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地 獄 物 語
日時: 2011/06/19 19:43
名前: 蛇の目 (ID: EPm2ln81)

 ようこそ【地 上】から【地 獄】へと遥々見学にお越し下さった皆々様。

 心より感謝申し上げます。

 今回【地獄見学ツアー】のガイドをさせていただく事になりました。【蛇の目】という者です。どうぞ宜しくおねがい致します。

 我が世界【地 獄】では皆様方の世界【地 上】で何らかの【罪】を犯した【現世重罪者】達を、今後生まれ変わった時、心に【闇】を持たらさないために心を治す場所ですが、なんせ重罪者達。まともに言う事は聞きません、ですので【我々のやり方】で【管 理】【教 育】をして綺麗で汚れのない心にしております。

 でわ見学を行う時のルールを説明しましょう。
 見学していく中で、少しばかり【ショッキング】な場面もありますが、そこはどうかご了承くださいませ。後、此処はなんせ【地 獄】苦痛を覚えた重罪者達がたまに逃げ出しておりますが、その後どうなるかは見ていてぞくぞくするものなので、楽しみにしていてくださいね。

 あぁ、、一つ言い忘れていましたが、見学を行った皆様方も【現世重罪人】になるかもしれませんよ?その時は今一度今度は【罪人】として【地 獄】でお会いしましょうね。

 でわ、ごゆるりと...。
  
 

 

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Re: 地 獄 物 語 ( No.1 )
日時: 2011/06/19 21:15
名前: 蛇の目 (ID: EPm2ln81)

冷んやりと重い風が牢の穴を通る。
その風は不気味なうめき声を奏で何か悲鳴のような叫び声と混ざりながら、先ほどムチで受けた傷に突き刺さり、嫌な痛みが体中を通過している。


今日はついてない。
まぁ此処に日というものが実際存在するのかは俺には何も分からない事。
時計も無いからどこまでが今日なのかは当然知りもしないことで、外の様子も分からない、この密閉された空間だ。
そもそも此処の1日が24時間なのかも疑わしい。


俺はいつもの通路掃除を、当番なのでいつも通りにやっていた。
そこへ此処の重罪人だろう、、そいつが何処でどう手に入れたのかも分からないが、ナイフを俺に突きつけ「死にたくなかったら出口を教えろ」と脅しやがる。

まぁ此処で死ぬというのはただの戯言だが、、だが俺は刺されるのはやはりごめんだった。
ただそれだけだったんだ。当然ソイツは捕まりひどい拷問を受けたが、この世界の事だ俺にまで巻き添えを食らわせ拷問を受けさせやがる。
本当に今日はついてない。


俺は一つため息をし、鉄でできたような机の端を蹴飛ばしてそのまま仰向けになり、ぼんやりと薄黒い天井を見つめた。



「此処から出たい、、」



ふいに心に留めていた言葉を涙ながら口から零れ落ちる。


その時だった。天井を見つめていた俺の視界に急に少女の顔が飛び込んできたのだ。
俺はわッと声をあげ、その場から飛び上がると、黒く長い髪で赤い目をした小柄な少女が、机の上からこちらをしゃがみながら不思議そうに見ているのだ。






「ねぇ、お前は何で此処に居るの?」




「え・・・・?てか、お、お、お前誰だよ!?ど、どーやって?」

少女の言ってる事もよく分からないが、それ以前に足音一つ出さずに入ってきた事に、俺は分けがわからなくなった
この窓も無い空間、しかも牢の鍵も掛かったままだ。

だが少女は俺の言う事を少しも答えずに話し続けだした。


「お前からは罪の臭いがしないぞ・・?何者だ?」


何者だ・・・?
俺が逆に問いたい事だが、重罪服も着ていない所、管理人だろうか?むやみに口答えしたらひどい目に合わされると思った俺はすぐに自分の重罪者№と名前を言った。

「俺は、重罪者№199644番 坂上 利玖です、、な、何かあったんですか?」

すると少女は飽きれた顔で自分の髪の毛をッフと一本抜くと信じられないことに、その抜き取った髪の毛が黒く長い刃にみるみる変ったのだ・・!







 


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