ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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月妖スカーレット
日時: 2011/07/05 21:27
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: .J9ei1gB)
参照: http://www.kanfoo.jp/user/masa321/

↑兄貴のだらだらプログラム。


どうもこんにちはこんばんはグッドモーニング玖龍です。
山のようなあきらめた小説の中にまたポイ捨てされそうなモノを放り込みます。
今回は妖っぽいモノが書きたかったので。
イメージは九怨とかですかね。あのクソ怖いホラーゲーム。
完結を目指すと同時にトラウマ回復を図ります。

・玖龍チネしw
・駄文なんて読んだら俺腐るから。
・グロいの無理、もう吐きそう。
・さっさと更新しろよks

はい、戻ってねー。
戻んないとくりゅーが食っちゃうぞ。

・玖龍は俺の嫁。
・はっはっは、俺は神だからな、駄文だって読んでやるぞ。
・亀嫌いじゃない。むしろ好き。

こんな人は居ないと思われますが、「お?俺ってここか…?」と思ったらどうぞ。
何かふざけすぎた気がします(´・ω・)

前置きはこの辺で自重して、始めますよ。

◆目次

〝自分。それが、この世界で生きていく上で唯一確かなことだった。〟

 【prologue】 >>1
 【1.ピリオド】 >>3

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Re: 月妖スカーレット ( No.1 )
日時: 2011/07/02 17:00
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: itXtuB4h)

【prologue】


「おう。あんちゃん、どっから来たべ?えらいべっぴんさんやなぁ」
「有難う御座います。私、遠い北の街から参りました」
「そうかい。気をつけるんやぞー」

 ——馴れ馴れしい。 彼女は、そう思った。
 すれ違い際に彼女に声をかけた老人に彼女は頭を軽く下げて、見知らぬ街を歩き出した。紅と闇のコントラストで彩られた人間界の街は、彼女にとっては鮮やか過ぎて、目が眩む様な景色だった。緋色に染まる空には、既に紅く照らされた満月が優々と浮かんでいる。
 もう直ぐだ。もう直ぐ神楽が、私の為の神楽が始まる。
 カツカツと下駄の音を響かせながら、彼女は笑った。

 始まる。今、革命が。

Re: 月妖スカーレット ( No.2 )
日時: 2011/07/02 17:33
名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)

玖龍の新小説♪
頑張れ玖龍♪
テストで死んじゃったよ〜www(笑い事じゃない)

Re: 月妖スカーレット ( No.3 )
日時: 2011/07/02 17:55
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: itXtuB4h)

【1.ピリオド】


 黒い影が幾つも幾つもアスファルトの上を滑るようにはっている。寂れた街の癖に、ガラだけは何処にも負けない。無論、悪い方の意味だ。壁に刻むように書きなぐられた落書きにアスファルトに落ちたゴミ、はう影にくっついた小さな人間。
 ——俺達はちっぽけすぎる。
 黒いパーカのポケットに手をつっこんだ青年は噛んでいたガムを道路に吐き捨てた。コーラガムの甘ったるい味がかすかに口の中に残っている。青年はまだ味のあったであろう吐き捨てたガムを見つめるのをやめて歩き出そうとした。

『まあ、道に捨ててはいけないでしょう。ほら、拾って下さいな』

 何処からか、行き成り女の声が聞こえてきて青年はとっさに振り返った。其処には誰の影もなく、ただ自分の足にくっついた影がゆらゆらとゆれているだけだった。
 ——影が、ゆれている?

『……気付かれちゃいましたか、残念です』

 青年の鋭い目線の先にある、黒い影が揺れるのを止めて形を変えて着物を着た女の影になった。
 ——形が変わった……!?
 形が変わって少しすると、今度は形だけでなく、影の色も少しずつ変化してきたことに青年が更なる驚きの表情を浮かべた。影の色が、黒から少しずつ、少しずつ紅へ変わっていく様子を、青年は表情を無に戻してから見つめている。
 ——今度は、月の色か。
 青年は首を少しだけ回して目の淵で睨むように後ろを見ると、さっきまで青白く輝いていた満月が紅に染まっている。生まれて初めて見る紅い月が、青年は綺麗だと思った。

『こんにちは。突然お邪魔致します。私、いろはと申します。……貴方は?』
「こんにちはじゃ無いだろう。今は深夜だ、分かるか?……貴様みたいな得体の知れない物体に名乗るのはあまり気は進まないが……。柊と書いて、シュウだ。苗字は忘れた」

 ——影に話しかけられて、答えるなんて滑稽だな。
 紅い影はあくまでも影で、その紅い顔に秘められた表情も意図も黒ずんだスカーレットに塗りつぶされて分かりやしない。

『……やっぱり。……あ、そうか。柊様にとっては今は夜なんですよね。私にとっては真昼間ですが』
「どうでもいいけど。何か用があるんなら言えよ。はたから見れば俺ってただの変人なんだから」
『あら、この辺りに人間はおられませんよ?』
「どうでもいいって」

 影はくすっと笑い声を立てた。
 ——影って笑うし喋れるのか。此れは凄い発見かも知れない。何処かの大学にでも送っちまうか。

『本題に移りますと、私が柊様の身体を借りさせて欲しいのです。何せ私は影ですので、ロクに仕事も出来やしませんのでね。いいでしょうか?』
「え、嫌だけ……」
『答えは聞いてませんよ。以後、宜しくお願いします』
「……はぁ?」

 溜息に近い疑問符を漏らすと、影がまたくすくすと笑った。もう一度溜息を吐いて空を見上げると、午前五時を回った東の空がほんのりと明るくなっている。西の空に紅い月が、沈もうとしていた。

『じゃあ、また今日の夜にでも』

 影はそう言って、またゆらゆらと揺れ始めた。

「ちょ、ちょっと待……」
『それでは』

 西の空に紅い満月が消えるのと、東の空に緋色の太陽が昇るのと、影が元の柊の形に戻るのはほぼ同時だった。

 ——ようやく、日常生活にピリオドが打てた。
 そんな気がした。


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