ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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黒十字路で、あの日。
日時: 2011/08/07 22:47
名前: 空音さくら (ID: Pr1SsiXj)

 あの日、あの時、あの瞬間を。
私は忘れるはずがなかった—、
私の大好きな大好きなあの人。

響く車の騒音—、
驚いたあの人の顔と、伸びる私の手、

「やっ………琴音ぇ……ことね—っ!!」
「る………か?」

→(( 設定 ))←
@character

主人公 間河野 楼華 (マカノ ルカ)
    鬼灯  琴音 (ホオノキ コトネ)
    黒神  燐 (クロカミ リン)

>付け足しあり、

@story

ある街、—ある時。
楼華は、あの時を忘れるはずがなかった。
黒十字路コクジュウジロと呼ばれる、交通事故が絶えない十字路で、
事故は起きた—彼女達の道は?

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あの日全てが変わった。 ( No.1 )
日時: 2011/08/07 18:08
名前: 空音さくら (ID: Pr1SsiXj)

「ねえねえ、琴音。」
「なぁに?楼華。」
「琴音のこと、大好き!」
「あたしも、大好き!」
「ずっと一緒にいようね—?」
「うん!—約束ね?」

指きりを交わした。
—今、そっとその小指を握る。

 その日
「なによ………琴音、変。」
「変じゃぁないわよ!楼華こそ変。」
「—おかしいよ、………だってさ、」
「もういいよ!!話なんて聞きたくない!!!」
「なっ—、」

今思うと、何が原因で喧嘩したなんてわかんない。忘れちゃった。
 ただ、とても怒りがこみ上げてて、何もかも嫌になっちゃって—、

喧嘩なんて、しなきゃよかった。
何度も後悔した、ごめんね—琴音、

「なに………!っほんとに……っ!」
琴音、ついてきてる………!!早く言っちゃお、
「………っ、」

私が明らかに避ける素振りを見せると、琴音は少し怒った顔で、こっちに向かって速足で来た。

「おばあちゃんの家がこっち方面なの!—楼華、ひどい!」
「あたし、何にも聞こえなーい!」
「!!!!」

 ぎりっ、と怒りが頭のてっぺんまで登ったような顔して、
すぐに悲しい顔に戻った、
「もういい………。」

小走りで、"黒十字路"と呼ばれる交通事故が絶えない道路へと走る琴音、私はなぜか、ふと立ち止まって琴音を睨みつけた。
「……………バカ、」

—青信号に変わった。
………?琴音?
「あのトラック!!!」

いきなり駆けだす私、
ねえ、ちょっとまって……あのトラック……!

「琴音ぇ!!!!」
—信号無視して渡ろうとするトラック。
あんなのに巻き込まれたら—、

叫んでも叫んでも、琴音は振り向かない。
届かない、追いつかない。
「ことねぇー!!!」

「—る、か?」
があああああぁぁあぁあぁあっ、
………………………………………………琴音、
何も言葉が出てこない。

まわりの車はみんな止まり、
そのトラックはそのまま通り過ぎ、
ついにはとまった車から人が出てきた。

ひざをつく私、
血だらけの琴音。
琴音は向こう側をむいて、ばったりと倒れている。
じわじわと、道路に広がる血。

「なっ……だれか、救急車と警察を……ッ!誰かぁ…!!!」
誰かが叫ぶ。
私はただただ黙って、頭を真っ白にしながら、
琴音と広がっていく血を、ただただ見詰めて—、

「どう、 し て—?」
その言葉が腹の底からぐっと出てくる言葉、
 その時、私のズボンに雫が落ちた。

雨、
じゃあなかった。
綺麗な空、青空、大きな白雲。

濡れる頬、
滴る雫、

—私の大好きな大好きな、


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