ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Forget me not...[第00杯up]
日時: 2011/08/19 21:58
名前: 虚空 (ID: uwZWw1uD)

クリック Thanks!!

Forget me not=勿忘草

[?]勿忘草...
ムラサキ科の多年草。春から夏、青い小花を開く。

お初の方は初めまして、知っている方はこんにちはorこんばんは。
虚空です。
ちなみに元、千臥です。
この名前で小説を書くのはこれが初めてなので、
どことなく緊張しております(∀)ドッキンチョ

無駄語りはこの辺にして、
まずは本作のテーマをどうぞ↓
[取り戻したい、思い出したい。それがたとえ、己を苦しめるモノでであろうと……]

はい。なんだか厨二病の雰囲気バリバリ出てますねw
いいんです。自分が一番自分を理解してます←

つまり、本作は虚空の趣味が大部分を占める結果となっております。

ここで、虚空と絡み、小説を読む上での注意事項を幾つか。

※注意事項※
①虚空が嫌いな方、また苦手な方は避難をお勧めいたします。
②荒らしサン、誘導員に従ってUターン願います。
③文句、非難どんどんどーぞ。ただし、他の方の迷惑となる書き込みはご遠慮ください。
④題名、内容が似ているじゃない!!という文句は聞きますが、
 それによってこちらが題名、内容を変えるということはいたしません。
⑤最後に、虚空は酷い駄文作家です。ホントですよ? ほんとーに酷いですからね!?

上記にご理解いただけた方のみ、先へお進みください。


■Contents...

第00杯  >>01  [噂と喫茶店と煙草]

第01杯
第02杯
第03杯

■Reader...

■News...


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Re: Forget me not... ( No.1 )
日時: 2011/09/10 16:23
名前: 虚空 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: AiiL/B92)

第00杯 [噂と喫茶店と煙草]


「ねぇねぇ!! もう聞いた?」
「あの噂でしょ? 聞いたに決まってんじゃん。皆、その話しかしてないもーん」

着崩した制服、茶色く染められた髪、耳元や胸元を飾る幾つものアクセサリー。
いかにもな女子高生達が少々迷惑に感じるレベルの大声で話しながら街中を歩いている。
帰宅途中と思われるサラリーマンらしき男性は少女達に気付かれないよう眉を顰(ひそ)めた。
「何だっけぇ……。確か“消したい記憶を消してくれて、思い出したい過去を見つけてくれて、
取り戻したいモノを取り戻してくれる”お店があるんだっけ?」
「そうそう!! 昼間は普通のカフェらしいんだけどぉ……。閉店時間を過ぎた夜になると本当に必要としている人にだけ
扉を開ける不思議な所」
興奮と同時に声のボリュームも自然と上がっていく。
少女達は周囲を気にすることなく話し続ける。
「いいよねぇ。あたし今日さぁ、あの井沼とかいう教師に携帯没収されたの!! まじ最悪じゃない!?
そのカフェ行って、取り戻してもらいたーい」
「それ、あんたが授業中に使ってんのが悪いじゃん。あいつ厳しいって有名なのに馬鹿だねぇ」
「馬鹿とか言わないでよぉ。もう自覚してんだからさ」
「え、あんた自覚あったんだ!?」
「ちょ、酷くなぁい?」
笑いながら歩き去っていく少女達を横目で見送る者が一人、いた。
喫茶店の従業員なのか、店名の書かれたエプロンを身に付け、店前で煙草を銜(くわ)える若い赤毛の青年。

「千鶴さん千鶴さん。僕等の噂、もう大分広がってるみたいですねー」

その青年は煙草の煙を目で追いながら、傍らで掃除をする女性にそう話しかける。
「無駄話はいいから、貴方も早く掃除手伝いなさいよ。ていうか、貴方未成年よね? 煙草、没収ー」
綺麗な長い黒髪を持った、まさに大和撫子といった雰囲気の女性は青年の銜えている煙草を手に取り
携帯灰皿に押し付けた。
「えぇー。酷いですよー。僕、煙草ないと苛々するんですからー」
「駄目なものは駄目よ。法ぐらい守りなさい」

文句を呟く青年を宥め、一通り掃除を終えて店内へと戻っていく青年達。
ガラス張りの扉が閉まり、準備中と書かれたプレートが音を立てて揺れる。

喫茶店「勿忘草」
開店時間:AM9:00
閉店時間:PM5:00

最近開かれた、美味しく手頃な値段のケーキと本格的なコーヒーや紅茶が楽しめる喫茶店。

連日店内は、若い客中心に賑わいを見せている。



「いらっしゃいませ。本日のお勧めはこちらでございます」


Re: Forget me not...[第01杯up] ( No.2 )
日時: 2011/08/26 21:44
名前: 虚空 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: L6Qpujhg)

第01杯 [少年と放課後と黒猫]


「俺が最も必要とし愛する睡眠時間を奪う行為に及んだのだから、相当大事な用なんですよね? 比良坂要君」

私立霧島高等学校、二年A組の教室には、殺気とも呼べる冷たい空気が流れていた。
その空気の発生場所は、窓際最後列の席。
今も尚、冷えた空気を発生しているのはその席の主である姫代梓(ヒメシロ アズサ)だった。
「ちょ、そんなに機嫌悪くすんなって」
比良坂要(ヒラサカ カナメ)と呼ばれた少年は、梓の殺気を孕んだ視線を受けつつ話を進める。
「お前、聞いたことある? あの喫茶店の噂」
「んだよ……その話なら聞き飽きた。もう耳が痛いぐらいにな」
重々しい溜息と共に梓は一人生き生きとしている要を一瞥してから机に突っ伏し寝る体勢へと入る。
「待て待て。話聞けって。寝んな!! 起きろ!!」
肩を揺らす要の手を煩わしそうに払い、梓は頭を上げる。
「……頼むから寝かせてくれよ。疲れてんだ、俺は」
眉間いっぱいの皺。
夢の世界から現実へと引き戻されたことで機嫌は悪化してしまったようだ。
教室内の温度が数度下がったような錯覚を覚える。
よくよく見れば、梓の目元には深いクマが刻まれている。
「なんだよ、そんなに疲れてんのか? ……分かった、詳しい話は放課後にする。教室で待ってろよ、迎え行くからさ」
流石に要も梓が疲れていることを察し、教室を後にする。
梓から放たれていた冷たい空気はなくなり、代わりに彼の寝息が聞こえ始めた。

   *

あれから百と七十五分後、一日の日課を終えた生徒達はぞろぞろと教室から姿を消す。
夕日の差し込む教室に残ったのは、教師の呼びかけにも応じずに午後の授業を総無視し続けた梓のみ。
未だ眠りから覚めずに規則的な寝息を立てている。

※修正&残りは後日更新予定
 

Re: Forget me not...[第00杯up] ( No.3 )
日時: 2011/08/26 22:08
名前: 虚空 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: L6Qpujhg)

■登場人物 -the characters

□姫代 梓-ヒメシロ アズサ(17)
 私立霧島高等学校2-Aの男子生徒。
 高校二年生にしては落ち着いた雰囲気を持っており、その雰囲気と容姿のせいか特定の人間しか近寄らない。
 容姿はかっこいいというよりは綺麗と表現されるもので、女子のファンと共に男子の隠れファンも多い。
 遠くから見守る、という扱いがほとんど。
 友人である比良坂要とは、なんだかんだ言ってしっかりとした信頼関係を築いている。
 彼には崩した表情を見せることも多々ある。

□比良坂 要-ヒラサカ カナメ(17)
 私立霧島高等学校2-Eの男子生徒。
 軽い性格に見られがちだが、それは表面だけであって本当はちゃんと考えている。
 明るく社交的であり容姿のレベルの高さも相俟って女子からはなかなに評価されている。
 男子友達も多く、つまり一言で表せば世渡り上手。
 梓とは幼少期からの仲で、言わば親友のようなもの。
 所属している剣道部では次期主将と期待されている。



 


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