ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- BLACK・MOON
- 日時: 2011/04/24 18:26
- 名前: キョウジ (ID: Hg2/dSuo)
クリックありがとうございます!
初めまして、キョウジと言います
駄文を書くのはぴか一な自分ですが、頑張って小説書いていきたいと思います
何かあればどんどん言って下さい
アドバイスや感想をお待ちしております
注意!
・題名が中二病とか言わないでください
・駄文だと思います
・少しグロいのが入るかも
・戦闘とか入ります
キャラクター紹介などは随時更新して行きます
・カムイ
【性別】男
【年齢】17
【身長】168㎝
【能力】
フード付きの黒いロングコートを身に纏う能力者の青年。高い身体能力を持ち、彼の持つ全身が黒い刀は高い切れ味を持つ。
・ネロ
【性別】男
【年齢】12
【身長】154㎝
【能力】
収容所に入れられていた能力者の少年。
・鏡
【性別】男
【年齢】19
【身長】175㎝
【能力】
収容所で一人だけ異様な存在感を醸し出す男。白いスーツにピアス、金髪と、まるでホステスのような男。
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- Re: BLACK・MOON ( No.1 )
- 日時: 2011/04/16 22:24
- 名前: キョウジ (ID: A/2FXMdY)
始まり
視界に飛び込んできたのは真っ白な壁、真っ白な床。体が椅子に拘束されているからだろう、身動きが取りづらい。かれこれ3日間何も何も食べてはいない。空腹は限界にまで達していた。舌を噛み切ろうとしても特殊なマスクをつけられていて出来ない。体にも力は入らないし視界もぼやけている。
死んだらどうなるのかな
天国と地獄どっちにいくのかな
そうだった悪魔の力に手を出した人間には死はないんだ
死んだ後もまた死んで、また死んで、また死んで
何度も何度も殺されるんだっけ
- Re: BLACK・MOON ( No.2 )
- 日時: 2011/04/17 17:09
- 名前: キョウジ (ID: TKFXVRMf)
第1話「満月の夜に駆け抜ける」
満月が綺麗な夜の事。林の真ん中に位置する収容所。
胸に鷹のマークのついた軍服の男達が数人巨大な鉄の壁の前で警備を行っている。周囲は高い壁で囲われており、奥の収容所に行くにはその扉を突破する他方法はない。
「こちら正門前。異常はありません」
警備の男が小型の無線機で何処かへ状況を報告する。
そうして男が無線機を胸ポケットにしまった時だった。突然見えない何かに首を締め付けられる。
「が……はっ……」
声を出そうにも見えない何かはどんどん首に食い込んでくる。異常に気がついた他の警備員達もその男の周りに駆けよっていく。
「おい、大丈夫か!?」
そう言葉をかけたと同時にその場にいた警備員達が次々となぎ倒されていく。
「い、異常発生! のうりょ……」
1人残った男が無線機で報告しようとしたが、背後から頭を掴まれ、無線機は取り上げられてしまう。
「侵入者の排除は完了した。念のため警戒態勢を取る」
それだけ言った後、無線機を思い切り地面に叩き付ける。音を立てて砕け、目の前の男は怯えて体を震わせている。男は門の制御装置の前まで連れて行かれ、そこにあるパネルに顔面を打ちつけられる。
この門は指紋、網膜、音声の3つのロックがかかっている。
「目を開けろ。指紋を認証させてから暗号をこの場で吐け」
言われるがまま、全てのロックを解除すると、男は地面に倒され気を失ってしまった。
重厚な音を立てながら門はゆっくりと開き、奥の収容所へと繋がる道が開かれた。その道を青年は走り去って行く。
***
この世界に突如現れた能力者達。物を燃やす、物体を移動させるなど能力はそれぞれで違う。この最近では能力者のみで構成されたテロ組織まで表れ、能力者を使った戦争まで起きている。そんな能力者達を捕え、この収容所に入れている。だが収容所と言うのは表の顔であり、裏では能力者の研究を行い、常人が能力者に対抗する術を研究している。
「知ってる? 能力者は天国にも地獄にもいけないって話」
周りは白衣の研究員だらけの中、唯一白いスーツ姿の男が隣で顕微鏡を覗きこむ研究員に訊ねる。
「ああ、確か死んだ後も何度も殺されるっていう話しじゃなかったか?」
「そう、一時期流行った噂。ほとんどの能力者は嘘だって知ってるけど、実はまだその噂を信じてる能力者もいるんだよ?」
するとスーツの男は横目で監視カメラを見る。そこには真っ白な部屋で椅子に縛りつけられた少年の姿があった。
「特にその傾向は子供にあるらしい」
男が言い終わった瞬間、収容所内の電気が一斉に消える。
「停電……? まあすぐに非常電源に切り替わるでしょう」
特に慌てた様子もなく研究員たちは一旦実験や仕事を打ちきり、ストレッチをしたりして疲れた体をほぐしている。
男はテーブルに肘をつき、再び横目で監視カメラの映像を確認した後微笑みを浮かべた。
***
「囚人番号32番、ネロ・ミケランジェロだな?」
青年が訊ねるが、目の前の少年は微動だにしなかった。まるでガスマスクのようなマスクを外すと彼の目は虚ろで表情にはほとんど色がなかった。それを見て青年はロングコートの内ポケットから栄養ドリンクなどと呼ばれる物を取り出し、少年に飲ませる。
「……ありがとう……お腹すいて死にそうだった……」
少年——ネロの言葉には何も返さず、青年は背中の鞘から刀を抜き、拘束具を切り裂いた。
「乗れ」
そう言って青年は腰を落とし、ネロをおぶる。軽い。本当に何も食べさせてもらえなかったのだろう。
ネロを背中に、青年は暗い通路を駆け抜けた。
第1話「満月の夜に駆け抜ける」
- Re: BLACK・MOON ( No.3 )
- 日時: 2011/04/19 22:47
- 名前: キョウジ (ID: PrWaJQoW)
第2話「神威(前編)」
青年が脱出しようと腰を上げた時だった。突然室内は溢れんばかりの光に包まれ、彼は一瞬目を細めた。どうやら非常電源に変わったらしい。また、それと同時に彼の姿を監視カメラがとらえたらしく、施設内には警報が鳴り始めた。
チッ、と舌打ちをして彼はすぐに深くフードを被り、背中の刀を抜き、壁に突き刺す。まるで紙でも切るかのようにそれは壁を切り裂いて見せた。
出口が完成し、颯爽とそこから飛び出す。
その時だった。突然背後から突き刺さるような殺気を感じ、その場で屈む。
彼の頭上すれすれを何か鋭利な物が風を切りながら駆け抜ける。
「あーあ、外しちゃった」
能天気な声を出しながら彼に近づいてくるのは白いスーツに金髪のまるでホステスのような男だった。
「まさかこんなところで君のような有名な傭兵に会えるとは思えなかったよ、カムイ君?」
カムイと呼ばれた青年はゆっくりと立ち上がり、男の方へ向き直る。月の光で照らされた男の表情は笑っていたが、彼から発せられる殺気は体中で感じ取ることができた。
「おっと、申し遅れたね。ボクの名前は鏡。あの施設で————」
言葉が止まる。彼は膝をつき、首に手を当てている。カムイの服の袖から伸びる細い糸は月明かりを反射し、銀色に輝いている。相当強く絞められているのだろう腕が痙攣しているように震えている。そんな手を無理やりに動かし、ポケットからナイフを取り出し、糸を切る。
酷く咳込み、その場に這いつくばる。
次第に肺に空気が戻り、彼が顔を上げたころには既にカムイの姿はなかった。
フゥと息をつき、ポケットから無線機を取り出して耳に当てる。
「こちら鏡。囚人の奪還は失敗。すぐにそちらへ戻ります」
そうして今度は周波数を変え、別の場所へ連絡を入れる。
空に浮かぶ満月を見上げ、男は不敵な笑みを浮かべた。
第2話「神威(前編)」
- Re: BLACK・MOON ( No.4 )
- 日時: 2011/04/28 21:34
- 名前: キョウジ (ID: d/GWKRkW)
第3話「神威(後編)」
目隠しをされたまま食糧を与えられ、満腹になるとせっかく自由になった手足はまたロープで縛られ、椅子に座らせられた。
「月の欠片は何処にある?」
ネロの目隠しを外し、感情の読めない冷たい顔でカムイは訊ねる。
「知らない。ボクは持ってない」
ネロは呟き、辺りを見回す。部屋は木製の、まるでキャンプハウスのような構造をしていた。すぐ横には暖炉があり、背後にはテーブルが置かれている。
それ以外にはガスコンロや畳まれた寝袋等の小道具しかなかった。
「……もうボクに用がないから殺す?」
カムイの腰のベルトから小刀が抜かれたのを確認し、ネロが言う。だがそれはネロの方に向けられず、彼を縛っていたロープに向けられた。
「殺しはしない。お前と喋っていても時間の無駄だ」
それだけ言ってカムイは小刀をしまい、部屋の隅に置かれた水の入ったペットボトルに口をつける。ネロは不思議そうに頭を傾げながら彼の背後を見つめ、くすくすと笑いだす。
「面白いね、君。でもいいの? ボクを殺しておかないとこの場所ばれちゃうよ? ボクの体には組織に位置を知らせる発信器が埋め込まれてるんだよ?」
「……だったらここから逃げればいい」
ペットボトルを置き、カムイが振り返る。その瞬間、彼の視界が黒い色で埋め尽くされる。
部屋の壁は粉々に砕け散り、建物が崩れていく。
***
真夜中の山の中、カムイの隠れ家は轟音と共に崩れ去り、後は瓦礫だけが残った。
「いやァ、収容所に切りこむ手間が省けて良かったよ」
ネロの背後に佇む男は手と手を合わせてまるでカムイを弔うかに用に目を閉じた。
「さ、撤収撤収」
そうして2つの影はゆっくり暗い山を下りていった。
***
月の欠片。それは能力者の能力を封じ込める力をもっており、対能力者兵器として研究に使われている。だが幾度となくそれは強奪され、研究は困難極っていた。また、ごく稀にしか発見されないため、研究者達の大半は月の欠片の研究は諦め、別の方法を模索している。
「へえ〜。この石にはそんな力があるんだ」
青白い神秘的な光を放つ透き通った石を手に、鏡は耳の通信機手を当てる。
「ん? ああ、大丈夫」
笑みを浮かべ、鏡が部屋を眺めるとそこら中に赤い色が飛び散り、警備員や研究員はまるで赤いカーテンにでも包まって寝ているかのように床に転がっている。
「全員ヤッたから」
***
周囲から虫の鳴き声がオーケストラのように鳴り響く。男とネロは木々をかき分けながらようやく開けた草原が視界に入りこんでくる。
「お、やっとまともな世界!」
疲れ切った男の表情に笑顔が浮かび、走りだそうとする。
だが足も腕も動かなかった。まるでクモの巣にかかったかのように。
第3話「神威(後編)」
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