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Sick
日時: 2011/07/12 17:28
名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
参照: 読み方はニューロン。 脳細胞って意味です

この物語は、気まぐれが主成分を占めています
簡単に言ってしまえば、駄作という事です


序章
>>1

一章 黒白と書いて男女と読む
>>2§>>5

Page:1



Re: Sick ( No.1 )
日時: 2011/07/12 11:51
名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)

 どういうわけか、世界には人間の説明のつかないものや、現象が多々発生する。 UFOだとか、呪いだとか、魔法とか、まあ色々と。
 科学者は、科学で片をつけたがる。 なぜって、それはそいつらが科学を神と崇拝しているからさ。
 オカルトや、呪術師、宗教崇拝者は、呪いや神の御告げとして片をつけたがる。 なぜって、それはそいつらが神だの呪いだのを崇拝しているからさ。
 かく言う俺は、特にどっちも信じているわけじゃない。 それに、俺のこれは病気だ。
 能力の発現が伴う病気。 それが、俺の患った忌々しい呪い的病だ。

Re: Sick ( No.2 )
日時: 2011/07/12 15:40
名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)

病名、Ability Sick 。 これが、俺の病。
 そして、もう少し詳しくその病気のことを言うと、その病気はその名の通り、能力を発現する奇病だ。
 治療は未だ出来ていない。 そのくせ、この病気自体は100年以上も昔からあるというのには驚きだ。 何故、100年間もの間、治療が出来ていないのか。 疑問に思うかもしれない。 だが、治療法は見つかっている。 そして、治療が出来ない。
 治療方法はいたって簡単。 能力を酷使し、副作用を恐れることなく不死鳥の元にたどり着けばいい。
 この病で発現する力には、副作用がある。 そして、発現する力は二つ。
 意思に対応し、自分の意思で発動する思想発動。 それと、もうひとつ。
 意思とは無関係に、思想発動の能力を使うと勝手に発現する、副作用の二つの力。 そして、その副作用は人によっては副作用で無い場合も多い。
 故に、副作用と呼ぶ奴も居れば、二段階発動という奴も居る。
 そんな俺の発現した力は、中々攻撃的な力で、国から発動規制が掛けられている代物。 黒い雷電を操るというものだ。
 その威力は、スタンガンをはるかに凌駕するが、それだけのエネルギーがどこから抽出されているのかと聞かれれば、俺は分からないと言うほかないだろう。
 「検査終わりましたよ、現状はレベルⅡ、末期ですね」
 最悪の言葉が、今まさに俺に投げかけられたところだ。
 この病気は、レベルⅠからⅩまでに分けられる。 そして、そのレベルが小さくなれば成程、その能力の性能が上がる。 そして、副作用に発動される能力の発動時間も長くなる。
 そして、俺の副作用は元々長時間発動されるもので、末期を迎えた俺が副作用を起こせば、その副作用の発動時間は嫌に長いものになるという事だ。 ただ、副作用が攻撃的ではないという面では、喜ぶべきかも知れない。
 「副作用、どれくらいですか?」
 検査台の上から降りると、真っ先に口をついてその言葉が飛び出す。 今まで、能力を発動した事はあまり無いが、寝ながら無意識に一瞬の発動で半日副作用が出続けた事もある。
 「そうですね、一分で一日か、二日だとおもわれます。 ただ、実際に計測しない限りは不確定で……」
 「そう……ですか」
 確かに、この病には個人差がある。 そして、人類の六人に一人がこの病に罹っている。 つまり、今の総人口は約60億人。 つまり、10億人がこの病に罹っている計算になる。 そして、その病によって発現する能力は、同じにはならない。 双子で、同じ力の発現は有り得る。 双子でもない二人や、三人が全く同じ能力を発現したという例は無い。
 恐らくは、遺伝子によって違うのだろう。
 病院の受付に行って診察料を払うと、俺は外へと出た。 建物に閉ざされ視界は狭く、車道があって、歩道があって、街路樹が植えてあって、今は28世紀だと言うのにその景色は22世紀から変わってはいない。
 変わったとされている面は、建造物の構造や、宇宙旅行などが出来るようになったところだけだろう。 相変わらず、国は幾つも存在し、戦争もあれば貧困もある。
 21世紀から進歩していないと、最近はテレビでよく聞く。 だが、俺にはそんな事はさっぱりだ。 実際、21世紀からずっと生きてきたわけでもなければ、21世紀の町並みや生活を知っているわけではない。
 「昼、どうすっかな」
 その言葉とともに腕時計に目が行く。 時針が午後二時を指している。分針を見れば、もう二十分も無く三時になるという事も理解できると思う。 昼は、今日も抜きだな。 それか、帰ってカップ麺にでもするか……。
 そんな不健康な思考だから、こんな変な病気に罹るのか。
 そんな事を考えながら、道路を渡ろうと信号を待つ。 そして、その時だった。 車が一瞬途絶えた道路の真ん中に……黒猫が子猫をくわえ渡ろうとするが、子猫が車のエンジン音におびえ、暴れ、それを追いかける母猫と子猫が道路の真ん中を右往左往しているのだ。
 非常に、喜ばしくない状態。 そして、車が走ってきている。 運よく車体の下を猫が潜ればいいが、明らかにそこはタイヤが通るであろう場所。
 周りの人は、全員が気付いている。
 けれど、「たかが猫」なのだろう。 死んでも自分が困るわけでもなければ、死んだからといって自分に被害があるわけではない。
 ただ、猫が死んだという結果だけが残る。 つまり、そこに居た人間は自分が可愛いのだ。
 一人の小さな子供が、猫を指差し、
 「ママ、ネコさん車にひかれちゃう」
 そんなことを言うが、母親は子供が猫の元へ走っていかないように、その手を強く握る。 そんな中、俺の思考を無視し、俺の体は行動に移っていた。
 猫が車に轢かれる直前、黒い閃光が、車のタイヤスレスレを駆け抜ける。 さっきまで俺の居た対向車線に、俺と、猫の姿。
 逃げるか見ていたが、逃げなかったための止む終えない能力の発動だ。
 「……やっちまった」

Re: Sick ( No.3 )
日時: 2011/07/12 17:11
名前: 前城刹那 ◆cSsNy1w6Kk (ID: iCAwesM8)

世界観が面白いですね(‾O‾)

読んでいると、引き込まれます!

Re: Sick ( No.4 )
日時: 2011/07/12 17:25
名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)

ありがとうございます^^
世界観は、ぶっちゃけ言ってしまうと
テキトーです(`・ω・´)キリッ((

後になると恐らくは主人公の副作用についていけなくなる可能性大です(笑)
私の自己満足で申し訳ない……

Re: Sick ( No.5 )
日時: 2011/07/12 20:48
名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
参照: 遭うは表現で間違いではありません

そう、やっちまった。 この能力の発動のおかげで、俺は体から煙を噴出す。 そしてその煙が晴れると、そこに猫を助けた黒髪短髪の青年の姿は無く、代わりに踵まであるような地をすりそうな銀髪の、女が、猫を抱えて立っていた。
 そう、“副作用”だ。 紹介しましょう、俺の忌々しい副作用。
 力を使うと、女の子になる。 おかげさまで、女の子助けた事もあったけど、デートに誘うとか、そんな青春を謳歌するような事は出来た例が無い。
 周囲の視線が、とても痛い。 それもそのはず、服装の変化は当然無い。
 男物のだぼだぼの服を着た女が、今しがた青年の助けた猫を抱えているとあれば不自然極まりない。
 どこから沸いたのか、と考えれば直ぐに、その女がさっきの青年だったという結果にたどり着くことだろう。
 あの青年が、女になったと。
 「うえ、早すぎるだろ……。 副作用」
 その呟きと同時、ピピピと笛の音が耳に入る。 能力者の能力の発動は、特定の状況下で無ければ認められていない。
 つまりは、それを目撃した警察官が俺を捕らえに来た、と言うわけだ。
 直ぐ近くにパトカーを停車し、
 「街中での能能力の発動が、違法であると知っていますか、お嬢さん」
 お嬢さんじゃ、ねえ。 それに、能力の発動見ていたんだったら俺が男だってことも知っているはずだ。 それを知っていての嫌がらせか?
 つーか、毎度毎度俺の事捕まえてくれる警察官だし。 何だっけな、名前。
 「えーと、どちら様でしたっけ?」
 「酷いですね、これで二十回は注意したはずですが?」
 ああ、そうだ。 この伊達めがねの警察官。 名前が確か、樋宮 香登(ひのみや かがと)。
 この男、見れば見るほど、警察官とはかけ離れた姿で。 ピアスは通常装備。 ペンダントやブレスレットも遭うたびに増えていっている。 最近は、どうやら指輪に手を出し始めたのか、指の関節までびっしりと指輪が覆っていた。
 何で、こんな奴が警察の試験に合格したのやら。 この世の七不思議の八つ目の不思議として登録してもらいたいくらいだ。
 「一々数えてられるお前がスゲエよ。 俺はお前の名前覚えてないっての」
 本音爆発。 彼はショックを受けたような表情で、しっかりと俺の手に手錠をかける。 やる事はやるんだよな、このチャラ男。
 仕事熱心なのはいいけど、能力使用を違反した覚えは無い。
 「手錠するの待てよ。 能力は確かに使ったけど、使用制限には引っかかってないだろ。 ほら、猫助けたし」
 腕に抱きかかえた猫を見せるが、彼は無言でパトカーに俺を押し込んだ。
 チョット待てよ、話聞けって。 
 「一応、ムショ送りにはしねーから。 使用時の状況は警察としても把握しとかにゃならんのよ」


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