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- Loneliness eye 〜合鍵〜
- 日時: 2011/09/25 20:51
- 名前: ハナビ ◆mgdhA.mROE (ID: LgNHLtHH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ほいさ。
ハナビでございますよ、皆様。
テンションがどっかにいったまま、帰ってこないために常にハイテンションなハナビです。
生意気にも、カキコで三作目の小説です。
でも、リアルでは、一番初めに書いた記念すべき第一作目です。
ゆえに、思い入れがいっぱいです。
まあ、参照だけ増えるのが目に見えているんですがね。((泣
と、前置きはこれくらいにして。
皆様、シートベルトをお締めください。偶に入るボケとツッコミはご愛嬌。
〜キャラ紹介〜
ハル
・身長→168センチ。
・見た目、その他の特徴→女顔。本人は気にしている。髪は薄い金髪。目はブルー。黄色っぽいワイシャツに、黒いネクタイ、灰色のジーンズに身を包む。偶に服が変わる。左目の下に、悪魔の呪いの象徴である、蛇の模様が書いてある。左の鎖骨の辺りに、呪いを解く唯一の鍵を差し込む、鍵穴がある。とんでもない方向音痴。他人思いで、自分のことよりも他人を優先させる、ガオ曰く、ただのお人よし。
・好きなもの→フルーツ、小さな動物。…ほとんど女じゃないか。
・好きなタイプ→他人を心から想える子。
・相方をフルーツに例えたら→ドリアン。あまりおいしくない。毒舌ハル君。
ガオ
・身長→185センチ
・見た目、その他の特徴→左ほほに、縦に一本の傷跡がある。髪は金髪。目は深い緑。胸元の大きく開いた水色の長そでTシャツに、黒のジーンズに身を包む。ハルチョイスで服がたまに変わる。元は狼であるが、ハルの呪文によって人間にもなれる。そのメカニズムはハルもガオも知らない。狼の時は白い。ハルにもらった鈴を首につけている。ハルのツッコミ担当。性格は、元々狼なため、荒い。細かいことを気にするのが嫌い。だが、狼として暮らしていた時は集団生活だったため、仲間意識は強い。
・好きなもの→良いにおいのするもの、肉。野獣だ、野獣。
・好きなタイプ→髪の毛が綺麗な女。
・相方を匂いに例えたら→花の匂い(笑)ふわふわな感じが。
〜用語集〜
・呪い…悪魔によってかけられる、いわば死へのカウントダウンのようなもの。
・悪魔…人間の、妬み、恨みなどの欲望、哀しみ、苦しみなどの弱みに付け込もうと魔界からやってくる。
・鍵穴…呪いを解く、唯一の手段。この鍵穴の鍵を見つけ、鍵穴に差し込むと、呪いが解ける。
・あざ…呪いによって広がるもの。赤い。全身がこのあざで、真っ赤に染まると死んでしまう。
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- Re: Loneliness eye 〜合鍵〜 ( No.1 )
- 日時: 2011/08/20 21:07
- 名前: ハナビ ◆mgdhA.mROE (ID: LgNHLtHH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
…プロローグ…
少年は一人、立ちすくんでいた。
歩くための足があるのに、ただ、その場に。
その、綺麗な瞳から一筋の涙が伝った。
少年は、小高い丘にいた。
その目に映るのは、大きな炎。
少年は自ら大切なものに火を付けた。
そう、少年が住んでいた町に。
その炎は、少年の薄く、美しい金髪をたびたび照らす。
少年が立ちすくんでいると、少年の目の前に自らを悪魔だと名乗るものが現れた。
「俺様が、お前が苦しんでいるもの、消してやるよ。」
少年は、悪魔にすがりつき、頼んだ。
「んじゃ、はじめるぜ。」
次の瞬間、少年は自分の体に痛みが走るのが分かった。
鋭い痛みで、少年は顔をゆがめ、その場に座り込んだ。
そんな思いまでしたのに、辛い思いは消えなかった。
「へへへっ。騙されたな、人間。」
少年が、どういうことか、と悪魔に迫ると、
「お前は俺様と契約したんだよ。ほら、お前の胸元に鍵穴があんだろ?そこから痣が広がってる。その痣が全身に回って、全身を真っ赤に染める時、お前は死ぬ。」
少年は、その事実を受け止めきれず、胸に手を当てた。
あることに気付く。
鍵穴があれば、合鍵があるのでは、と。
その旨を悪魔に伝えると、
「お、いいところに気付いたな、お前。その合鍵はこの世界のどっかにあるらしいぜ。まあ、必死こいて右往左往する人間見るのも面白いし……。特別に、合鍵の絵を見せてやる。ほら、こんなのだ。」
悪魔は、不敵な笑みを浮かべながら、どこからか合鍵の絵の描いてある一枚の紙を取り出した。
その鍵は、持つところがハート型で、白かった。
「これをくれてやるよ。ま、その鍵が見つからなくてお前が死んだら、この俺様が魔界に連れて行ってやるよ。ハハハハ……。フハハハ!!アハハハ……ガッ。」
その悪魔は、突如横から出てきた白い狼に、首を噛まれ、絶命していた。
少年は、ただボーっと悪魔の首から流れ出る血を見ていた。
それだけを、ただ、見ていた。
「おい、ハル。片したぜ。」
狼は、ハルと呼んだ少年に言った。
「うん。ガオ……食べちゃっていいよ。」
ガオと呼んだ狼は、本能のままに悪魔に食らいつく。
その時、新たな雫が少年の頬を伝った。
- Re: Loneliness eye 〜合鍵〜 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/23 23:13
- 名前: ハナビ ◆mgdhA.mROE (ID: LgNHLtHH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
お話の題名が無いので、決まり次第変えます。
それまでは、「1BLOOD」のようにしておきます。
[1BLOOD]
「おい、ハル。」
「何、ガオ。」
二人は、激しい砂嵐の中、お互いの名を呼びあった。
一方は、相手に問うために。一方は、相手に返答するために。
「どこに、町なんかあんだ?」
「あっち。」
ハルは、北の方角を指した。しかし、町らしきものは微塵も見えない。
それでもハルは、無理やりガオを引き連れていた。
「あっちって……。行けども行けども砂漠じゃねーか……はあ。」
ガオは、心底疲弊しきった顔で大きなため息をついた。
あの悪魔と会ってから、一週間が過ぎていた。
「あ。」
ハルは、突然立ち止った。一点だけを見つめている。
ハルが急に立ち止まるものだから、ガオが必然的にハルにぶつかった。
「ハル……今度は何だ!」
さすがにガオもブチ切れた。いまにも襲いかかりそうである。
「町があるよ、ガオ。」
ハルは、未だに一点だけを見つめている。
- Re: Loneliness eye 〜合鍵〜 ( No.3 )
- 日時: 2011/08/26 20:33
- 名前: ハナビ ◆mgdhA.mROE (ID: LgNHLtHH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
[1BLOOD]
「こんな砂漠ばっかのところに、町なんてあるわけ……って、あんのかよ……。」
ガオが、疑いながらも視線を向けた先には、確かに町がポツン、と存在していた。
ハルは、呆然とするガオに、独り言のように告げた。
「行こう、ガオ。」
ハルは、ガオの返事を待つことなく町のある方向へと進んで行った。
「砂嵐、止んだな。」
ハルとガオが町の入口に到着すると、先ほどまで自分たちを苦しめていた砂嵐が止んでいた。
「ホントだ。そういう作りになってるのかな?」
ハルは、町の門の下にある段差を、「よいしょ。」と言いながら飛び越えた。
「おい、ハル。」
ガオは、門の外でハルを呼びとめた。
「なに、ガオ。」
ハルは、キョトンとした顔でガオのほうを振り向いた。
少し、首をかしげて。
「オレ、人間にならないといけないだろ?」
「いいじゃん、別に。」
ハルは、何事もなかったかのように町の中へ進もうとする。
門をくぐったとはいえ、町のほうまでまだ距離がある。
- Re: Loneliness eye 〜合鍵〜 ( No.4 )
- 日時: 2011/09/25 20:47
- 名前: ハナビ ◆mgdhA.mROE (ID: LgNHLtHH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
[1BLOOD]
しかし、ガオはめげずにハルに訴える。
「待てよ、ハル!この姿のまま入ったら、誰も出てこねえだろ、怖がってよ!」
ガオは一生懸命大声を上げ、ハルに訴える。
実は、ガオがまだハルに狼の姿から人間の姿に変えてもらう、ということをしていなかった時代に、ハルの町に遊びに行ったガオを見た町の者たちは、ガオを見るやいなや驚き、怖がり、家に入って行ってしまった、というエピソードがあるのだ。
それからというもの、ハルがどこからか仕入れてきた変なまじないによって、ガオは人間の姿になって町に来るようになったのである。
この経験があるため、ガオは必死になってハルに訴えているのだ。
「いいじゃん、ガオはガオなんだから。」
ハルは、まるで他人事のように言ってのける。
「だーかーら!町の奴らが怖がって出てこなくなるだろ!そしたら、合鍵の情報もきけねえ、メシも食えねえ、食料も買えねえで、俺ら飢え死にすっぞ!?いーのか?」
ガオは、一気にこの長台詞を言ったがために、息切れがするようだ。
一通り息を整えると、ハルに返事を求めるように、ハルの顔を見つめる。
ハルは、その意図を読み取ったようで、口を開く。
「ああ、それは嫌かもね。じゃ、人間になろっか、ガオ。」
ハルは、ガオの疲労感などつゆ知らず、天使とも悪魔ともつかぬ笑顔でサラッと答える。……恐ろしい少年である。
「はじめっから分かれよ!お前、ホントにマイペースだな!」
「はいはい。早く始めようね、ガオ。……いくよ。」
ハルは、まだ吠え足りていないガオを適当にあしらうと、ガオを人間にするべく精神統一を始めた。
そして、なにやら呪文を唱え始めた。
ガオは、ハルが何を言っているのかは知らない。
ガオが聞いたのとのない言語をハルは話している。
ハルには、ガオには分からない謎が多い。ハルの家族構成やら、出身地やら(燃やした町は、何番目かの町である。)、何故こんなに強いのか、などなど……。とりあえず、ガオは色々知らない。
それでもいいと思っている。なぜなら、どんなことがあってもハルはハルだから、と思っているからである。
そんなことを考えていると、ハルの呪文を唱える声がやんだ。
「かっこいいじゃん、相変わらず。」
ハルは、人間になったガオの髪に触る。
ハルの目の前には、金髪に深い緑の目、胸元の大きく開いた水色の長そでTシャツに、黒いジーンズの背の高く、筋肉質な美青年が立っていた。
人間となったガオであるのは言うまでもないが、この状態のガオと歩くのは、かなり目立つ。美青年と、美少年のコンビはなかなかないだろう。
「触んなよ、照れるだろ。」
ガオは照れながら自分の髪を触るハルの手をどけようとする。
「いーじゃん、減るもんじゃないし。」
ハルはニコニコしながら、触っている。
その目には笑顔、というより、ドSの眼光が見え隠れしている。
……どうやら、照れているガオをいじるのが楽しいらしい。
そこへ。
「おーい!そこのお二人さん!お取り込み中悪いんだが、旅のお方かい!?」
ハル達が目線を向けた先には、40代半ばぐらいの、大柄な男性が立っていた。頭には黒いバンダナをつけている。
「そうですけど、なんですか!?」
ハルは、男性に向かって叫ぶ。
「大歓迎だよ、こっちへ来ないか!?」
ハルとガオは顔を見合わせた。
- Re: Loneliness eye 〜合鍵〜 ( No.5 )
- 日時: 2011/10/08 15:23
- 名前: ハナビ ◆mgdhA.mROE (ID: LgNHLtHH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
テスト勉強に使ってた赤シートが…臭い…。何故だ……何故だぁぁああああ!!←
[1BLOOD]
「この町、すごい活気にあふれてますね〜。」
ハルとガオは、男性に言われるがまま、あとをついて歩いていた。
町は、人々の楽しそうな声や、笑い声に溢れている。
いくつもの屋台や店が軒を連ね、香ばしいにおいがハルの鼻をくすぐった。
「いい匂いですね。何のにおいですか?」
ハルは、匂いのするほうを探しながら男性に問いかけた。
「ああ、この匂いは、この町の特産品のヤマディカ鳥の照り焼きだよ。旅人さんたちはよく食べて行くよ。あとでご馳走しよう。」
男性は、ガハハ、と豪快に笑い、歩を進める。
「あの……。お名前、聞いてもいいですか?」
「ああ。私の名前はアームだよ。」
男性は、ハル達のほうを少し振り向きながら言った。
「僕はハルです。」
「俺はガオだ。」
「えっ?」
ハルとガオが自己紹介をすると、アームはかなり驚いたように、立ち止り、ハル達のほうを振り向いた。
ハル達もハル達で、突然振り向かれたものだから、ハルなんかは目を丸くしている。
「ど、どうしたんですか?」
「いや、実は……。君たちを見つけた時、カップルだと思っていてね……。そう仲間に伝えてしまったんだよ。女用の服と、男用の服を用意しておくように、って……。」
アームは、先ほどの豪快な笑いが嘘のように、大きな体を小さくし、すまなそうな顔をした。
「おい、おっさん。んな顔すんなよ。ハルのことを女だって思うのは仕方がないことだぜ?」
ガオは、ガオの言葉に呆然とするアームの肩にポン、と両手をおいて、言葉をつづけた。
「ハルは、顔は女みてえだし、声も女みてえだからよ。気にすることないぜ。」
ガオは、真顔で言ってのける。
そんなガオを見たハルは、ガオの両手をアームの肩から離し、
「もう、またそんないじわるなこと言って〜。」
ハルは、ぷっと頬を膨らませて抗議する。
この状態のハルを見たガオ以外の人間たちが虜になったのは言うまでもない。
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