ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 春菜ちゃんは、歪んでる
- 日時: 2011/08/29 11:44
- 名前: 海月 (ID: 5obRN13V)
はじめまして、海月です
突発的に狂ってる子の作品が書きたい!と思いました
本当に突発的なんです。すぐに飽きてしまうかも知れませんが、頑張って続けていこうと思います
短編形式になってます
主人公は春菜ちゃんという、感情が不足している女の子です
では始まります
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- Re: 春菜ちゃんは、歪んでる ( No.1 )
- 日時: 2011/08/25 12:10
- 名前: 海月 (ID: 5obRN13V)
—私が居ないと駄目—
———ねぇ春菜ちゃん。どうして笑ってるの?
隣に居た、春菜ちゃんの妹が問いました。
春菜ちゃんは答えました。
『楽しいから…?嬉しいから…?…悲しいからかなぁ。私には分からないや』
———ねぇ春菜ちゃん。どうして笑っていられるの?
『それは、悲しくないからだよ』
春菜ちゃんは、立ち上がりました。
———だって、お父さんだよ?どうして悲しくないの?
『だって、もう誰だか分からない』
———そうなの?××には分からないや
春菜ちゃんはふっと笑いました。
『××には分からなくて、良いんだよ』
こんな肉片、××は見なくていいの。
だから××の目をわざわざ潰したんだよ?
私は汚い子だから。お父さんを殺しても、笑っていられる狂ってる子だから。
私が汚い分、××は綺麗でいてね?
私が守ってあげるから。
目が開かなければ世の中の汚い事も、綺麗な事も全部見ないでいられるから。
そうだ。今度は耳を無くしてしまおう。
そうすれば不愉快な音が何も聞こえなくなる!
後は、足も切ってしまおうか。
一人でどこにも行かないように。私の目の届くところにいるように。
××はすぐに何処かに行こうとするんだもん。
でも、罰を与えるとすぐにおとなしくなって、私の話を聞いてくれる。
抵抗することもあるけど、ちゃんと最後は私のところに帰ってきてくれる。
××は、私が居ないと駄目なんだ。
(私は××を…誰かを支配していないと駄目なんだ)
- Re: 春菜ちゃんは、歪んでる ( No.2 )
- 日時: 2011/08/29 11:42
- 名前: 海月 (ID: 5obRN13V)
春菜ちゃんの目の前でちょっとした事件が起こりました。
小学校1年生ぐらいの少年と、その子のお父さんが居ました。
少年が、泣き叫びます。
「痛いよ、痛いよ」
お父さんはうろたえるばかり。
少年は足に擦ったような怪我を負っていて、血が出ています。
お父さんは少年に、
「大丈夫?大丈夫?」
と聞くばかり。
大丈夫なはずがないでしょう?泣いてるんだよ?血が出てるんだよ?
あんなに小さな子に怪我させて。目に涙をいっぱい溜めて。
本当は泣き叫びたいほど痛いんだろうけど、お父さんに心配かけさせないようにって我慢して。
あの子の気持ちを、お父さんは分からないだろうね。
早く足を洗ってあげるとか、絆創膏を貼ってあげるだとか、ハンカチで傷口を縛るとか。
応急処置ぐらししてあげなよ!
でも、何もできない自分も情けないな。絆創膏なら、鞄の奥に入っているのに。
ごめんね、少年、ごめんね、お父さん。
春菜ちゃんは、感動しました。
自分にはまだ『怒り』と『悔しい』という感情があるんだ、と。
でも、その感情を言葉で表すことができません。
春菜ちゃんは、笑う事しかできません。
「あ、はははははははは?」
ビクッ、と少年とお父さんが一斉に振り返りました。
笑う春菜ちゃんを見て、少年はおびえています。お父さんはどうにか自分の息子を守ろうと、少年を抱きかかえています。
「…はははっ…ははははははははっ!くすくすくすくす…」
やっぱり春菜ちゃんは笑う事しかできません。言葉が思いつかないのです。
「…健太、逃げるぞ」
「ふぇっ…うん…怖いよ、お父さん」
あっという間に少年とお父さんはその場を立ち去ってしまいました。
「あははは……は?」
1人になった、春菜ちゃん。
急に、目の前がぼやけ、目のあたりから冷たいものが流れてきます。
「なぁに、これ?」
春菜ちゃんは涙さえも忘れているのです。
「なんだろう、この感情。これが『悲しい』のかな?誰か教えて、教えてよ。これが悲しいの?これが『怒り』なの?分かんない。分かんないよ…」
春菜ちゃんは理由も分からずその涙をずっと紡ぎ続けました。
(ねぇ…なにこれ?止まらないよ……あ。そういえばあの子、どうなったのかなぁ。…あれ?また出てきた。いつになれば止まるのかなぁ)
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