ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 王者は二度殺す
- 日時: 2011/05/29 14:29
- 名前: Luzern ◆Luz./VATPA (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: Hi! My name is Luzern Nice to meet you!
A single death is a toragedy, a million deaths is a statistic.
一人の死は悲劇になるが、100万人の死は統計となる。
Joseph Stalin(1879~1953)
WWⅡを踏まえ、世界は新たな戦争にへと突入していた。
現代の武器を最大限に利用し、人を殺戮にへと変貌させる。
その光景は、どんなに耐性のある人間でも吐き気を催すほどだ。
無残に捨てられた死体を流れ作業で焼く作業員の顔は、いかにも悲哀に満ちている。
殺人、という一つの概念に縛られた人間ともどもが、向かってくる同じ種類の人間を殺すというのは、いかにも地獄絵図だ。
そして年月は経て、舞台は日本にへと移る。
日本では、酷い猟奇的殺人事件が多発しており、警視庁は特別捜査本部を設け、事件の解決に急いでいた。
現場でみたのは酷く食い荒らされた人の死骸と、それに集るハエ。
そして事件は大きく動いた。ついに猟奇的事件を行った犯人が発見されたのだ。
警視庁は少し焦りながらも、滞っていた事件解決が急速に動いたことによって、少し喜悦に浸っていた面もある。
しかし、感じたのは焦燥感のみ、つまり犯人は人間ではなかったという事を———————
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- Re: 王者は二度殺す ( No.1 )
- 日時: 2011/05/29 16:50
- 名前: Luzern ◆Luz./VATPA (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: ANNIHILATON
「この焦燥感、犯人が人間ではないという事を知ってからかもしれない。」
大雨が予想され、人々の多くが傘を用意している。
米国と称されるアメリカの多くでは大雨が降り、各地は水溜りで溢れかえっていた。
余談だが、傘が本格的に普及し始めたのは、1954年、フィリピンから帰ってきた助左衛門が豊臣秀吉に土産として傘を献上。喜んだ豊臣秀吉は傘を有名にした。
「フェルマー警部。例の猟奇的殺人事件の事ですが…犯人の名前が分かりました。小汚いポケットの中に入っていた免許証から見ると、ロビンソン・ラッサール、だそうです。」
傘をさし、大雨の降る大通りをゆっくりと歩くフェルマー警部に、男はそう焦りながら話しかけた。
「ロビンソン・ラッサール?名前からしてフランス人か?」
「いや……人間じゃないです。」
フェルマーは驚愕した。 俺たちは人間では無い何かを捕まえてしまったのだ。
焦燥感は取り除かれ、新たに生まれたのは恐怖。背筋が凍るフェルマーを、おぼろげに心配する男。
「ロビンソン、と言ったな?そいつのところに連れて行け。今すぐ話を聞こう。」
「いえ、わたくしフーバー、話を聞こうとしたものの、喋りません。しかも暴れるので、縄で椅子に押さえている状態です。」
これを最後に世界は驚愕と恐怖に溺れる。
- Re: 王者は二度殺す ( No.2 )
- 日時: 2011/06/08 14:06
- 名前: Luzern ◆Luz./VATPA (ID: EcZ9RUNd)
- 参照: ANNIHILATON
まだ大航海時代だった頃だ。
汚い格好をした男は町で目立ち、避けられた。
それは当然、海賊という職業に属しているからだ。
海賊というのはその時代、とても野蛮と称され、嫌われていた。
かの有名な東インド貿易会社も、海賊の存在を嫌っていたという。
英国海軍も、平和を乱す海賊の存在に倦厭しており、悪行をこなす海賊を担当する提督も少なくは無かった。
そして大航海時代、海賊以外の職業につく、現代で言う一般人は本に夢中であった。
ファンタジー、戦い、海、怪物…様々な題が持ち上げられ、そして一般人の目に触れて行ったのだ。
その中で一際目立ったのが、『不死身の男』の話。
作者の名前も分からず、本屋でヒッソリと売り出された不思議な本である。
偶然買った一般人は、その本の不思議さに惹かれ、夢を抱き、死んだ。
ではその内容を書き出してみよう。
とある街に、クランカーという名の男が居たとさ。
その男は、街で出会った不思議な魔術師に、薬を譲ってもらったんだ。
怪しいったらありゃしない。木箱に入れられていた薬は、本当に奇妙な色をしてやがる。
クランカーをそれを飲むと、不死身になれる、と魔術師に言われ、飲もうとしたが、奇妙な色を見るたびやめてしまうんだってよ。
だけど、「不死身」って単語に惹かれる。
本当に不死身になれるのか?友人に飲ませようと考えたが、こんなチャンスを渡すのはもったいない。
そして、飲もうとした。もう奇妙な色について考えるのはやめにしよう。
薬を、ゆっくりと口に放りこむ。
苦い!実に苦い!嗚呼、気分が悪い!目の前の光景がゆがんで見える!
立っているだけで嘔吐しそうだ!不死身になれるなんて嘘っぱちだった!気持ち悪いだけの何物でもない!
そう男は涙を流した。だまされたのだ。そう、私はだまされた。
幾度も幾度も嘔吐し、挙句の果てに涙の色は汚れている。
そして突然、後ろから大声が聞こえる。
私が倒れていたのを見て、野蛮人がお金を盗もうと襲ってきたのだ。
もういい。私はいずれ死ぬ。だったら殺してくれていい。
抵抗せず、そのまま私は死を望んだ、はずだった。
錆びたナイフを背中に刺されたが、痛みを感じない。
それどころか、出血という感覚すらない。
これは、不死身になったのか?そうなのか?私はわからない。
男は焦ってナイフを抜き、私の心臓、胃、頸動脈…いろいろなところにナイフを刺した、が。
私は痛みを感じない。そうだ、私は不死身になったのだ!
男は持っていたナイフを地面に落とし、私を恐れた。
恐れるなら恐れるがいい。私は不死身なのだから。
作者未明
- Re: 王者は二度殺す ( No.3 )
- 日時: 2011/06/08 14:06
- 名前: Luzern ◆Luz./VATPA (ID: EcZ9RUNd)
- 参照: 花咲くなかれ。
修正
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