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半天使【無言の小学生】
日時: 2011/07/14 15:33
名前: 王翔 (ID: 12ejA409)

はい、王翔です。

ちょっとシリアスです。
 
登場人物

日奈森 稀射 >>19

ミカエルの半天使であることが判明した少女。

カレーが好き。


端枝 帝雷

ラファエルの半天使である少年。人と話すのが苦手。

おにぎりが好き。


空久保 リエ

ガブリエルの半天使。ツンデレ?

怒りやすい。


売原 クリオ

ウリエルの半天使。マイペース。



飛与田 叶斗

アスモデウスの半悪魔。

女の子が好き。


神野 光星

悪魔の大王、ルシファーの半悪魔。

敵の王として現れる。



日奈森 水奇

サポーターをやってる

稀射の姉。


天宮 我雲

サポーター。

頼りになる。


第一話 >>3
第二話 >>4
第三話 >>5
第四話 >>6
第五話 >>7
第六話 >>8
第七話 >>9
第八話 >>12
第九話 >>15
第十話 >>16
第十一話 >>17
第十二話 >>18
第十三話 >>20
第十四話 >>21
第十五話 >>22
第十六話 >>23
第十七話 >>24
第十八話 >>25

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Re: 半天使 ( No.5 )
日時: 2011/07/07 21:12
名前: 王翔 (ID: Un6CeTvg)

第三話

稀射が、慣れない手つきで俺の腕に包帯を巻いてくれている。

自分でも、気づかなかった小さな傷だ。

よく見ていたらしい。

なかなか、うまくできないらしく、何度もやり直している。

「もう大丈夫だ。適当でいい」

「……(フルフル)」

稀射は、ほっぺを膨らませながら首を左右に振る。

「……」

結構、真面目らしい。

よくできた小学生だ。

「そう言えば、学校は行かないのか?」

「……(コクコク)」

「なぜ…」

「……(フルフル)」

稀射は、泣きそうな顔で首を振る。

しまった。悪いことを……

理由は、大方想像がつく。

ようやく、うまく包帯を巻けたらしい。

「礼を言う……」

「……(コクコク)」

稀射は、にこっと笑った。

良い子なんだな、と思った。

「帰るか。そろそろ夕飯の時間だ」

「……(コクコク)」

なぜかは分からないが、稀射が言葉を発しないことに不自由は

感じなかった。

俺も、人と話すのが苦手だからだろうか。



教会に戻ると、クリオが出迎えてくれた。

「2人とも、おかえり。遅かったね」

「途中で、半悪魔と出くわしてな」

「そうなんだ。我雲に報告しとくよ」

「ああ、頼む」

「さ、稀射ちゃんもお腹すいたでしょ?帝雷とご飯食べておいで」

クリオは、にっこりと笑って稀射の頭を優しく撫でる。

「……(コクコク)」






夕飯を済ませ、部屋で本を読んでいた。

稀射も分厚い本に夢中になっていた。

「……」

小学生、だよな?

「……(コクコク)」

「?」

「……(フルフル)」

稀射は、本を読みながらリアクションをとっている。

感情移入ってやつか?

コンコン

ガチャ

ドアが開き、知り合いのリエが入って来た。

「何の用だ」

「新しい子が来たって聞いたから。その子が稀射ちゃん?」

「ああ」

稀射は、本を閉じて顔を上げた。

「私は、リエって言うの。よろしくね」

リエは、にっこりと愛想良く微笑んだ。

「……(コクコク)」

稀射は、頷く。

Re: 半天使【無言の小学生】 ( No.6 )
日時: 2011/07/08 08:08
名前: 王翔 (ID: aU0XF0c4)

第四話


あの女は、半悪魔だった。

まだ、俺たちを探しているんだろうか。

それならば、迂闊にうろつけない。

半悪魔……

人間と悪魔の間に生まれた子供だ。

それは恐ろしい力を持っている。

「帝雷」

「何だ」

クリオに声をかけられた。

またコイツか。

「悪魔退治、行かない?」

「悪魔退治とは?」

「例の半悪魔のことだよ。まだうろついているかも知れない。

だったら、危ないじゃないか。安心して外へも出られない。

だから、倒してしまえばいいんだよ」

「確かに、そうだが……」

「このままじゃ、稀射ちゃんを外に出してあげることも

できないよ」

「そう、だな」

俺は、できれば戦うのは避けたいのだが、こればかりは

仕方がない。






教会の外へ出ると、町外れの森の中に向かった。

「どうするんだ?」

「半悪魔は、半天使を狙ってるからね。半天使がうろうろ

してたら、きっと来るよ」

「そう言うものか?」

「そう言うものだよ。ほら、噂をすれば……」

そう言って、クリオが視線を向けた先にはあの女が立っていた。

「僕は、はじめましてかな。君の名前は?」

「私は……冷夏。悪魔名は、マモン」

「冷夏、ね。可愛い名前じゃないか」

クリオは、にこにこと笑う。

この状況で、よく笑える。

とんでもない奴だ。

「倒さなきゃ……半天使を」

冷夏が、斧を構える。

それとほぼ同時にクリオは、二丁拳銃を構えた。

「帝雷、援護頼んでいい?」

「ああ」

冷夏が斧で攻撃を仕掛ける前に、クリオは二丁拳銃から

炎を放った。

ゴオオオオオオオン!!

「炎……!?」

冷夏は、さっとかわした。

「ウリエルは、炎属性だよ」

「そう……」

続いて、冷夏が空中に斧わかざすと、斧は黒い光を纏い、

冷夏は地面を蹴り、宙を舞う。

ギガガガガ!

上から、黒い光が降り注ぐ。

一瞬で避けた。

冷夏は、一直線に急降下。

クリオに斧を振り下ろす。

ガッキイイイイン

クリオは、それを右の拳銃で受け止め、左の拳銃が冷夏に向かって

炎を引き出した。

「……っ!!」

冷夏がひるんだところに、俺は剣で左腕を斬りつけた。

続いて、クリオが拳銃から炎を放つ。

反撃の隙は一切与えない。

「さて、と。冷夏ちゃんだっけ?降参する」

「半天使は倒さなきゃ……」

「マモン……」

ふと、声が聞こえた。

そこには、透けた青年がいた。

恐らく、何らかの魔法による通信手段のようなものだろう。

「ルシファー……」

ルシファー?これがか?

「マモン、今日はもう十分だ。帰って来ていい」

「本当…?」

冷夏は、姿を消した。


「逃がした、ね」

「ああ……」

「帝雷、怪我の治療してくれる?」

「ああ」

俺は、クリオの傷口に手をかざし、その傷わ消し去った。

「流石は、癒しの天使だね」

クリオは、そう言って無邪気に笑う。

Re: 半天使【無言の小学生】 ( No.7 )
日時: 2011/07/08 11:33
名前: 王翔 (ID: aU0XF0c4)

第五話

いくら、半天使と言っても学校には通う。

今日から、平日なのだが……ある問題が浮上した。

稀射のことだ。

「……」

「稀射」

「……(フルフル)」

何が何でも学校に行くつもりはないらしい。

まあ、言葉を発しない稀射にとって、学校に行くのは苦痛でしか

ないのだろう。

どうするか……

コンコン

不意にドアがノックされ、扉が開いた。

入って来たのは、水奇だった。

「帝雷、お願いがあるんだけど」

「何だ」

「稀射を、一緒に学校に連れて行ってほしいの」

「しかし、稀射はあの調子で……」

「ううん、そうじゃなくて、稀射も高等部に連れて行って

ほしいの」

「は……?」

小学生を、高等部にだと?

いくらなんでも、無理だろう。

高等部は、小学生のお守りなど受け付けてはいない。

「大丈夫、許可は取ってあるから」

「……」

許可が下りるのか。

一体、どんな方法を使ったんだ?

「だから、稀射もいってらっしゃい。帝雷が一緒にいてくれる

からね」

「……(コクコク)」

いいのか……





そんなわけで、稀射を連れて学校に行くことになった。

「稀射ちゃん、頑張ろうね」

クリオがにこにこと稀射に声をかける。

「……(コクコク)」

「黙りなさい、ロリコン」

リエがクリオにそう言った。

小学生に話かけただけで、ロリコンなのか?






昼休み、

昼食を終えた俺は、稀射を連れて廊下を歩いていた。

「図書室でも行くか」

「……(コクコク)」

本を読むのが好きらしい稀射は、あっさりと頷く。

図書室に入る。

とりあえず、本を見ていた。

その時、ある少年に声をかけられた。

「お、小学生か?」

「……」

「悪い悪い。自己紹介、だよな。俺は、飛与田 叶斗。

図書委員なんだ」

「俺は、帝雷。こっちは、稀射」

「へえ…帝雷に稀射か。稀射ちゃん可愛いなー。大きくなったら

俺のお嫁さんにならない?」

叶斗は、稀射の頭を撫でながらそう言った。

「……(フルフル)」

即答だった。

Re: 半天使【無言の小学生】 ( No.8 )
日時: 2011/07/08 17:42
名前: 王翔 (ID: xx3C5VTW)

第六話


その日も、稀射を連れて図書室に来ていた。

稀射は、黙々と本を読んでいた。

「なあ、アスモデウスって知ってるか?」

「は……」

叶斗の突然の言葉に、固まった。

「……(フルフル)」

稀射は、知らないらしい。

「七大悪魔の一人だよ。確か、色欲を司る悪魔だったな」

「なるほど…」

「……(コクコク)」

とりあえず、頷いておく。

「あと、天使の長、ミカエルとルシファーが双子なのは知ってるか?」

「いや…」

「……(フルフル)」

双子…か。

「それで、さらにルシファーは天使の長だった。けど、神に反逆した。」

「そうか」

堕天使か…

しかし、なぜこんな話を?

Re: 半天使【無言の小学生】 ( No.9 )
日時: 2011/07/08 18:59
名前: 王翔 (ID: aSgrsNVF)

第七話

今日は、稀射は学校に行かないらしい。

まあ、高校生ってわけじゃないからな。

「稀射」

俺は、本を読んでいる稀射に声をかけた。

「行って来る」

「……(コクコク)」

稀射は、頷くと手を振って見送ってくれた。



俺は、図書室で叶斗にある質問をした。

「なぜ昨日、悪魔の話を?」

「ああ、俺も悪魔がからさ」

「!」

ドスッ

反応が間に合わず、叶斗の槍が腕に刺さった。

「く……!」

俺は、剣を取り出し、叶斗目掛けて炎の斬撃を放った。

ゴオオ

「残念だよな。仲良くなれると思ったのに……」

「嘘を言うな」

「ホントだよ」

キン

叶斗の槍を、剣で止める。

「そう言えば、お前って自分の傷は治せないんだろ?」

「…それが、どうしたっ!」

「いや、何も」

しかし、どうする?

できれば、戦いは避けたい。

アスモデウスの弱点……

あれだ。

「叶斗、お前の役目は、他の悪魔から女の子を守ることじゃない

のか…?」

「え……」

これで、いいのか……?

叶斗は、槍を下ろした。

「そう、だよな。それが俺の役目だよな!ありがとな、帝雷!

俺、わかったよ…」

「あ、ああ……うん、いいんじゃないか?」

これで、いいんだよな……?


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