」
わくわくと顔を輝かせる皆さん
すいませーん。ガールズトークは余所でお願いしまーす
正直話にのっていけませーん
「え?なわけないじゃない??」
と、即答
「だよね。なんかそういう関係にはあんま見えないし」
「え?そっかなー?お似合いじゃない??」
「いや、漫才コンビか迷コンビがいいとこかな?」
好き勝手に意見が出る
止めてないのだから別にいいのだが
内心、本当はあの子が好きだった
いや、好きという事を越していると思う。憧れていたし、崇拝していた
あの子のためなら何でも出来るくらいだった
あの子が私に死ねと命令すれば死ねるくらい
一生隷属してもいいと思うくらいその気持ちは歪んでいた
歪んでるからこそいえない気持ちでもあった
そもそも私、奥手だし
それに彼女にならなくても一緒にいるだけで良かった
そう、親友くらい。友達よりちょっと上くらいで満足だった
私の視線が目の前の彼女達からずれる
廊下にいるあの子。そして一人の女子が一緒に笑っている
いつの間にか最初にあの子を呼んだはずの空はいなくなっていた
あの女子も美術部の子。名前は斉藤茶穂
髪の毛ふわふわで、確か触るととっても感触が気持ち良いのだ
背が小さいのがコンプレックスらしい
茶穂もまたあの子の友達=私の友達である
病弱でなかなか学校に来ることができない子で、今日目にしたのも2ヶ月ぶりくらいじゃないだろうか?
あの子は茶穂に対して凄く優しい
幼馴染らしく、手とか繋いじゃうくらい仲が良い
それこそあの子は茶穂のためなら何でもするだろうし、茶穂もあの子のためなら何でもするだろう
時々くる病弱女
早く死ねばいいのに
そう思ってると、茶穂がこちらに気づき、笑って手を振ってきた
あの子もこちらを見る
茶穂と話している時とは違って怪訝な顔を私に向ける
いつものことだが
私はこっそり笑ってそっちへ行く
「おっひさー☆茶穂ちゃん!会いたかったよぉ?いやぁー今日も凄く可愛いねぇ」
「うん!私も会いたかったよゆっこ」
可愛い声でそういう茶穂
死ね。間をおかずにそう思う
私が茶穂の手を握ってきゃはははと飛び跳ねると茶穂も一緒に跳ねる
凄く小さくて華奢な手。今にも折れそう
…折っていいかなぁ?
「あのな茶穂。俺"才能"の再生速度あがったんだぜ?」
それを遮るようにあの子は茶穂に話しかける
「本当!?私なんて全然"才能"使わないからきっとなまってるよ?」
「うーん私もかな?リクはいつも私に鍛えられてるからね!ねぇーそれよりもさぁ————」
「…………」
私は茶穂に話しかける
あの子が嫌な顔をしているが気にしない
この病弱女とあの子が楽しそうに話すより、私が大嫌いな茶穂と楽しそうなフリをして話す苦痛の方が断然良い
「はいはい。ゆっこさんちょっとー」
空が再び自分のクラスに出てきてそれを邪魔した
正式には私があの子と茶穂の邪魔をしているのを空が教室からわざわざやってきて止めた
「久しぶりの再開なんだから邪魔すんなって」
「そだよー?2人の時間にしてあげようよー」
空の隣にいるのは同様に美術部女子。城山恋香
「ごめんごめん。茶穂に会って私も嬉しかったから♪あ、ねぇ昼休み一緒に売店に行こうね?」
「おっけー」「あ、ごめん私用事が…」
空は了承。恋香は断った
「大丈夫大丈夫。謝らないでー☆じゃあ教室戻るね」
私は二人に手を振って自分の席に戻り本を開いた
本はいい。人と話すよりずっとずっと
私は作り笑いしなくてもいいし、顔色を伺わなくてもいい
本にさえ集中していれば誰かに話しかけられることもない
別に私は人が嫌いとかそういうわけじゃない。だといって好きでもない
ただ人間関係に疲れるだけ
私は鞄からお気に入りの飴を取り出し舐める
うん美味しい。あとであの子にもあげようかな
- 登場人物紹介 ( No.6 )
- 日時: 2011/04/10 17:07
- 名前: けろ (ID: BL8fZ.Pl)
★Oo゜・*:・。登場人物。・:*・゜oO★
※更新あり
♀主人公(しゅじんこう)
ゆっこと呼ばれる高2
♂あの子(あのこ)
リクと呼ばれる主人公の同級生
美術部所属
+"才能"→再生
♂木下 空(きのした そら)
主人公の同級生
美術部所属
♀城山 恋香(しろやま れんか)
主人公の同級生
美術部所属
♀斉藤 茶穂(さいとう さほ)
主人公の同級生
病弱なため不登校
- Re: A:ノコ:HOLIC ( No.7 )
- 日時: 2011/04/10 22:45
- 名前: けろ (ID: eahZ4LLD)
:3
昼休み
あの子は私が何か言う前に何処かへ行ってしまった
きっと茶穂のとこなのだろうが、私は空と一緒に売店に行く約束をしてしまったのでそちらを優先した
私があの子を思っているのを私は認識している
しかし、周りに「仲が良い」まではいいが「付き合ってる・好き」などそういう噂をしてほしくなかった
そのせいで気まずくなったりしたら嫌だから
だから時にはあの子から離れて空や恋香達を使ってごまかすような事をする事もあった
他クラスに行き空を呼ぶ
「そらー?」
だが空の姿は見えない
「木下なら売店行ったよぉ?」
教室で弁当を食べていた女子が教えてくれる
どうやら約束を忘れてしまって一人でいったようだ
「あ、どもー」
私はそういって売店へ行く
ちょっと遠回りして行こうかと考えた
あんまり早く行くと売店は混んでいるのだ
人混みにいると頭が痛くなる。特に売店の混みは話し声から、お金が落ちる音から、買った途端袋を破る音からすさまじい
旧校舎をまわっていったらちょうどだろう
そう思って旧校舎をまわる
お気に入りの蛙の顔をした財布を持ち、るんるんと軽快に歩いてみる
「ねぇ、リクって好きな人いるのかな?」
そんな声が聞こえてきた
恋香の声だ
そこは美術室。こっそりドアに隠れてみた
やはり私も女子。ガールズトークは苦手でもこういうのは聞いておきたい
あの子じゃなくとも。あの子の関係ならより
「…恋香は俺のこと好きなわけ?」
「え…あ…いや。いるのかなぁーって。やっぱゆっこかな?」
思わず財布が手から滑り落ちる
ぼふっと音がした
…沈黙。
私は身を縮めて息をとめる。財布はそのまま
黒い廊下の床で緑色のその顔が笑っている
ここは死角となっているし、旧校舎は音が反響しやすい
きっと遠くの方だと思ってくれたのだろう
話は続行する。残念ながらもう様子は伺えない
音声だけでお楽しみください
「なわけないじゃん。あいつは”友達”だよ。俺は好きな奴はいないけど…」
そこであの子は口ごもる
友達?トモダチ??と…もだ…ち?私は友達?友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達
親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも
シンユウでもないトモダチしんゆうでもないともだちしんゆうでもないトモダチ
私は内心ショックでそこに固まっていた
思考がそれだけで埋まる
「いないけど?」
恋香がオウム返しに尋ねる
「茶穂は”親友”だと思ってるから」
茶穂?親友??
さほはしんゆう?しんゆう?
さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほはしんゆう。さほはしんゆう。さほは…しんゆう
聞かなきゃ良かったと後悔した
ますますあの病弱女が嫌いになった
「そう。ねぇ、一緒に昼食食べない?」
恋香が何もなかったように言う
「ごめん。茶穂待ってると思うから屋上行くわ」
そういってあの子は出ていった
親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達
サホはシンユウ
ワタシはトモダチ
私の思考はまだ壊れていた
あんな病弱女に劣ることが悔しくて、劣っている自分自信が嫌だった
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