ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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異世界少年。-届いた叫び-
日時: 2011/06/24 21:39
名前: くっきー (ID: st6mEGje)

嫉妬、憎しみ、劣悪感。
そんなもん抱いて何が楽しいんだか。
さっぱり分からない。
心の中にそんなもんしまい込んでるから、
足下すくわれて悪魔に心を食われるんだよ。

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●誤字、脱字が時々あります。その時はスルーお願いします。
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目次

登場人物紹介 >>001
プロローグ  >>002
第一話    >>003
第二話    >>004
第三話    >>005
第四話    >>006

Page:1 2



Re: 異世界少年。-届いた叫び- ( No.1 )
日時: 2011/06/20 21:48
名前: くっきー (ID: ErINZn8e)

登場人物(随時更新していきます)


冷木 離兎 (れいき りと)
「俺は本来消えててもいい人間なんだよ」
高校一年生。16才。
人を寄せ付けない雰囲気を持ち、いつも一人で行動する。
しかしいつも一人なので、クラスから忘れ去れてる時も少なくない。
暇な時は寝るor読書。
静かな場所が好きで、クラスにいる時は寝ている時か授業中のみ。休み時間は休憩時間はクラスから出て行く。その後の行動は不明。
黒髪のショートカットで、制服もキチンと着ているが、手首に黒いリストバンドをしている。(ブラウスの第一ボタンだけ外している)
部活動には所属していなく、帰りのHRが終わった後は即下校しているが、その後何をしているかは親さえも分からないという。


結城 羅羽 (ゆうき らう)
「存在する意味なんてあたしにも分からないよ。これから見つけ出すモノなんじゃないの?」
高校一年生。15才。
離兎と同じクラス。明るくて活発で、カラオケ好き。
いつも羅羽は笑顔で、そののワケは羅羽の過去に関係しているらしい。
暇な時は友達と喋っている。
栗色の髪でセミロング。前髪はヘアピンで留めている。
部活動は美術部。だか先輩や顧問の先生の気分次第で活動をするため、週に三回あれば良い方なんだとか。
ある日の帰り道、離兎のリストバンドを拾い届けに行った時から、羅羽の人生は百八十度回転する。


大谷 夏奈 (おおたに かな)
「何があったかは知らないけど・・・私は羅羽を信じるよ」
高校一年生。16才。
離兎と同じクラス。羅羽の親友。
藍色の髪にポニーテールをしている。
羅羽の行動は大体の確率で読めてしまうんだとか。

Re: 異世界少年。-届いた叫び- ( No.2 )
日時: 2011/06/21 21:32
名前: くっきー (ID: ErINZn8e)

プロローグ 「全ての始まり」


HRも終わり、羅羽はイスに座って帰り支度をしていた。

「ねーねー、羅羽、これから暇?」

声がした方・・・・つまり横を見ると、友達の夏奈が羅羽の机に手を置いて、羅羽の顔をのぞき込むように見ていた。

「うん、暇だよ。どうしたの?」

バックに全ての荷物が入れ終わり、立ち上がってからバックを肩にかける。その様子を見た夏奈がニヤリと笑う。

「・・・ねえ、ホントにどしたの?」

羅羽は夏奈の顔を見て眉間にしわを寄せる。
こういう時に限って変なこと言い出すことが多いんだよね・・・。

「へっへーん、これを見よっ!」

夏奈がスカートのポケットから三枚の黄色い長方形の紙を取り出し、羅羽の目の前につきだした。

「ん?何それ・・・って割引券じゃん!カラオケの!」

目をきらきらと輝かせ、羅羽が言った。
夏奈はそのまま羅羽の目の前でヒラヒラと割引券を動かした。

「こないだカードのポイントと交換したんだ〜。これからカラオケ行こうよ!暇じゃなければ明日でもいいよ。有効期限、一ヶ月あるし」

ニッとお得意の悪戯っぽい笑顔で夏奈は笑ってみせる。羅羽は必死に頭の中の記憶の糸をたぐり寄せた。

「んー・・・今日かあ・・・何か予定あったっけ・・・」

ボソボソと呟く羅羽を見て、夏奈は割引券を一枚、羅羽に差し出した。

「じゃあ今日、家帰ってから予定あるかどうか見てみてよ!この割引券は一枚あげる。三枚も要らないからね」

羅羽は戸惑いながらもその割引券を受け取る。

「いいの?もらっちゃって・・・」

「いいのいいの!じゃあ後で携帯に連絡してよ!私は他の子誘うからさっ!」

夏奈は笑いながら言うと、羅羽に背を向け、今度は黒板付近にいた女子に話しかけ始めた。

「・・・よし、じゃあ今日は早く帰ろうっと!!」

羅羽は割引券をカバンに入れると、教室を出て廊下に
出ていく。そのまま走ろうと足を踏み出した時、足下に何かが落ちていることに気づいた。

「・・・・?何だこれ・・・」

しゃがんでからその何かを拾いあげる。見てみると黒いリストバンドのようだ。名前は書いてない。だが誰のか思いつく人物はいた。

「確かこれ・・・冷木のだったっけ・・?」

本当にそうかは分からないけど、こんなリストバンドをしていたような気が・・・・する。

「届けに行ったほうがいいかな・・」

羅羽はリストバンドを握ったまま廊下を小走りし、階段を駆け下りる。
下駄箱で革靴に履き替えて、上履きを自分の下駄箱にしまい、校門へ向かって走り出した。
校門で一度立ち止まり、左右に広がる道路と歩道を見る。すると右側の歩道にかなり遠くの方で離兎が歩いているのを見つけた。

「この距離だったら追いつけるかも・・!!」

再度羅羽は右側の歩道へ走り出した。


この時何故、リストバンドを届けようと思ったのだろう。
ただ単に同じクラスなだけ。会話さえあまりしたことが無かった。
彼のことを気にしたことは正直、全然無い。
直感的だったんだ。届けよう、と思ったのは。
この時あたしはまだ知らなかった。
これから始まる非常識すぎる出来事に———!

               To Be Cohtihued....

Re: 異世界少年。-届いた叫び- ( No.3 )
日時: 2011/06/21 21:35
名前: くっきー (ID: ErINZn8e)

第一話 「悪魔」

どのくらい走っただろうか。
距離は少しずつ縮まっていく一方、離兎は離兎で曲がり角をドンドン曲がっていく。
こいつん家ってこんなに複雑な道してんの?!

「も〜っ・・・・何なのよ!」

悪態をつきながら羅羽は走り続ける。
中学生時代の陸上部で鍛えた体力のおかげで、まだまだ走れるんだけどね。

やっとのこと、離兎が立ち止まった。
いきなり立ち止まったせいか、上手い具合に足を止めることが出来ず、危うくバランスを崩し欠けた。

「わわっ!」

素早く羅羽は片方の足でバランスを保ち、ふぅーっと安堵のため息をつく。
その言葉に気づいたのか離兎が後ろを振り返った。

「・・・・?あんた、確か・・・」

何でいるんだよ、ここに。ってでも言いたげそうな顔だ。
っていうか、入学してからもう二ヶ月以上経ってるのに覚えられてないんだ。ちょっとショック。
羅羽は気を取り直すと、離兎の方へ一歩、二歩と近づき握っていたリストバンドを差し出した。

「これって冷木のだよね?廊下に落ちてたよ」

離兎は驚いた表情をすると、リストバンドを受け取る。

「・・・・どうも」

ボソリと離兎が呟く。そのままリストバンドを右手首につけ、ため息をついた。

「何で届けようと思った?」

いきなりそれかい。
少し考えてから羅羽が言う。

「分からない・・・けど、届けた方がいいかなあって。直感的?って言うの?そう思った」

離兎があきれ顔で羅羽を見た。
な・・・・何その顔。

「何で呆れてんの?あたし悪いことした?」

ホント、意味分からないんだけど。何でそんな顔されなくちゃいけないの?

「・・・いや、お人好しな奴もいるもんだなーって思って」

そのまま、離兎があきれ顔のままで言った。
その場で思わずズッコケそうになったのはおかしくないよね?

「何それ。っていうかあたしみたいなのがお人好しなら、みんなお人好しになっちゃうと思うんだけどな」

羅羽の言葉で、離兎の表情が無表情になる。
あれ、あたし変なこと言った?

「馬鹿か、あんたは」

何の感情も無い離兎の言葉に、羅羽は少し揺動する。
そのまま離兎はカバンを肩に担ぎ、くるりと背を向けた。
何こいつ、こんな感情の無い声、出せるの?

「今までろくに会話もしなかった奴に、わざわざ落とし物を届けにくるかよ。それもみんなが」

無言で羅羽は離兎の言葉を聞いていた。
いや、正確に言うと『何も言い返せなかった』。
同情している自分も、心のどこかにいることが分かったから。
そしてもう一度離兎は羅羽の方を振り返る。

「あんたって変な奴。天然?こんなお人好しの奴に初めて会ったよ、俺」

離兎の声が、ロボットみたいな声に羅羽には聞こえた。

「んじゃ、届けてくれてどうも。俺は用事があるから」

また前に向き直ると、スタスタと離兎は歩いていく。
何それ、何か変だよ。何で無表情でさらりと言えるの?

「・・・・馬鹿なのはどっちよ・・・」

思わず本心から出た言葉。
離兎にも聞こえたのか、立ち止まった。

「そんな・・・何の感情がこもって無い・・・・。まるでロボットみたい・・・」

振り返らず、無言で離兎はまだ立っている。
馬鹿なのはどっち?

「冷木・・・あんた人間じゃないよ!!」

気がついた時にはもう叫んでいた。
はっとなり、口を手で押さえる。
何言ってんの、あたし。人間に決まってるじゃん。何失礼なこと言ってるの?
かすかに離兎が笑った気がした。

「そうだな、そう思われてもおかしくない、か」

離兎はそう呟くと再度羅羽の方へ振り返る。
表情からは何も感じられない。

「あんたの言うとおり、俺は人間じゃない」

冷たい声と「人間じゃない」という言葉に羅羽は驚く。

「な・・・に言ってんの・・・?」

声が震えた。
意味分からない。人間じゃない?

「だから言っただろ、俺は人間じゃないんだよ」

「意味分からないよ・・・・冗談だよね・・」

震える声で羅羽は言った。
冷たい離兎の言葉が心に突き刺さる。
そして羅羽を見据える離兎の眼差しも冷たかった。

「俺はもう人間じゃない・・・・悪魔だよ」

                      To Be Cohtihued....

Re: 異世界少年。-届いた叫び- ( No.4 )
日時: 2011/06/22 22:04
名前: くっきー (ID: DSznZxUf)

第二話 「廃墟の世界」


「は・・・?あ・・くま・・?」

何言ってんの、こいつ。頭大丈夫?
だけど、離兎の目は本気らしい。冗談も感じられない。

「まあ人間だけど。『やったこと』は悪魔と一緒」

冷徹すぎる離兎の声に足が震える。恐怖を感じた。
何も言い返せない。目を伏せ、地面を羅羽は見つめた。

「なあ、もういいよな?」

離兎の声がして、目を上げ離兎を見た。
すると離兎の後ろには半径二メートルくらいの大きな黒い穴、があった。
えっ、何これ。

「ちょ・・・っ、何それっ!?」

羅羽が叫んだ。
意味分からない、今度は何!?

「あんたには関係無い。知らなくて良いんだよ」

無表情で離兎は呟く。
知らなくて良い。その言葉に何故か苛立った。
心の中がむしゃくしゃする。何かでかき混ざられているような感じがした。
分からない、何なの?この気持ち。
ギュッと、バックを掴む力が強くなった。
何でだろう。分からないけど。あたしもあの中に行った方がいいかもしれない。

「ねえ、冷木」

ぼそりと羅羽は離兎に向かって呟く。
一歩、二歩と羅羽は離兎に近づいていった。

「あたしさ、何でか分からないけど」

そこで言葉を句切り、離兎の後ろにある穴を指さした。
穴の中は闇。何も見えない、真っ暗だ。

「その穴の中に行った方がいいって思うんだ」

離兎が目を見開く。

「馬鹿か。何いきなりそんなこと言ってんだよ・・・・」

「馬鹿でいいよ。ねえ、それ、何?何かその中、あたし前に入ったことがあるような気がするんだけど」

本当にそう思った。
あたしの中に、あたしが知らない何かがある。

「・・・悪いけど、それはお断りだ」

そう離兎が吐き捨てるように言い終わると、その穴の中に走り込んだ。

「ちょ・・・!待ってよ!」

いきなりなんてひどいよ!
穴が少しづつ小さくなっていく。
やだ、消えちゃ嫌だ!
入った方がいい、絶対に・・っ。
何故かそう思った。
その思いに身を任せ、羅羽も駆け出し、その穴の中に飛び込んだ。




「う・・・・うぅー・・」

うっすらと目を開け、羅羽は起きあがる。
そして頭を左右に振ってから、辺りを見渡した。

「・・・・・何これ・・・」

周りはごろごろと瓦礫が転がっていて、建物も壊滅状態だった。
何もかもが崩れている。地面は砂利。
何なのこれ。
恐る恐る立ち上がり、スカートについた砂をはたき落とす。
もう一度ぐるりと辺りを見渡し、空を見上げた。

「・・・・・嘘・・」

ボソリと羅羽は呟いた。
空は真っ暗。あるのは明るい光を放った青白い月のみだった。

「何なのここ・・・」

周りは廃墟。しかも空には月。ここでは夜なのか?
呆然と立ち尽くす羅羽の後方で、足音が聞こえた。
素早く振り返ると、そこには小さな男の子が立っていた。
何だ・・・びっくりした・・・。

「ご、ごごごめんなさい!」

震えた声で男の子は誤り、ペコリと頭を下げた。
突然の出来事に状況がつかめず、羅羽は手を左右に振った。

「あっ、ち・・違うの、びっくりしただけだよ」

羅羽の言葉に安心したのか、男の子は頭を上げる。
金髪のショートカットをしたその男の子は、フードをかぶっていた。服はボロボロだ。

「お姉さん、助けて。道に迷っちゃったの。ここ、何処か分からないんだ」

小さな声で男の子は言った。
って言われても・・・あたしもここ何処か分からないし・・・。
羅羽は男の子に近づき、手を取った。

「あたしも迷子なの。一緒に行こう?」

男の子は一瞬驚いたものの、すぐに縦に首を振った。とても嬉しそうな顔だ。
良かった、喜んでくれた。
羅羽も少し笑うと、再度男の子の顔を見る。
しかし次の瞬間・・・。

「バーカ」

・・・え?
男の子の口からさっきまでの愛らしい声で暴言が出てきた。
驚いているのもつかの間、男の子はポケットからナイフを取り出すと、羅羽の胸、心臓めがけて突き刺そうとする。
気づいた時にはもう、目の前に血が飛んでいた。
嘘、あたし死んじゃうの・・・・!?
                    To Be Cohtihued....


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