ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 人間≪ヒト≫失格
- 日時: 2011/07/09 11:06
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 0BucpTCd)
どうも初めまして、又はこんにちは。九龍と申します。
題名みて、一瞬有名な本のパクリかと思った人、これ、パクリではありませんよ。
なにせ、僕はその名作を呼んだことがな(規制)
えぇ、図書館の方と同時進行で行こうと思います。
今回は、人間になりきれない(と思っている)人を主人公にしています。
そんな、摩訶不思議な雰囲気の小説をかけるといいです。
荒らし、チェーンメールを貼りに来た方は、歓迎いたしません。
僕(スレ主)が嫌いな方は、今すぐ逃げた方がいいです。
では、これから宜しくお願いします。
目次
お客様
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- Re: 00 - プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2011/07/09 11:21
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 0BucpTCd)
00 ‐ プロローグ
その人は、美しい少年。
いま、まさに息をひきとろうとしていても、尚、その美しさは衰えていなかった。
だが、その美しさは、普通の人間からは発せられないほどの、冷たいものであった。
少年の声は、かすれていた。
細く白い指は、触れたいものには届かず、ただ、冷たい空気に押し返されるだけだった。
少年の頬が、ある少女の頬に触れた。
もう片方の手が、ある青年の手に触れた。
少女は、少年の手を自分の頬に寄せ、離さなかった。
また青年も、少年の手をしっかりと自分の手で包み、離さない。
最後に、少年が言った。
「 」
少年の声がかすれてて、少年が最後に何を言ったか。
それは誰にもわからない。
少女と青年も、それに言葉を返す。
「 」
重い瞼が、少年の黒い目を覆い尽くす。
少女と青年が言った言葉は、少年には届かない。
少年は、ただ、深い闇の中へと
落ちていく
落ちていく
落ちていく———。
- Re: 01 − 転校生 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/09 16:03
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 0BucpTCd)
01 − 転校生
朝日が、少年を照らす。
少年は、玄関から差し込む光りから目をそらすように、家の奥をじっと見つめた。
その目は、どんよりと濁っていた。
暗い、家の奥を見つめ、少年は力なく笑う。
「いってきます、お母さん」
少年はそう言い、家を出た。
永光 竜雅。それが、この少年の名前だった。
『優雅な竜のように育つように』
母が、そう言って自分にこの名前を付けたことを、少年は今でも覚えていた。
少年は、いつもと同じように、歩く。
いつもと同じ時間に、家を出る。
いつもと同じように、赤信号の前でとまる。
いつもと同じように、信号が青に変わると、大勢の人にまぎれて、横断歩道を渡る。
そして、横断歩道を渡ると、走って学校まで行く。
いつも、同じ。
ただ、いつもと違うことと言えば、今日は転校生が来るということ。
転校生。
その言葉を聞いた時、クラスメート達は小声で話し合っていた。
どんな人か。どんな容姿か。
竜雅はそんな事は聞かずに、ただ、あくびをするだけだった。
クラスメートが増えるだけ。竜雅にとっては、それだけのことだった。
「あのー、君、雄翔高校の人?」
大柄な少年が、竜雅の肩を掴む。
先ほどまで、一緒に横断歩道を渡っていた人達が、遠くへと歩いて行く。
竜雅はそれをみて、戸惑いながらも、少年の問いに答える。
「はい、そうですけど」
「あの、雄翔高校まで、一緒に行ってもいいですか?」
少年がそう言うと、竜雅は笑顔を作る。
「はい、では、行きましょう」
竜雅はそう言って、歩きだした。
少年は喜んで、竜雅の後ろを歩く。
少年の着ている制服は、雄翔高校の物だった。
だが、この少年は高校までの道が解らないらしい。
きっと、昨日先生が言っていた、転校生だろう。
そう思っている間に、もう、校門まで歩いてきていた。
校門には、確かに『雄章高等学校』の文字が書かれていた。
「つきましたよ」
竜雅がそう言うと、少年は軽く頭を下げる。
「ありがとうございました」
少年はそう言って、玄関まで走って行った。
竜雅はそんな少年を見て、ため息をつきながら、玄関まで歩いて行った。
- Re: 02 ‐ 隣人 ( No.3 )
- 日時: 2011/07/13 20:58
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: OcJJl0ek)
02 ‐ 隣人
諸星 廉士。
黒板いっぱいに、白いチョークでその文字が書かれた。
すると、今朝、竜雅と一緒に登校した少年が、教卓前で微笑む。
なんだか、ぎこちない微笑みだ。緊張しているのだろうか。
「今日から、皆さんと一緒にここで勉強する、転校生の諸星くんです」
先生がそう言って、チョークを置いた。
廉士は少し時間を置き、口を開いた。
「初めまして。諸星 廉士です!」
廉士は大きな声でそう言って、軽く頭を下げる。
先生は笑いながら、椅子に座り、頬杖をつく。
そして、教室をじいっと見回した。
ふと、先生と目があった。
すると、先生の口元が少し緩んだ。
「じゃあ、諸星くんは、竜雅くんの隣の席に座りなさい」
先生がそう言って、竜雅の隣の席を指差した。
竜雅はそれを聞き、思い出す。
自分の隣には、一つだけ開いた席があったのだ。
人見知りの竜雅は、嫌々ながらも、廉士のことを歓迎した。
「よろしくお願いします」
「……よろしく」
廉士の言葉に、竜雅はそっけなく答えた。
廉士は笑顔で、竜雅へ手を差し出す。
竜雅は恐る恐る、その手を握る。そして、すぐにその手を離した。
「それでは、授業を始めます」
先生がそう言って、黒板に今日の課題をかく。
竜雅は急いで、机から教科書とノートを取り出した。
先生が「教科書を読んでください」という。
このクラスでは一人ひとり、順番に教科書を読むので、全員が教科書を読むことになる。
一人ひとりが、一行の文章を読んで行く。
竜雅が、クラスメートが読んでいる文章を目で追っていると、廉士が竜雅の肘をつつく。
竜雅は『なんだ』とでも言いたそうに、廉士を見つめる。
「あの、いま、何ページを読んでいるんですか?」
廉士が小声でそう言う。竜雅は、自分の読んでいるページをトントンと指差した。
すると、廉士は理解したらしく、小声で竜雅に礼を言った。
「ありがとうございます」
竜雅はそれに対し、なにも言わずに、また教科書とのにらめっこを始めるだけだった。
ありがとうなんて、言われても、竜雅にとってはどうでもよかった。
竜雅はそれから、廉士とは一言も話さずに、教科書を読むだけだった。
- Re: 人間≪ヒト≫失格 ( No.4 )
- 日時: 2011/07/10 19:04
- 名前: アゲハ (ID: 9wHf9u2B)
- 参照: てんでで〜ん
はじめまして、アゲハです。
このスレッドを見て、なんか、ぐっときました。
とても続きが楽しみです。
がんばって・・・いや、お疲れの出ませんように!
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