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【私一人、駆ける音。】
日時: 2011/09/03 16:28
名前: マリアんぬ (ID: 3r6DhwLS)



注意


・荒らし禁止
・コメ・アドバイス感謝


以上でございます。


もし読んでくれたら

泣いて喜びます←

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Re: 【私一人、駆ける音。】 ( No.1 )
日時: 2011/09/03 16:29
名前: マリアんぬ (ID: 3r6DhwLS)

プロローグ



ベットに寝ている私。



右には花と花瓶。


左には白い服の人々。


私の手を握る母親。


それを私は。




上からみている。








車のブレーキが止まる音がした。
私は横断歩道をわたっていた。
部活の帰り道。

—— 危ない ——

音楽を聞いていた私は、
その一言に気がつかなかった。



そして、私の視界は真っ暗になった。




私はもう


この世に居ない

Re: 【私一人、駆ける音。】 ( No.2 )
日時: 2011/09/03 16:37
名前: マリアんぬ (ID: 3r6DhwLS)

第一話「届かない声」



雨の降る町。
黒い服の人達。
制服を着た少年少女逹が泣いている。

『ねぇ、なんで私が棺桶の中にいるの。』


「私」にはわからなかった。

何故、皆が泣いているのか。

何故、自分が二人居るのか。

何故、話しかけても返事がないのか。


『ねぇ。』




『聞こえる?』

Re: 【私一人、駆ける音。】 ( No.3 )
日時: 2011/09/03 16:43
名前: マリアんぬ (ID: 3r6DhwLS)

第二話「理解」



三日後。

ようやく分かった。

いや、元々わかっていた。

それを受け入れるのを拒んでいただけで。

『私は、しんだんだね。』

成仏が出来ない、

悲しい幽霊となった自分の姿。

今まで見えなかった者が見える。

同じ幽霊逹の姿をただ、眺める。

いつのまにか、「私」は学校にいた。

「残念だが、坂本は……」

先生が顔を伏せて話している。

友達の泣く姿。

泣く友人に、そっと手をあてる。

『泣かないで。』

そっと寄り添う。

『泣かないでよ。』

Re: 【私一人、駆ける音。】 ( No.4 )
日時: 2011/09/03 16:55
名前: マリアんぬ (ID: 3r6DhwLS)

第三話「やり残したこと。」



何故、自分が成仏できないのか。
その理由は分かる。
『心残り…..ね。』
それは部活の事。
県大会優勝という大きな目標だった。
市大会で優勝し、県大会へ行く一ヶ月前に「私」、
坂本遊利は事故にあった。
「リレ−に出る予定だった坂本は、交通事故にあったそうだ。」
淡々とした口調で顧問が話をする。
泣く人、袖を掴みこらえる人、無表情の人。
心の中では喜んでいる人もいるかもしれない。
「坂本の代わりに走る人は……」
死人に対して代わりとは、心のない先生だ。
「遊利の代わりなんていないよ!!!」
リレ−を一緒に走った薫が泣きながらバトンを投げる。
「薫!!」
それを止める、夏乃。
同様に一緒に走った。
もう一人は欠席だそうだ。
静まる部室。
「……各自練習に入るように。」
顧問が部室を去る。
「くたばれ!!クソ顧問!!」
「もうやめな、薫。そんなこと言ったって遊利は帰ってこない。」
「でも、なっちゃん…..」
「美佐子だってわかってる筈だよ。」
「…….うん。」
遊利の他界がショックで美佐子は休みらしい。
同様にリレ−の仲間だった。


『ごめんね。』
「私」はぎゅっと拳をにぎりしめた。


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