ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

半妖のきずな—妖怪大国バーニッシュ連合和国
日時: 2011/04/23 10:43
名前: くま公 (ID: 4fy95xCZ)

初心者ですが、妖怪物の話を書いていきたいと思います。
なにとぞ、よろしくお願いします・…


さぁこれは、日本が滅び3000年後のお話です…

Page:1



Re: 半妖のきずな—妖怪大国バーニッシュ連合和国 ( No.1 )
日時: 2011/04/23 10:44
名前: くま公 (ID: 4fy95xCZ)

   5000年1月2日

この国、今は滅びし日本の跡継ぎのような伝説の隠し国「バーニッシュ連合和国」


    〜政府妖怪研究府〜

「これで最後だ日本は最強になるのだぁアハハハハハッッ」

薄暗い研究室に男の叫び声が響く

バーニッシュの能力が今解き放たれるのだ。

そうバーニッシュ政府が開発した能力は「妖怪」二十歳に行われる成人式。
そしてその2年後大人としてのひと時を過ごした若者たちは「戦人式」という式を再びやる。ここで、人は区別させられてくる。大きく分けられ3つの種類に属されることになる。
一つは「半妖体」ずば抜けた攻撃能力を持ち、半妖の元となる人類。二つ目は「アヤカシの左手」これは半妖の左腕と成り、変幻自在に刀、人型、獣型と形を変えられる能力者。そして最後は「術付」半妖体が自由に操る札と成り、様々な攻撃、守り、回復などの役目を果たす。
しかし中にはどちらにも当てはまらない者もいる。

そして
男は固く大きなレバーを手前に引いた。

「さぁ世は半妖時代だァァァァァァ」

     〜それから100年〜

Re: 半妖のきずな—妖怪大国バーニッシュ連合和国 ( No.2 )
日時: 2011/04/23 10:44
名前: くま公 (ID: 4fy95xCZ)

妖怪制度が始まってから早100年。

「おいっ。どこだ完全妖怪はっ!!!」
彼は政府の戦人。3席チームフレア、時津 護(トキツ マモル)
政府の3席に属する半妖体である。

そして

完全妖怪とは、自分の意思で行動できず、自分の心に潜むアヤカシが表に出てしまったものであり、制御不可能と成り殺してしまうしか手がなくなってしまう、なんともむなしき元半妖。

「この空き地の下だよっ!!」
彼女も政府の人間。峪蛇 火影(タニタ ホカゲ)3席フレア軍、時津のチームの「アヤカシの左手」。今はヒトの形と成り、完全妖怪退治に来ている。

「だよっ!!じゃねぇだろ」

「二人とも五月蝿いぞ少しは静かにしろっ」
このしっかり者もやはり政府の人間、紫藤 擱(シドウ オク)3席フレア軍の術付だ。術付もアヤカシの左手と同じように自らの意思でヒトに成れる。


政府は24席から特席まであり、それが戦人のランクの様な役割をしている。それぞれ席には軍がある。つまりチームだ。時津たちは3人チームフレア軍だ。
中には半妖体二人のチームもある。

そうこうしているうちに巨大な地響きが起こった。


「来たよ、来たよ、火影っ、弐の形巨左(ニノカタキョサ)だ、紫藤は五の術沈黙状態(ゴノジュツサイレント)だっ!!」
時津が指示をする。アヤカシの腕の能力は壱から弐百までの形(カタ)があり、それにより変形するものが決まる。術付の指導は素早く術付へ変化し術を繰り出す。これも弐百通りある。


「言われなくても分かってるよ。弐の形っ…」
峪蛇は黒い腕と成り、時津の左腕を覆った。
「…巨左っ!!!!」
黒い左手はあっという間にかなり巨大な左手に成った。

「紫藤行くぞっ!!!」

「分かっておる、覇ッ」
紫藤は一枚の札と成り、時津の右手に収まった。

「おらぁ準備完了だぁ!!!いつでも来いやぁ、完全妖怪さぁんっ!!!」
時津が空き地の真ん中で叫んだ。
すると空き地の一部にひびが入りそこから人型の妖怪が出て来た。
鎌を二つ持ち、体に札が沢山貼ってあった。
本体は落ち武者のような、血吹雪を浴びていた、侍の様だった。

「お前かぁ、私を呼んだのはぁ」

「なにっ!!!」

3人は驚いた。本来完全妖怪というのは人型など有り得なく、その全てが実に醜い巨大な獣のようなものなのだから…

「お前…完全妖怪じゃないな…」

「やっと気づいたかぁ」
そしてにたっと笑った。

「面白いじゃねぇか、行くぞ火影っ紫藤!!!」

「怪我しても知らんぞ、坊主…」

戦いの火ぶたが切って落とされた。

Re: 半妖のきずな—妖怪大国バーニッシュ連合和国 ( No.3 )
日時: 2011/04/23 10:45
名前: くま公 (ID: 4fy95xCZ)

「術付だっ!!五の術沈黙状態(サイレント)」
半妖体の時津は術付を放り投げた。
しかし、飛んでくる術付を見て男はニタッと笑った。

「残念だなぁ坊主、こちらにも『術付』があるのだよ…」
男は自らの体に貼ってある札を一枚はがした。
「五弐の術、爆付(バクフ)」
男は自分の目の前ギリギリに来ている術付に自分の術付を放り投げた。

「さぁどちらの術付がすぐれているか…坊主の術付と私の術付…」

二枚の術付が重なりあったその時、小さな爆発が起こった。
そして、一枚の術付がひらり、ひらりと時津の前に落ちた…

「どうやら私の術付の方がすぐれているようだな…」

「紫藤っ!!!壱の術、人形(ヒトカタ)」
術付の真ん中にブラックホールの様な穴があき、紫藤がゆっくり出て来た。

「悪かった、私の力不足だ…」
紫藤は座りながら、時津に頭を下げた。

「大丈夫だ、お前は回復、強化に回れ。」

「分かっておる。四拾五の術、巨左巨右(キョサキョウ)!!!」
紫藤は術付になり時津の左腕、つまり峪蛇に貼りついた。
すると右腕も左腕の様に、黒く大きくなった。

「来いや来いや来いやぁ!!!!」
「いい度胸だ…行くぞ坊主っ」
男は二つの鎌を持ち両腕に構えた。



Page:1