ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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 真ッ朱ナ苺。
日時: 2011/07/18 13:38
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)



昔から僕はみんなから苛まれていた—
何故かは良く分からなかった—
そして、僕はとある神様から一言言われた

「お前は、私の子だ。苺野原・・・」

復讐の神として、崇められて僕は今でも誰かの『復讐』を手伝っている
親のことなど忘れて、小さな恋のことなど忘れて・・・—


ぐーてんあーべん。夢の世界へようこそ・・・と言いたいところですが、はじめましてヴィオラと申します。前に何度もシリアスをやっていますが、ネタ切れになるなどgdgdかもしれませんが色々とよろしくお願いします!
一応掲示板の常識的ルールはお守りください

夢に迷った皆様(・ω|


ダンケシェーン(^−^)


《主な登場人物》


「さて・・・奈落へ還れ、悪の魂よ・・・。」

・苺野原(いちごのはら) ♀
『苺屋』を経営している、通称『シニガミサマ』と言われていて頼めば誰でも奈落のそこへと落としてしまうらしいが・・・。
死を司るハーデスの娘であるが幼い頃は地上で拾われて12歳まで人間の大人たちに育てられたが13のころにハーデスに神の娘であることを聞かされてから『苺屋』を経営するようになった。一人称は『僕』、謎っ子で頭がよくて感情をあまり表には出さない。ちょっと不器用で人見知り


「あぁ、それも人生なのさ。仕方あるまい・・・」

・桜六(おうむ) ♂
苺野原の使い魔である黒い鴉、人間になることが出来て悪の魂を罰することを仕事としている。
普段は鴉の姿だが人間のときでも悪戯が大好きで子供っぽいが一応イケメン面していて(苺野原は全くイケメンに興味はない)右肩に桜の刺青が入っている、からす座の生まれ変わりでもある。一人称は『俺』、かなりの魔力を持ち合わせていて炎・木・闇・水・土全てのパワーを持っている


「私におまかせくださいっ、苺野原様は早くお逃げくださいまし・・・!」

・柴蒼(しそう) ♀
『苺屋』で苺野原の下で働く悪魔の少女で人形に化けることも出来る、通称『操り少女』といわれていて悪の魂を罰することを仕事としている。
苺野原のことを尊敬しておりいつも人形のように大人しくているが一応可愛い顔をしていて左肩に紫の痣のようになっている小さな水玉の刺青が入っている、おとめ座の生まれ変わりでもあるが悪魔として生きていくことにしているようだ。一人称は『私(ワタクシ)』、あまり強い魔力を持っておらず主に炎のパワーを持っている

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Re:  真ッ朱ナ苺。 ( No.1 )
日時: 2011/07/18 13:52
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)



《第一章 妬いて、妬かれて、》


「・・・ねぇねぇ、『シニガミサマ』って何?」

「あのね、誰でも頼めば奈落に落とすんだってー。」

「マジー?嘘でしょ?都市伝説たくさんあるじゃん」

私は白咲 冬子、高校生になったばっかりだけどクラスメートはとっても優しいし部活も楽しいよ!

もう少しで夏休みになるから林檎と鈴子と一緒にお祭りに行こうと思ったけど・・・

私が一目ぼれしちゃったクラスメートの青葉君も連れて行くことになったから何だか楽しみなんだ。


「ねぇ、冬子って青葉君のこと好きなの?」

「そんなことないよー。林檎はどう思っているのー?」

「そうだよねー、だってアタシさー、青葉君のこと実は好きなの・・・」

嘘・・・

そう思ったとたんに私は何も言えなくなったけれど表情に出さないようにとニコニコしながら私はすぐにトイレに駆け込んだ・・・
どうしようかと思ったけれどもやっぱり青葉君はカッコいいしきっと人気者だと思うと私みたいな人はきっと駄目なのかもしれないと思った。

そこで私はお祭りのときに玉砕覚悟で告白することにしようということを思いついてどうにか元気付けた。なんだか夏休みが楽しみだなー♪


—当日

「あ、冬子!遅いよー、もう青葉君も来ているからねー」

「白咲さん、浴衣似合っているね」

「あ、ありがと・・・」

「何照れてんのー、冬子ー^^ほら、行くよっ」


凄く嬉しいなー・・・

でも何だか林檎が一瞬私を睨んだような気がした、何だか怖いとも思ったけれど鈴子はいつも通り優しかったし青葉君も何だか浴衣姿がカッコいいなとか思いながらも時間はあっという間に過ぎた。

「あ、そろそろ帰らないとさすがに親に怒られるから帰るねー」

「10時だし、ナンパ来るかもよ?私たちも帰ろう」


そろそろ店も閉まってきたので私たちは一緒に帰ることになった

そして私と青葉君、鈴子と林檎に途中でわかれて帰ることになったけど・・・何だか緊張するなぁ・・・今なら林檎もいないし大丈夫かな?


「あのさ、青葉君・・・私、あの・・・好きなの、青葉君のことが。
この気持ちだけ分かってくれればいいから・・・うん、別に付き合わなくても・・・」

「あ、ぼ、僕も一目ぼれしちゃって・・・好きなんだ。良かった、一緒の気持ちで」

良かった・・・
タイミングよく告白出来たから安心して笑うと青葉君は私の家まで送ってくれた、何だか今日は嬉しいことばかりだなと思いながらまだまだ続く夏休みを楽しく過ごそうと思った。

そして夏休みが終わってすぐに私の二人の友達はおかしくなっていった


—9月


「林檎!鈴子!おはよう^^」

「近寄らないでっ!アンタのせいで、林檎が悲しい思いしてるんだよ・・・!」

「・・・え?」

まさかと思った・・・
青葉君に林檎も告白して断られちゃったんだと聴いてから私はもう何もいえなかった・・・

すでに友情のひび割れたような小さな音が私の心に響いていた、そしてモヤモヤしたような関係のまま私たちは2年生へと進級していった。

そして2年生になってから二人以外のクラスメートとの関係までもおかしくなっていたことに気がついた・・・、へんな噂が流れてはばかにされて蔑まれていたことに何だか青葉君も思いやってくれていたが急に林檎が学校を休み始めたことによって私はあまりにも酷い噂を流された


『調子に乗って林檎に暴力を振った、全治三ヶ月。腕や足の骨も折れている』

もちろん教師は何も言わずにいつも通り授業を続けて私については何も言わなかったし私ももうすぐ大人になると思えば誰にも頼れないということだけは覚悟していた、そして私の噂はあまり私のことを知らない教師たちや他のクラスの人・・・

さらに他の学年にも伝わって私にはいつのまにか誰も味方が居なかった


「青葉君・・・」

「きっと俺が林檎を振ったからだよ・・・嫉妬っていうのかな?・・・

でも、酷すぎるよね。俺がどうにか先生に言っておこうか?」

「いい・・・もういいよ・・・

              私たち、別れよう」

「別れて何になるんだよ、もう噂だって広まっていて・・・

            俺達の事だけじゃなくなっているのに」

「・・・さよなら。」

涙が止まらない・・・
なんであんなこと言ってしまったんだろう・・・
怖くて怖くてもう誰も味方に出来ないと思ったときに一学期のときに聞いた『シニガミサマ』の話を思い出した、もしかすると・・・私にも来るのかもしれない。


「お願い・・・もう、こんなこと・・・やめさせて・・・」

神頼み・・・
偶像崇拝のようだけれどもやっぱりこれしかもうないと思ったときに私は急に意識を失っていた


「今回は恋愛関係だっけ?」

「はい、苺野原様・・・
そういえば依頼人は嫉妬というものが原因だったようで・・・

別れようと切り出して泣いていたときに 林檎 という人間がその近くの目立たない場所で『ざまぁみろ』といっていましたわ・・・

人の気持ちも知らずに・・・愚かですね・・・」

「人間の恋はどの時代も難しいようなものだよな〜」

「さて、依頼人を迎えるよ。

桜六はもう奈落のほうで準備をしておいたほうがいいと思うし・・・紫蒼は一緒に来て」

「へいへい、美人だといいんだけれどな・・・」

「分かりましたわ。奈落へと連れ込む準備をさせていただきます・・・」


                              続く

Re:  真ッ朱ナ苺。 ( No.2 )
日時: 2011/07/19 17:11
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)


その2.


「・・・て、起きて、あ・・・ようこそ、『苺屋』へ」

「あの・・・貴方がシニガミサマ?」

「まぁ・・・そうだね、本当は僕じゃなくて父さんがそうだけどさ
そうだ、君は林檎という女に嫉妬されて色々と酷い目に遭ったんだね。

分かるよ、僕もそんなことをされた身だからね・・・
さて、君が本当に彼女を恨むなら「奈落に落としてあげて・・・お願い」

急にそんなことを言ってしまったけれどシニガミサマは頷いてから歩いていくけれど私は何故か動けなかった、そしてまた意識が戻る寸前に小さくシニガミサマの声が聞こえた・・・。


「もう、平気だよ・・・?」

そして私はいつのまにか保健室で寝ていたようで貧血になっていたらしいがすぐに授業に戻れそうなので私が教室に戻ると・・・

教室の中がいつもはざわめいているのに今日だけは何故か静まっていることに不安を感じながら私は扉を開けた、そこには・・・

優しくて温かいクラスメートの顔・・・鈴子の笑顔・・・
そして黒板に大きな文字で書かれた『ハッピーバースデー』に私は涙が止まらなかった


「おめでとう、冬子。」

「おめでとー!」

「・・・ありがとう^^」

「何泣いているのよー!ほら、もうホームルームも終わっているんだからー、カラオケでも行こう!」

「うん・・・ありがとう、みんな。」


—奈落の底


「・・・此処は・・・何処・・・みんなは?」

「恋人たちの邪魔はするべきじゃなかったと思うな・・・俺は
あ、そうだ・・・お嬢さん、俺と遊ばない?

俺みたいなイケメンは滅多にいないぜ」

「何言っているのよ・・・私は・・・青葉君だけを愛していたの。

誰よりも・・・気持ち悪い冬子はただのお邪魔虫よ」

急に全ての明かりがついたときにイケメンともいえるような少年と数羽の鴉がこっちを向いてからいつのまにか林檎の体には紐が縛り付けられていた・・・

そして少年はすぐにその暗闇だった場所から少し高く上がったところへ行って指を鳴らすと鴉は炎へと形が変わっていき、林檎は慌てたが逃げることさえも出来ずにただ叫ぶばかりだった。


「やめてっ、やめてよっ!何でこんなことするの!?」

「お前が妬いたなら・・・焼かれてしまえばいいんだよっ」

「お願い・・・赦して・・・冬子・・・

ごめんなさいっ・・・!」

「赦すわけ・・・ないのにね・・・
こっちはかなり傷ついたんだよ!えぇ?そんな気持ちも分からずに謝る!?は?

・・・どうせ私の気持ちは永遠に届かないのよ。

それなら考える時間をあげる、すごく長いと思うけどっ・・・」

目の前には黒いローブを身にまとった冬子が炎の被害は全くないような感じで出てきて林檎に小さな鉄の塊を渡した瞬間に冬子の姿はなくなって林檎は手からだんだんと骨の部分ごと融けていくのを感じた、しかし塊をどうすることも出来ずに断末魔のような叫び声とともに蒸発したように消えていった。


「さぁ・・・
      悪の魂よ、奈落へと焼き付けろ。」

「奈落の底へ落ちてゆけ・・・

              永遠に。」

そして彼女は永遠ともいえるであろう奈落へと魂を沈ませていったのである・・・


「・・・さて、苺野原。今回の代償はどうするんだ?」

「そうだね、彼女はちょっと共通点がありそうだから・・・

恋人の記憶から彼女の記憶を消してあげよう。それが何だかいい気がする」

「苺野原様、恋というのは不思議ですね・・・」

「うん・・・
嫉妬はとっても怖いんだよ、まぁ女の子が少しそこらへんについて怖いって言うのも原因だけどね」

「人間は怖いのですね・・・

全てを無理に変えるためになんでもするのですから」


誰かの恋焦がれる唄が聞こえてくる。

「一番彼を愛していたのは私なんだから・・・
               私なんだから・・・」

「ある意味、間違っていたのかもね・・・

こんな風に林檎も幸せになってほしかったのに・・・」


—数日後


「青葉君、久しぶり!」

「は?お前誰?」

「何言っているの!?
    私の彼氏・・・だよね?」

「何?・・・お前、どっかおかしいんじゃないのか?

俺の彼女は・・・
        昨日行方不明になった林檎なんだよ!

お前なんかじゃねえよっ、付いてくるな!!」

青葉君はおかしくなっていた

私との記憶がなくなって私が声をかけても『誰?』とか『ついてくるな』とかそんなことばかり言ってくる、私は青葉君が記憶をなくしたんじゃないかとかそういうのじゃなくて『別れよう』と言ってしまったことについて本気で受け止めてしまったのかと思えたのであまり気にはしなかった。

友達とは仲良くなれたし恋愛だってもう一度やり直せばきっと良い出会いが待っているはずだと思って私は楽しい学校生活を送ろうと思った、けれども私が唯一つ不思議に思えたことは・・・

林檎の彼氏だという記憶になっていること。

けれどもシニガミサマのおかげで一応毎日が楽しいよ—

               ありがとう、苺野原さん—


—『苺屋』

「あ、結構テンション低くないというか・・・

ションボリしていない感じがするね、あの子。
あの記憶がない子に色々言われたのに・・・」

「まぁ、いいんじゃね?今度が俺が運命の相手にでも「使い魔だよ?一応・・・

主人についていくって言ったの誰だっけ?」

「あー、はいはい。俺ですよ、俺!」

運命に逆らうことは出来ないが抗うことは出来る・・・

その人間の力によって彼女は『応酬』と呼ばれる一種の『目には目を、歯には歯を』というようなものを作り出すことが出来る、彼女の応酬は一応気分的なものだと思われているが軽いものはちゃんと軽かったりしたりする。


「さて・・・また、恋の嘆きの唄が聞こえるね。」

「苺野原様、恋は苦しくて何かを犠牲にするのですね・・・」

「うん、そうだね。感情的なものが入るとそうなってしまうのは、人間だからさ」


                              続く


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