ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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審判のお時間です。
日時: 2011/07/30 21:40
名前: 甘木 (ID: KjZyd1Q/)

どうも、甘木です。
今回はクリックありがとうございます<m(__)m>

え〜とすごいですよねwここにいっぱいかける人はw羨ましいです…それだけですハイ…。

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Re: 審判のお時間です。 ( No.1 )
日時: 2011/07/30 22:38
名前: 甘木 (ID: KjZyd1Q/)

「皆さ〜ん、審判のお時間ですよ〜。今日も元気いっぱい人類を化け物達の手から救い出しましょうね〜」
 そこは教会だった……マリア像すなわちイコンの前にある壇上に行儀悪く足を組んで座っている、黒い長髪で奇妙なデザインの仮面を付けた女が教会にすわっている数人の人間に言った。
「は〜い、もう何度も何度も人類を救ってくださった皆さんなら、全てわかってますよね〜。アラワレマスヨ〜今日も人類を滅ぼさんとする輩が」
 仮面の女がそういって指をパチンと鳴らすといたるところから携帯のメールの着信音が鳴る。
 俺はゆっくり携帯を開き、メールの内容を確認する。
 相変わらず奇奇怪怪な事を難なくやってのける女だ……指パッチンでメールを送信できるなんて便利な能力、俺にも少しおすそ分けしてほしいものだ。
 それとも、そのお前を変人たらしめるいかつい仮面を付けているからなせる技なのか? うん?
「ターゲットNO.4 不動法師」
 特徴: ちにかけ つおすぎ
 好きなもの: くぎょう 

「……てめぇ、どこの黒い球体気取りだ? 危なさすぎるだろうが!」
 俺はメールの内容を見るなり叫んだ、これじゃあまるっきりガ○ツじゃねえ……。
「いやねぇ、君たちもいつも通りの敵の情報じゃ飽きるだろうと思ってマンネリ化を防いでみたんだがね。まぁ正直ツッコミ待ちなとこもあったし正直ホッとしたよ、私達の様な弱者は作者の都合に振り回されて危険な目に会うんだ、作者もそれ相応のリスクを背負わなきゃダヨ。ジャンプの○魂しかりね」
 仮面女もとい「六部殺し」はそう言った。
「じゃあ、今回は小ネタにしちまったし。口で説明しちゃうね〜。不動法師は、まぁ君達の経験則からして察しがついてるかもしれないけど聖人で〜す、聖人と星人、くぷぷぷぷぷ」
「いや、星人と聖人をかけたのか何だか知らねえが全然うまくねえから!」
「あっそ、チェッ。石動君は私とそりが合いそうにないなぁ」
「合いたくないなむしろ、テメエはお笑いのおの字も知らねえセンスゼロの女だしな」
「ばかやろー! お笑いのセンスゼロって言った奴がセンスゼロなんだぞ!」
「……何でもいいから早く敵の説明をしろ」
 俺の隣に座っていたゴツイ体つきで二メートル強の大男のデカードが言った。
「そうだよね〜、デカード君の言うとおりだよ。全く私の言う事にいっつもいっつもツッコンできて……はっ! もしかして私の事が好きなの?」
「んな訳あるか!」
「あっ、だよね〜。じゃあ四番目のターゲット【不動法師】について説明するよん。彼はね〜断食、十字架刑、スーフィズム、ベタなところで滝行やらエトセトラエトセトラ。古今東西ありとあらゆる苦行を1000年もその身に積んだ、超絶ドМだよ。1000年も苦行した甲斐あってかお陰さまで彼は偽りの救世主の力を手に入れちゃったんだね〜」
「せ……せんねん?」
「そう、正確には1016年と6ヶ月と21日。そうだな〜当時、人間達がやれ平氏だ源氏だと騒いでた時期だね。彼はただひたすら仏に祈りをささげた「一切衆生の魂の救済」をなにとぞなにとぞってね、いかにもイカ臭いテーマだよね〜。彼の願いが叶うか否かは君達の働きによって決まっちゃいます。ラスボスのデウス・エクス・マキナ【機械仕掛けの神】に勝つその日を夢見て。今日も己の野望のために世界を救おうとする、いたいけな救世主をのしてやってくださいね〜、以上解散!」
 【六部殺し】は手をヒラヒラと振る。
 俺達は全員【六部殺し】の号令で立ち上がる。
「ひゃははははははは!!!!! ぶっ壊してやるぜ今日も!!!!」
「皆殺しだ……虐殺だ!!! 戦争だ!!! ぶひゃは! 内臓を抉りだしてミンチにしてやる! 四肢を俺の力でバラバラにしてやる!! 邪魔する奴もだ! 邪魔する奴は全員ミートパテだ!!!!」
 教会では絶対に聞く事はないだろうと思える血生臭いセリフと雄叫びが上がる、全くこの茶番はいつになったら終わるのかていうか……主人公の俺の名が明かされないまま一話目が終わりそうになっているのはどういう了見だ? まっ、いいか。
 俺は嘆息し血気盛んな魑魅魍魎どもと教会を出る、教会の外を出るとみすぼらしい平原が見えた。

Re: 審判のお時間です。 ( No.2 )
日時: 2011/07/31 15:56
名前: 甘木 (ID: KjZyd1Q/)

 教会の外を出ると、そこは入った場所廃れたゴーストタウンではなく、どこかの平原だった、それもゴーストタウンとさして変わらねえさびしい場所。
 月が不気味なほど大きく、星が瞬いている、冷たい風で草原が踊る。 そこにポツンとヨボヨボのじじいが何か経のようにブツブツと何か言ってるのが風に乗って聞こえているが姿は見えねえ。
「まったく絵に描いた様なグレートプレーンズだなここは。カラミティ・ジェーンが化けて出てきそうな場所だ」
 俺はデカードと歩きながらそう呟いた。
 血の気の多い魑魅魍魎共は教会で行ってたような聞くに堪えない雄叫びを叫びながら不気味な声の主を探している。
「……見つけたぞ、あれだ」
 デカードは俺のジョークを無視しでけぇ月の方を指差す。
「おいおい、俺のナイスジョークを無視してんじゃねえよ」
「……あれがジョーク?」
 デカードは彫りの深い精悍な顔のくせに可愛らしく首をかしげる、どこの萌えキャラ気取りだテメェは。
 何て事を考えながら月の方を見ると……今まで何故気付けなかったのか……爺が宙に浮いていた……みすぼらしい服を着た爺、ここからじゃ顔は見えない、だがしかしそんな事はどうでもいい爺が宙に浮いていた、ピラミッドパワー? と言う奴だろうか爺は四角錐の中にすっぽり収まり経を唱えながらゆっくりこちらに降下してくる。
 四角錐の面にはダビデの星が浮かび青い炎に様に燃え続けている、その神々しい雰囲気に息をのんじまいそうだった。
「ピラミッドパワーで空飛ぶ爺か、また巷の都市伝説の奴みてえな奴が来たな、前の奴と違ってサイズが一般なのが救いだぜ」
 俺は冷や汗を浮かべてそう言った。
「……同感だ。3番目のターゲットの巨人女王といいデフォルメからふざけきった奴しかおらん」

「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得以無所得故菩提薩&#22517;依般若波羅蜜多故心無&#32611;礙無&#32611;礙故無有恐怖遠離一切顛倒夢究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多呪即説呪日羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶般若心経観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得以無所得故菩提薩&#22517;依般若波羅蜜多故心無&#32611;礙無&#32611;礙故無有恐怖遠離一切顛倒夢究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多呪即説呪日羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶般若心経観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得以無所得故菩提薩&#22517;依般若波羅蜜多故心無&#32611;礙無&#32611;礙故無有恐怖遠離一切顛倒夢究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多呪即説呪日羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶般若心経」
 
 爺は座禅を組み四角錐もといピラミッドパワーの中に収まったまま俺達の元に舞い降り経を唱えている。
 ボロボロになった服、皺くちゃでシミだらけの肌、ガリガリに痩せ細り、目を閉じててひたすら経を唱え、俺達を見向きもしていない。
 確かに死にかけている、ちょいと触れるだけで逝っちまいそうな程衰弱しているように見える。
「オイオイオイ!!! んだよ、この爺が今回の敵かよ! ツマンネーなオイ!」
 教会で騒いでいた男が馬鹿笑いしながら爺に気安く近づく、爺も爺で男を無視して経をひたすらに唱えている。
「あ〜あ、何だあの死亡フラグ全開の小物臭の男は」
 俺は遠目でその男と爺を見る。
「……あの男は名も持たない低級悪魔だ。死んだところで指して戦力に変わりはない。しかし見た事のない魔術だ、あらゆる魔術を複合しかなり複雑だ。見た目だけではどういった類の魔術か見当はつかん」
「お前そういうの多くない? 本当に悪魔の貴族かよ」
「そう言う貴様こそただの人間にしか見えんぞ、本当に吸血鬼か?」
「んだと? 俺、ベルク・ロードは正真正銘の吸血鬼だ」
「……まぁ、どんな魔術か奴の犠牲で分かる」
「だな」
 低級悪魔こと名前の無き男が爺の覆うピラミッドパワーに触れようとした瞬間……ダビデの星が光を放った、強烈な光の塊が男を押し潰し、男を巻き込んだまま弾丸のように直進し、やがて遥か向こう側にある山脈を消し飛ばし強力な光を放ち弾け飛ぶ。
 山脈は跡形もなく消え、ただ光の粒が降っているように見えた。
「……迎撃魔術だな。予めプログラミングされたタブーを犯すウイルスをフルオートで迎撃する魔術だ」
 デカードは冷静に爺……不動法師の魔術を分析する。
「おい、マジかよ。あのレーザー光線山を吹っ飛ばしたぜ……手加減もクソもねえなオイ」
 少々厄介だな……さて、どうやってぶちのめすか。


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