ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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復讐だけじゃ生温い
日時: 2011/06/25 20:30
名前: 甘木弧羽 (ID: zeBAwFgA)

えーっと、甘木弧羽って言います。
ちょくちょくここに登場しております。
今回、小説を書いてみようかな〜〜
そんなこんなで、ココにいます。

荒らしはご遠慮くださいw

Page:1



Re: 復讐だけじゃ生温い ( No.1 )
日時: 2011/06/27 18:35
名前: 甘木弧羽 (ID: zeBAwFgA)

「隠れてなジグ、いいかい何が会っても出てきちゃだめよ。それとこれを持っておきなさい。」
そう言ってお袋は俺を隠し拳銃を握らせた。
子供のころ・・・そう俺がクソガキだったころだこの世のシステムもまだ理解できてねえ、馬鹿丸出しだった頃。そんな俺に現実を教えてくれたのは俺の住む村に来たインベーダー【侵略者】共だった。

バン、バン!!
俺の目の前でお袋は撃たれた、そのインベーダーは馬鹿みたいにゴツイ銃をお袋に放つ、お袋は頭とどてっ腹にデカイ穴をあけて即死する。
盛大に内臓をぶちまけ家の至るところにベチャッとしまりのない音でへばりつく、そして俺の顔にも。
「おい、リック何殺してんだ!せっかくの女なのに!!」
もう一人のインベーダーが俺のお袋を撃ったインベーダーに食ってかかる。
「何だよジーン。お前こんなガリガリに痩せ細った女犯したかったのかよ?こんな女とやるぐらいなら人形の相手した方がマシだぜ。それともこののっぺら坊を今から犯すか?」
そう言ってぐいと顔と腹が吹っ飛んだお袋の髪をひっぱり愉快そうに笑いながらもう一人のインベーダーに見せつける。

「うお!そんな汚ねえもん振り回してんじゃねえぞ!」
そう言っガクンと首が垂れ、ブラブラと力なく揺れているお袋を笑いながら手をシッシッと振る。
そしてインベーダーどもはお袋の死体を捨てるように投げ捨てその死体に唾を吐いた。
・・・その時だった俺の頬に涙が伝った、それと同時に唇に鋭い痛みを感じて唇に触れると血が出ていた。そして血をぬぐう時お袋にしっかりと握らされた銃の存在に気付いた。
・・・・・。

・・・俺は誰かに導かれるように完璧な動作でセーフティを外し、構え、引き金を引く。
バン、バン、弾丸はインベーダー共の後頭部に命中し、声を挙げることなく力なく膝をつきその場で頭から倒れ伏す。玄関の扉は血で真っ赤に染まっている。

「ふふふふふ・・・。」俺は銃を握ったままインベーダー共に近づきお袋を撃ったインベーダーの顔を拳から骨が見えるまで殴り続けた。インベーダーの顔は完全につぶれ原型をなくす。
・・・もうその頃には何のためにコイツを殴っていたのか忘れた、血が上り過ぎていたのかもしれなかったせいだ。その時は・・・忘れていた。

俺は真っ赤な扉を開く、そこにはいつものようにはしゃぎ回る餓鬼共も家の前で作業をしているじいさん、ばあさんも消えて、真っ赤な炎と血と殺戮だけが広がっていた。



「はっ?・・・・」
俺は勢いよく飛び起きる、ああクソ目覚めの悪いもん見ちまったぜ畜生。
額を手で押さえてベッドのマットレスから足を出して床に足をつける。

「ヘイ、どうしたジグ?ひどい顔だぜ?夢の中でジェーンにでも尻追いかけられる夢でも見たか?」
ベッドルームの扉の向こう側からジェットが心配そうな声で聞く。

「そっちのほうがいくらかマシだったぜ、実際。・・・それで人質はどうした?」
俺は着ているシャツを脱ぎすてクローゼットからカッターシャツを取り出す。

「寝起き早々人質の心配か・・・。安心しろよジグ。坊っちゃんならグウグウと呑気に寝息立てて寝てる。」

「そうか。」
俺は部屋に飾られる時計を見るいつのまにか夜の8時を過ぎている。
「もう夜かよ、疲れてんのか?」

俺はカッターシャツに腕を通しいつもの服装に着替える、飲むか、こういう時は飲むに限る。ベッドルームを開けてリビングに入るとジェットがソファにゆったりと座りボケっとした顔で煙草をくわえている。

「おいおい、大丈夫かよ顔色悪いぜ?」
ジェットはテレビを見ながら言う。
「大丈夫だ、飲めば治るさ。」
俺はボロイ小型の冷蔵庫を開ける冷蔵庫の中はぎっしりとビールが敷き詰められていてそのうちの一つを開けてグイっと一気に飲み干す。

「そんで?相手は何て言ってる?」
冷蔵庫からもう一缶取り出しビールのふたを開けながら聞く。
「大丈夫だ。さすが物分かりのいいカネズルどもだぜ、お決まりの脅し文句と坊っちゃんの悲鳴を聞いただけで要求をのむとよ。上手く行けば100万ドルそっくり俺達のもんだぜ?」

「そりゃすげえ、んでその金の卵の坊っちゃんはどこだ?」
俺の言葉と同時に物置部屋から大声が響く。

「おいここから出せ馬鹿!!!金ならやるから!!!早く出せ!!」
あそこか・・・。俺はゆっくりと物置部屋の前まで歩く。

「おい、坊っちゃん出すわけには逝かねえな、何せ今回の仕事は滅多にねえミリオンダラーの仕事だ、坊っちゃんのしれた金で逃がすほど俺達の頭は退化してねえよ。」
ガンっと物置部屋の扉を蹴る、その音にビビって今までの感情が爆発したのか突如大声で泣き叫ぶ。

「うわ〜〜〜ん!!!助けてゲルダねえ!!!」

「おいおい泣かしてんじゃねえよ。うるせえだろ。」

「すまねえ、すまねえ。ついチョッカイ掛けたくなっちまうんだよ。」
そう言ってジェットをなだめる。
坊っちゃんはしばらく泣き続けそしてエヅキ始める。
「坊っちゃんよ今何歳だ?や、見たら分かる多分13〜4ってとこだろ?もう立派な男じゃねえか。それが何だテメエちょっとビビっただけで泣き叫びやがって。」

お前が泣かしたんだろ、お前が。ジェットは欠伸しながら言う。

「スンスン・・・お前等何かゲルダ姉に殺されればいいんだ。」

「誰だよそりゃ?テメーの姉貴か?まったくそれでも男かよ姉貴の名前なんか呼びやがって。俺らがその姉貴に殺されるってよおジェット!」
ハハハハハ!!そりゃ傑作だ!ジェットも相槌を打つように笑う。
全くテメーら見てえな貧弱なブルジョワジーの連中に殺せるかよ俺達が。

「そうやって笑ってられるのも今のうちだぞ、ゲルダ姉はホントに強いんだお前より絶対に強いんだ!!」

「クククク、そうかそうかそりゃ恐ろしい話だ!だとしたら坊っちゃんの姉貴が襲ってくる前に逃げねえとなぁ。」

ハハハハハハハハハハ!!!

そう言って高らかに笑う。

俺の名はジーグ・シャロン、職業 何でも屋 だが金に困れば俺達はマフィア共の依頼を受けこういった誘拐をしたり殺人もする、いつ死ぬともわからない生活をしている。正直クソみたいな人生だ・・・別に悲しくはないが、虚しくないといったら嘘になる。見るに堪えないような醜悪さだった。

Re: 復讐だけじゃ生温い ( No.2 )
日時: 2011/06/27 18:29
名前: 甘木弧羽 (ID: zeBAwFgA)

〜3時間前〜


「ま、待ってくれよ!!!言う、全部言うからよ。命だけは・・・。」
男は腰を抜かし嘆願するようなコルトM1911を突き付ける私に言う。
私は黙ったまま男を睨み空いた右手で栄養ドリンクにさしたストローで飲む。
カイの奴相変わらずブラックシティなんて危ないとこまで顔出して。
見つけたら説教が必要だわ。
「あのガキはカウシンキのレストマフィアの下っ端が掻っ攫った!!おい、やめろ・・・やめてくれ・・・・。」

ドンッ!!!鋭い爆音が部屋に響く。私は栄養ドリンクをすべて飲み干しポイっと放り投げ死体が・・・途中で数えるのをやめた死体の山を避けながら【血建物【ブラッドビル】】から出る。

カウシンキ・・・レストファミリー・・・。
よりによってブラックシティよりも治安の悪いヤクザ者の吹きだまりな様なところに誘拐されるなんて可哀そうなカイ・・・説教する前に助けてあげたら死ぬほど抱きしめてあげてやめてって言うまでキスしてあげるんだから。
待っててね・・・私の弟。ニヤついた顔を引き締めてバイクにまたがった。

〜現在〜

「ジグ、坊っちゃんを連れてレストの旦那のとこに行くぞ。この仕事のギャラと段取りの話だとよ。」
携帯を閉じて煙草を灰皿にグリグリと押しつけて煙草を消しゆっくりと立ち上がる。

「OK,丁度いいビールじゃいくら飲んでも酔えねえよやっぱ。旦那のとこでテキーラをひっかける。」
ソファから立ち上がり窓際の棚から車のキーを取り出す。

「仕事は明日だ。ベロベロになるまで飲むんじゃねえぞ。」
ジェットは物置から出てくる、多分坊っちゃんが逃げねえよう念のためクロロホルムでも嗅がせたんだろう。ジェットは物置のカギを閉めて事務所の出口にある。
「おい、そう言えばジェーンはどうした?」

「ジェーンなら下のステーキハウスで飯食ってるよ。」
そういってドアを開け下に降りた。


下のステーキハウスは注文が入ると目の前でカウンターで鉄板を焼いてくれるこの街には中々ない店でしかも肉もうまかい店だ。そのカウンターに背の高い金髪にスタイル抜群の体大きな瞳、妖艶な美女といった感じのカマ野郎ジェーンことデ二—はステーキを一人で頬張り鉄板の上でシェフが鉄板の上にそそいだ酒で燃え上がる大きな火柱に拍手していた。

「おい、デ二—これから。旦那のところに行くぞ。」
俺は相変わらず自重しない大胆なファッションを視界に入れないようにして言った。
「あらあら?デ二—って誰の事かしら?ちょっとちょっとアンタあの冴えないホワイトカラー気取りの男が呼んでるわよ?」

ジェーンは隣に座って飯を食っている、20代ぐらいの男の肩を触りながら俺に言う。男は頭に?マークが浮いている。

「そいつじゃねえよ、お前だお前。ったくとぼけてんじゃねえぞカマ野郎。」
俺はうんざりだ、と手を振ってステーキハウスから出る。

「ったく、相変わらずね。私の事はジェーンだって言ってるでしょ。でもアンタのそんなとこが好きなのよねぇ。」
ジェーンは後ろから俺に抱きつくように両手を俺の首に絡めてきた。
背中には人工的なあれの感触がある。背筋がビクッとなり腕に鳥肌が立つあまりの気持ち悪さに銃を抜きそうになるのをこらえて無理矢理デ二—を引き剥がした

「気持ちの悪い事してんじゃねえよ、デ二—。さっさと行こうぜジェットが待ってる。」

ステーキハウスを出ると店の前でジェットが黒いバンを止めて待っている、しかし相変わらずの仏頂面でバンにもたれかかり煙草を吸っている。いつも景気の悪そうな顔しやがって、まぁ仕事の方は出来るから文句はないが。

「ヘイ、ジグとっとと行こうぜ。明日は長い一日になる。それと・・・ギャラの交渉も宜しく頼むぜ。」
そういって運転席に乗り込むジェーンも何も言わず助手席に乗り込む。
「ああ、分かってる。」
俺は後部座席に乗り込もうとするとデカイグレーのケースが入っていた。
「おい、ジェットこれ何だ?」そういって重いケースを持ち上げる。
「ああ、それな船に搬入するの忘れてた、RPG【ロケットランチャー】だ。鉄血病院で買った武器だな。」

俺は急にケースが重くなった気がして落としそうになるがとりあえず座るのに邪魔にならないよう長方形のケースを
縦にして寝かすような形でケースを置いた。
「貨物船襲撃用のか。おっかねえ、事故でもしたら火星まで吹っ飛ぶぞ。」

「ホントよ、私あんたらと往生したくないわよ。早いとこ船に運びなさいよ。」

「ああ、すまねえな。まぁ事故るほど遠い道のりじゃねえだろ。」
そういってバンを発進させた。

Re: 復讐だけじゃ生温い ( No.3 )
日時: 2011/06/27 21:43
名前: 甘木弧羽 (ID: zeBAwFgA)

「ったく、旦那の奴足元見やがって!!!!」
ドンっとテキーラの瓶を勢いよく叩きつける。
旦那との仕事の打ち合わせでギャラ交渉に思うほど上手くいかず散々な結果となった、がこれからの付き合いも考えて結局妥協しちまった。
まぁ前金の払いが良かったし今回は我慢するか・・・。クソっ!!

「まったく、前の仕事のド腐れバトラー【執事】といい今回の仕事といい今月の仕事は割に合わねえのが多い厄月なんてあったか?クソ、今月はこれで仕事切り上げて南国でうさでも晴らすか?」
苦い顔で俺はテキーラをあおる。

「全くだぜジグ。今月のうっ憤を晴らすために俺も社員旅行に賛成するぜ。場所はプーケットがいいな朝から夜までハメ外して馬鹿騒ぎしてねえとやってらんねえよ。」

「私も賛成ぇ〜〜。」
と変に間延びした声でジェーンが言った。

「おいおい、お前酒弱いくせにウォッカなんか飲むんじゃねえよ!」
俺はすでに酩酊しているジェーンに痛い視線を向ける。

「うるふぁいはね〜〜。アンタのへボイ交渉力のせいで飲まないとやってらんないのよ!!」

ゴッゴッゴッ、一気にウォッカを飲み干してカウンターに突っ伏して顔を赤くし気持ちよさそうに酔い潰れた。にしてもホントに女にしか見えない・・・。

「あ〜あ〜ぶっ倒れやがって。オイ、ちゃんと連れて帰れよコイツ。」

カウンターの向かい側に立つバーテンダーのグラサン男ジャックが飽きれたような声で言った。

「分かってるよジャック。帰るときにひっぱたいて起こすさ。コイツ見た目より相当重いから背負って帰りたくねえしな。」
俺はテキーラをグラスに注ぎ一口飲んだ。

「まったくだ。体になに詰め込んでるか知らねえが鉛のように重え、車のとこまで運ぶのも御免だ。」
ジェットも頷きながらウイスキーを飲む。

キィ・・・誰かが扉を押しのけて入ってくる。何故か戦場のようにけたたましいバーが一斉に静まり返り入ってきた客に目がいった。
俺もジェットも体を後ろに向けて客を見る。
パリパリのブラックのビジネススーツを上手に着こなした、恐らく16,7くらいで童顔、背が160前後。貧相な体つきをした女というより少女と言った感じの女が颯爽と入ってきた。
少女は視線を向ける客達を見回して見た目より大人びた声で言った。

「レストファミリーってとこで仕事が取りたいんだけど、ここでいいのかしら?」

ヒソヒソと何か話していた声も収まり一瞬の沈黙の後沈黙を吹っ飛ばすような客の馬鹿笑いが聞こえる。

「ギャハハハハハ、嬢ちゃん!!!テメエ見てえなチビが仕事?一体何してくれんだ?裸で踊ってくれんのか!!!なぁ、お前等!?」

「ギャハハ!!馬鹿かお前あんな貧相なチビの踊り見てもそそらねえだろ!」
と一斉に少女ははやし立てる。それも聞くに堪えないような下ネタを連発している。
そしてついにはやたら体のゴツイ大男がニヤニヤしながら少女に近づき少女の襟首を掴む。
「かえんなオチビちゃん、なんなら俺がお前に仕事やろうか?死ぬまでファックしてやるぜ?」

その言葉にまた爆笑が巻き起こる。

少女は顔を俯かせて誰にも見えないようにした。
俺は関わるのをやめたいので体を戻してカウンターに突っ伏した。

「な、ジェット。あのガキどう思う?」
俺は横目でウイスキーを飲むジェットに聞いた。

「どうもクソもジグ・・・あいつからはクソバトラーと同じ匂いがプンプンしやがる。」
トンッ・・・
「だよな。」
俺はジェーンの背中を力の限り殴り無理矢理叩き起こしたが、殴られたのに気付いてないのか、背筋を伸ばして目を擦り、帰るの?なんて間抜けな質問をしてきた。
俺は質問を無視して空になったコップの氷を口に入れて頷くと同時に・・・
ゴキン・・・思わず耳を防ぎたくなるような鈍い音が響いた。
その音と共に耳障りな馬鹿笑いもやんだ。
やっぱか、俺はジャックの顔を見る。ジャックはコップを拭くのをやめてその光景に目を丸くし顔をしかめていた。驚き半分えげつなさ半分っといった感じの顔だ。

後ろを振り向くと大男がその場で右手を左手で大事そうに掴んでうずくまっている、大男の右腕はありえない方向に折れ曲がっている。

周りにいた客達は一斉に立ち上がり銃を構え青筋を浮かべて怒鳴る。

「いい度胸してんじゃねえかクソガキ!!!!テメエ等!!!かまうことはねぇ!!!ぶっ殺せ!!!!」

少女はニヤリと不敵な笑みを浮かべて二挺のコルトM1911を両腕を伸ばし突き付ける。

少女の目は明らかに三日前に遭遇した鋼鉄製の快楽殺人者のクソバトラーよりも遥かに鋭く冷たい獣の目をしていた。読者のみんなに分かりやすくいうとその時の少女の目は数多の死線を体験した超優秀なソルジャーの目、だった。


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