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彼らの中心は歪んでいる
日時: 2011/07/21 19:27
名前: 綴 (ID: gxjlKxQ0)

神様

この愛は

間違っているでしょうか


その部屋はただ白かった
窓もない真っ白な壁紙の部屋。
あるのは、一つの扉と、大量のぬいぐるみだけ、
そしてその部屋にいるのは、
ふわふわとした髪の毛に細いリボンをつけた少女と
真っ黒な服を着た少年---十代後半だろうか---だった。
少年は口を開く。
「…帰らないんですか?」
少女は兎のぬいぐるみの腕を弄んでいた手を止め聞き返す。
「どこへ?何のために?」
「……」

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Re: 彼らの中心は歪んでいる ( No.1 )
日時: 2011/07/21 20:43
名前: 綴 (ID: gxjlKxQ0)

少年はため息を吐く。
「じゃあ、違うことを聞いてもいいですか?」
「どうぞ」
「……あなたは」
少年は目を伏せこう言った。
「なぜ『彼女』を好きになったのですか?」
この言葉に、少女はほんの少し悲しそうな顔をした。
「……好きなんて、甘っちょろいもんじゃないわよ」
少女は持ったままの兎のぬいぐるみを床に落とし、代わりに
腰のポケットから何か取り出し、ぎゅう、と握った、
少年からは、それが何なのか分からなかった。
「愛してるの」
少女はしっかりとした声で言う。
「愛してるのよ……わたし、サクラちゃんの事……」
---どこかで、ガラスの割れる音がした気がした。


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