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雨子さん
日時: 2011/05/12 21:57
名前: でぃみぃ (ID: 1xlwHmTN)

雨の日の放課後、女子友達数人が教室に残っていた。

机の上に乗って、足を組んでペチャクチャと完全下校時刻まで

しゃべっていた。

「------あ!」

1人の少女が思い出したように言葉を発した。

「なになに?」

もう1人の子は興味シンシンな様子で聞いてきた。

「雨子さんって知ってる!?」

少女は指を立てて眼を光らせていた。

「雨子さん?知らないよー」

「あたしもー」

3人の中、知っているのは1人だけ。

佐天美穂だった。

「雨子さんってなにー教えてよー」

美穂に聞くのは大田憂楼。

「雨子さんってー・・・またどっかで拾ってきたネタァ?」

くだらなそうにいうのは角田千恵。

「ふふっ雨子さんはね-------------


















いじめられっ子だった雨子さんは、女子に無理やり押し付けられて、

体育委員だったんだって。

いじめられて帰りが遅くなってもね、体育委員の当番で体育館の鍵閉め

にいったんだって。

その日、あめがすごく降ってて、上のほうがうるさかったんだって。

それでね、雨子さんが鍵を閉めて、帰ろうと振り向くと、マスクをして

帽子をかぶった男がナイフを突き出したんだって。

雨子さんは雨の音であとをつけられていたのに気づかなかったんだそうよ。

雨子さんがギュッと眼をつぶるとね、頭を殴られて、気絶してしまった

んだって。

それで、雨子さんが目覚めるとそこは廃墟のようなボロボロの小さな部屋。

でも、足と手が縛られてて、身動きが取れない状態。

あたりを見回すと、男が立っていたんだって。

怖くて声もでないまま、女の子に男は何をしたと思う?」

「え・・・わかんない」

「・・・眼をくりぬいたんだって・・・!」

「キャーーーーーーッ!」

美穂が一言いうと、憂楼が悲鳴を上げた。

「なーに!ただの噂だよ?こんなので怖がってさぁ・・・あははっ」

皆で笑っていると

「でねっ、雨の日になって、4時過ぎまで教室に残っていると、なくした

 目玉をさがしにくるんだって!」

「え・・・?もう4時過ぎてるよ・・・雨降ってるし・・・やだぁ」

憂楼が怖がる。

「大丈夫だよっ!どうせこの学校の話しじゃないでしょ」

千恵が憂楼の頭をなでる。

「・・・この学校じゃなかったら話さないよ・・・?」

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