ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 永久の刹那
- 日時: 2011/07/15 23:08
- 名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
- 参照: 知る人ぞ知る悪評の塊! 元ネオンなるものです、久々に改名してみました
まー、そんな奇妙な題名で
一時期、私批判のあまりの鬱陶しさにうんざりして執筆意欲失せていたネオンなるものです
今の読み方はニューロン。 脳細胞です
本物か偽者かはトリップ判断でお願いします
この駄小説は初心忘れるべからずというやつでして
私の中では見覚えのある懐かしいキャラクターが多用される予定です
序章
〆>>1〆
第一章 第一印象は最悪
〆>>2
Page:1
- Re: 永久の刹那 ( No.1 )
- 日時: 2011/07/13 12:12
- 名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
退屈だ。 それだけであればまだいい。
孤独だ。 それだけであればまだいい。
不老だ。 それだけであればまだいい。
不死だ。 ……最悪だ、今まで挙げた事柄全てを引き寄せる。
不死鳥は、家族が居ない。 結婚しようと、相手はすぐ老いて死ぬ。
不死鳥からすれば、永久の中の刹那。 同じだけ、寿命を持った存在など神くらいだ。
最悪だ。 神は不死鳥を鳥かごに閉じ込める。
神の命令という名の呪縛の下に不死鳥は監禁される。 だが実際、畏れている。
彼女の体を軸に、無数の書物が衛星の如く飛び回る。
彼女の死んだような瞳に映るのは、何十種、数千の文字列。 死んだようなその瞳で、書物を読み漁る。
言葉を忘れたように、彼女は一言たりとも言葉を発する様子が無く、ただただ自分の周りを回る書物を次々と読み続ける。
読んだものは棚に戻され、棚ひとつを数秒で読み終わり、別の棚へ。
彼女の世界は、見渡す限り、地平線の彼方まで本棚が列を作っている。 真っ白い世界。
そこに居るのは、彼女一人。 と、もう一人。
「久しぶりだな、フェネクス。 助けに……来てやった」
紫がかった黒髪の男が……その真紅の瞳を見開いて彼女に歩み寄る。
彼は天使か、はたまた悪魔か、死神か……。
- Re: 永久の刹那 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/15 23:07
- 名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
……きろ。 ……おきろ……。
「起きろ! レム!」
黒板に向かっているめがね親父の放つチョークが、机に突っ伏して寝ている少女の脳天にぶち当たる。
彼女は痛そうに被弾した箇所をさすりながら欠伸と共に顔を起こす。
「……なんですか、センセー……。 テストはいつも点取ってるじゃないですか。 何か問題でも」
授業態度最悪。 教師からしてみれば嫌な生徒ナンバーワン。
第一魔術学園『バエル』の特待生、レムと呼ばれる名無し少女はいつもの如く面倒くさそうに教師の顔を注視する。
その視線は徐々に上に上がり、
「センセ、カツラずれてますよ」
その一言にたどり着く。
明らかにその口調は、皮肉交じりの嫌がらせ。 興味も無い相手と話す価値は無いといわんばかりに、彼女は窓から外を眺める。 雲ひとつ無い、快晴。
彼女には、両親が居ない。 物心ついたとき、既に一人きりだった。
記憶が飛んだのか、それとも覚えていないだけなのか。 何歳のときに物心がついたのか、そんな事も完全に覚えていない。
ただ、一言。
『死の足音が聞こえる。 私はもう直ぐ、死ねるのかな?』
その一言だけ、覚えている。
誰の言葉なのか、ただの夢なのか。 いつ聞いたものなのかも一切覚えていない。 今のところ有力な説は夢の中。
嫌によく覚えている。
「おのれ……貴様ァ……!」
彼女の一言に、血管を引く突かせながら教師が切れる。 だが、彼女の前には教師、生徒の関係など一切関係ない。 何故なら、彼女の方が明らかに知恵を持ち、数多の上級魔術を欠伸をしながら操る。
いわゆる、天才児という人種だったからだ。 そして、その魔術も、一体いつどこで学んだものなのか、それすらハッキリせず、彼女自身、使いたがらないという節もある。
レムにめがね親父が飛びかかろうとしたとき、教室の戸がノックされる。
「……校長!」
めがね親父が、慌てたように黒板に向かう。
底に立っていたのは、黒髪の青年。 なんと、この姿でこの学校の校長だ。
噂によれば、外見は十代だが、実際の年齢は二十代らしい。 が、実際そんな事に興味はわかない。
それよりも、クラスメートの目を引いたのは、その横。 地面を擦りそうな、金髪の、可愛らしい少女。
仏頂面で、校長の横に立っていた彼女は、黒板の文字を指の一振りで消し去ると、チョークを握り、名前を書き始める。
“アリソン・F・セイファート”
名前から見て恐らくは、スペイン人。 だが、このご時世にそんな人種など一切関係なかった。
「今日からこの学校に通う事になった。 アリソンだ、気安く話しかけてくれるなよ」
第一印象、仏頂面。 一言目、喧嘩口調。
彼女に対するクラスメートのイメージは、この上なく悪いものだった
そして、彼女の発言はとどまることを知らず、今度はその長い髪の毛の束をあさると、中から羽の生えたモルモットにも見えなくはない長い尻尾の紅龍を手に取ると、
「それと、こっちは龍のミゲル。 私以外には絶対に懐く事はない、そこでカバンを漁って煮干を取り出した女。 そっちで魚肉ソーセージを剥いてる男。 無駄な事はするな、ミゲルは魚介類が嫌いなんだ。 魚与えた日には、手がつけられなくなるほど暴れるからな。 素人考えで龍と仲良くなろうと奇妙な事はするなよ。 以上だ、席はどこに座ればいい?」
- Re: 永久の刹那 ( No.3 )
- 日時: 2011/07/17 11:15
- 名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
彼女は指定された席に座り、授業を再開。
メガネのズラ先生も、どうやら彼女が気に入らないらしく
「アリソン、ここ解いてみろ」
まだ授業でさわりをやったばかりの魔術科目の、実技を振る。
レムは既に出きる物だが、彼女には難しすぎる代物だろう。 そんな事を考えていたときだった。
供託に載せられた紙切れ一枚を手に取ると、折り目をつけて、捻って、花を作ってみせた。
そして……その紙でできた花を、突如炎が包む。 炎が消えると、彼女の手にあった紙の花は燃え尽き、かわりに本物の薔薇があった。
「変換系統の魔術。 それも、初歩的で欠伸が出るような問題しか出さないのか……。 退化したものだな」
彼女の一言が、ズラをキレさせた。
「ほほう、貴様生徒の分際で教師に逆らったらどうなるか……身をもって知れ!」
ズラ親父は、その掌から炎を伴った爆発を起こすが、爆炎は何かに吸い込まれるようにして消えた。 そして……
「花火は地上ではなく、空で咲かすものだろう?」
彼女の一言と共に、ズラ親父の姿は消えた。 跡形もなく、そして、その居場所が割れるのに時間は掛からなかった。
外での爆発音。 そして、校庭に仰向けで気絶しているズラ親父。
「私に手を上げるとはいい度胸だ。 身の程を知れ」
結局、授業はそこで終了した。 もちろん、授業が終わったからといって彼女に近づこうとする者など誰一人としていない。
もちろん、例外を除いて。
「へえ、中々スッとしたよ。 アリガト、あのズラ気に入らなかったんだよね」
もちろんの事、その例外はレムであり、アリソンの話など一切聞いておらず、気安く話しかける。
それをどうやら、快く思っていないらしく、
「私に気安く話しかけるな、と述べたはずだが?」
言葉による反発。 だが、
「気安くってどういうこと? 私は話しかけただけ出し、気安く話しかけるような人間じゃない。 君が反発しようとも、私は……」
その言葉の最中だった。 青白い閃光が、レムの真横を通過し、アリソンの顔面に直撃する。
……洗礼か!
「やあ、お久しぶりだことで。 生徒狩りの馬鹿生徒、今日は何の用?」
レムが、群れの真ん中に立つ男に面と向かって言い放つ。
だが、その男はせせら笑うように、
「生意気な奴が編入してきたらしい、誰が王か教えに来た」
「はい、そこまで。 王だって? 笑わせるな、その程度のレーザーが手から出せてはしゃいでる人間に、王は務まるまい」
その男の真後ろの取り巻きが、地面に突っ伏しうなり声を上げる。
その現況はもちろん、今しがた顔面にレーザーを喰らった筈の彼女であり、その顔には傷跡ひとつなく、あと一人を捻じ伏せようと頭を握っていた。
- Re: 永久の刹那 ( No.4 )
- 日時: 2011/07/19 14:37
- 名前: Neuron ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
「誰が王なのさ、動見たって天パのイカレ野郎にしか見えない」
その言葉と同時。 彼女は彼の頭を握った手で、その細い腕のどこからそんな力を搾り出したのか、つかんだまま振り回すと、廊下の端へと投げ飛ばす!
そして、手を払うと呆れたような視線でレムを直視し、
「あのさ、厄介ごと嫌いなんだよね。 失せろよ」
言い放つ。
もちろんな事、彼女に『悪意』は無い。 ただ、本音がそのまま、喉で加工されずに出てくるのだ。 つまりは、オブラートに包んでいないという事。
喧嘩腰に見えるだけで、彼女は喧嘩を売っているつもりなど無い事は明らか。 だが、どうしても喧嘩腰に見えて仕方が無い。
「失せろって? ヤだよ、失せる理由はなければ、君に命令される筋合いも無い」
「じゃあ、逆に言おうか。 私に話しかける理由も無ければ、君は私に接する理由は無い。 ほら、どこか行け。 私は……人との話し方を知らない。 長い事……一人で居た。 ほら、私が君と喋る理由は無くなった、消え失せろ」
一時中断
Page:1
この掲示板は過去ログ化されています。