ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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「Story」
日時: 2011/08/31 08:12
名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: jklXnNcU)
参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5553

初めまして、華京と申します。

今回はカキコの作家様、絵師様、詩人様を小説の中に出させていただき、その方々を作中で小説家、イラストレーターなどなどとして出させていただくということになります。

まだ参加してくださるという方々は参照からどうぞ!

応募したお方が設定した年齢によっては扱いが変わるかもしれませんが、ご了承ください。

参加してくださる方々(敬称略)
ZAKI(木之内 恵)
仁都(齋藤 愛瑠)
海音(伊藤 悠樹)
風(海江田 万里香)
秋桜(秋野 桜)
Neon(宇和野 空)
夕凪旋風(紅林 肇)
華世(黒宮 舞夢)
王翔(塚本 夏)
水瀬うらら(碓氷 沙姫)
夜兎(月見 兎)
紅蓮の流星(神崎 虚空)

詩人様方
月鈴(風宮 儚月)

絵師様方
紅炎(紅崎 佳代子)
江口駄(江口 咲奈)

◎目次◎
「プロローグ」>>1

Page:1



Re: 「Story」 ( No.1 )
日時: 2011/07/24 10:55
名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)

ある出会いを切欠に私は変わった。
それは今まで生きてきた自分の道を覆すほどの出来事。

蜘蛛の糸 —prologue—


生まれた時から何不自由なく生きてきた。

父親は幼い頃に蒸発したから、顔さえ覚えていない。
でも、暖かな手のぬくもりだけは覚えている。
母親はいつも仕事で忙しく、顔を合わせる時間は一週間に一時間あれば良い方だった。

小さい頃から感じていた距離——誰より一番身近な存在である筈の母親との距離は、いつも遠かった。

自分の母親は冷静沈着で隙の無い、非の打ち所も無い完璧な人だと子供心に尊敬していた。
子供の私から見ても彼女は氷のように冷たい美しさの持ち主だったと思う。

そのせいか、私には他の母親のように彼女から惜しみない愛情を注がれた記憶など殆ど無い。

それでも、母親が私に完璧を求めていたことはなんとなく分かっていたから、その期待に応えるために日々の努力を怠るようなことはしなかった。

勉強、運動、礼儀作法————数え上げればキリがない。

私の人生は母親によって既にレールを敷かれていた。
だけど、それを不幸と思った事もないし、今までの自分の人生に全く疑問を持たなかった。

そんな時に出会った一冊の本。

小学6年生の時に、私は一冊の本によって人生を変えられた。
それほど衝撃だった。
暇つぶしのため何気なく手に取った一冊の本から、私は目が離せなかった。

それは、自分の人生を自分の思うままに生きていく少年の物語。
中でも私が一番惹かれた部分はある一節。

「興味が無い、金も命も」
「ただ俺が楽しめれば、それでいい」

私は、ずっと自分の人生を楽しむことを忘れていた。
母親の言うとおりに過ごし、ただ笑顔を振りまき相手に失礼の無いように振舞う日々。

気がつけば、自分の笑顔が酷く作り物らしくなっている事に気がついた。
成長すればするほど感情が壊れていく自分。
ずっと必死でそれを食い止めていた私の心を、その本はあっさりと見破ってしまった。

何よりも求めていた、『楽』の感情を。




それから私が本に夢中になるのに時間はかからなかった。
本の素晴らしさに魅入られ、さまざまな情報が私を変えていく。

だけど、沢山の書物を目にした今でも、一番心深く残るのは最初に出会ったあの本。

「紫電スパイダー」

いつか、私も主人公の少年のように強くなれるのだろうか?










——初めて自分の人生に疑問を持ったのは、11の春。

——二度目の変化が訪れたのは、14の冬。





そして、自分の人生を決める婚約の席をすっぽかしたのは中学卒業後の春。



私は歩き出す————誰にも束縛されない自分だけの道を……

Re: 「Story」 ( No.2 )
日時: 2011/08/31 08:11
名前: 華京 (ID: jklXnNcU)

「ごめんなさい。佳代子さん。押しかけてしまって……」

私が下を向いてうつむくと、姉さんは穏やかに笑った。

「大丈夫やで! ウチは美樹ちゃんが独り立ちしよ思うて努力してくれたんがうれしいんやから」

この人は紅崎 佳代子さん。私のお母さんの妹さんだ。
つまり、私の叔母さんにあたる人だ。
だけど叔母さんと呼ぶにはあまりにも若いので(現役大学生なのだから当然だが)佳代子さん、と呼ばせてもらっている。

「ウチは親から支援してもろてるんやけど、それにこっそり美樹ちゃんの生活費も上乗せしとくわ」
「えっ……そんな、その、悪いですよ。アルバイトなりなんなりしてキチンと働きます!」

私が佳代子さんの言葉に慌て、働く事を言うと、佳代子さんは目を丸くした後私の頭を撫でた。

「美樹ちゃんはしっかりしてるし、義理堅い性格やから、そう言うとおもっとった。でもな、頼るのは『子供』の役目やで。それに、ウチももう『大人』やさかい、ガチかっこつけさせてくれや、な?」

この人にはかなわない。
いつも穏やかな笑みと説得力のある言葉で丸め込まれてしまう。
私は照れくさくなって、俯いて佳代子さんにお礼を言った。
沈黙。
そして、佳代子さんは私の顔を上げると、びし、と軽く私の額の頭をはたいた。
突然の事に私がびっくりしていると、佳代子さんはため息をついた。

「堅苦しいのは無しやで! これから暫く一緒に暮らすんやから、な? あ、敬語も無しで」

私は佳代子さんの言葉に困ったような、でもどこか心地良い奇妙な感覚が浮かんでくるのを感じた。
私は浮かんでくる笑みを抑えずに、元気良く「うん!」と言った。

「そうそう、そうしてもろた方がこっちも楽や」

佳代子さんは満足げな顔をした。そして、何かを言いかける。
と、そこで机の上におきっぱなしの佳代子さんのケータイがなった。
佳代子さんは慌ててそれを取って私に背を向け、ハイテンションで電話の向こうの相手に話しかけた。

「もしもし!? あの件大丈夫やったんか? よっしゃぁ! ほな、頼んだで! さっすがぁ!! 頼りになるなぁ、空は! んじゃ、また明日な!」

マシンガンのようにまくし立てると佳代子さんは電話を一方的に切った(ようだ)。
佳代子さんは私に向き直ると、笑顔で私の手をとった。

「明日から、宇和野 空って子が美樹ちゃんに勉強教えに来てくれるて!」

私は佳代子さんの言葉に驚いた。
高校は確かに行かないつもりだったが、家庭教師まがいの事をしてもらおうなんて思っていなかった。
それに、佳代子さんにそこまで迷惑をかけるわけにはいかない。

「私の為に、そんな……いいで」
「はい、敬語厳禁〜。それに、この場合断られる方が失礼なんやけど?」

佳代子さんにそういわれると、私はもう何も言い返せなかった。


拝啓。お父様。
これから、私と佳代子さんの新しい生活が始まります。

Re: 「Story」 ( No.3 )
日時: 2011/08/31 19:14
名前: ぐえn ◆epPn8q6vs6 (ID: K3bvumcI)

あばばばばばばば
か、佳代子がしょっぱなからいる

Re: 「Story」 ( No.4 )
日時: 2011/09/01 06:17
名前: 華京 (ID: jklXnNcU)

>>3
一応佳代子さんは主人公の叔母にあたります。
年はあまり離れてないのでお姉さん扱いですけどね!


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