ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ——鏡にアナタは映らない。
- 日時: 2011/07/05 23:19
- 名前: orange ◆91UWHcDgwY (ID: aza868x/)
神江 舞子の,黒くて赤い日記は始まった。
なんてね。
日記ではありませんが,ホラーにチャレンジいたそうかとw
応援のほど,よろしくおねがいします。
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- Re: ——鏡にアナタは映らない。 ( No.1 )
- 日時: 2011/07/05 23:35
- 名前: orange ◆91UWHcDgwY (ID: aza868x/)
野村 ゆかこ
1なのかしら
〜赤黒く染まった,一冊のノート〜
秋。
木は枯れはて,大地は乾燥する。
それに伴うように,人の心も枯れはて乾燥してゆく。
- Re: ——鏡にアナタは映らない。 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/06 23:30
- 名前: orange ◆91UWHcDgwY (ID: aza868x/)
どうやら私の心も枯れ果てたようで,最近は感情さえほとんど無くなっていた。
「・・・・・・もう,秋か」
哀愁漂う夕暮れのこの空。
赤い空に飛び交う,数羽のカラス。
日本の,古きよき時代の風景だ。
夕日に照らされたあぜ道の途中,並ぶ二つの影があった。
- Re: ——鏡にアナタは映らない。 ( No.3 )
- 日時: 2011/07/07 16:20
- 名前: orange ◆91UWHcDgwY (ID: aza868x/)
「なあ,ゆかこ」
見事な漆黒の短髪を靡かせる,20代前半と思しき男。
「もう一度,戻れないのか?」
そう言った男の横顔は,どこか切なげな寂しい表情だった。
だが,それに答えた女の顔は男とは裏腹に,なぜだか楽しそうにも見えた。
「イヤ。だってあなた,浮気してたもん。まさか忘れたの?」
男は苦い顔をした。すっぱりと切られたことが悔しいのだろう。
「いや・・・・・・忘れてなんかない。でも,忘れられないんだ。おまえのことが」
真っ直ぐ女を見つめた男は,自信ありげにそう言った。
しかし女は動じず,栗色の髪を靡かせまた平然と答えた。
「だから,イヤって言ってるじゃない。分からないの?」
「それくらい分かる。だけど,俺は諦めきれないんだ。」
「ちょっ,レイ!?」
腕を回したレイは,ゆかこをそのまま引き寄せた。
「俺の本気,どうすれば伝わんだよ・・・・・・」
耳に吐息がかかり,ゆかこは身震いした。
気持ち悪い。吐き気がする。
首筋に触れる無精髭が,痛くてしょうがない。
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