ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Irregulars
日時: 2011/09/03 22:36
名前: 結鎖 (ID: 32zLlHLc)







大丈夫





                                                 僕が








     君を






                            護るから










はじめまして。この板では小説初挑戦の結鎖(ゆさ)と申します。
未熟者ですが、頑張りますのでよろしくお願いします!



グロ表現が多々出てくると思われます。苦手な方はお戻りください
荒らし、チェンメ目的の方もお戻りください。






——————お客様——————




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「Irreguiars」    『イレギュラーズ』




Page:1



Re: Irregulars ( No.1 )
日時: 2011/09/03 22:34
名前: 結鎖 (ID: 32zLlHLc)


   Prolgue



 『大丈夫』







                     ———グ、チャ


鈍い、鈍い音。肉片に刃物を突き立てたような音。いや、本当に肉片を刺している音だ。
生ぬるい、赤い液体を全身に浴びた少年が右手に持つ果物ナイフで何度も何度も、倒れた男に向かってブスリブスリと音を立てながら振り下ろしている。


「……こ、ぅ……?」

少女の声が聞こえた。小さな小さな声。しかし、少年はちゃんとその声に気づき少女の方に顔を向けた。
顔の左半分が血に染まっている。赤黒い液体が少年の髪を蔦ってぽたぽたと滴り落ちていく。


「大丈夫だよ。弥生」

「何が……大丈夫なの?」

「君を傷つける奴は僕が倒すから」

「え……?」

少女は何も言えなくなっていた。声がのどを通ってくれない。目を丸くして、ただただ少年を見つめ続けるだけ。それしか、できない。何も、言えない。

しかし、そんな少女にかまいもせず、少年は話を続ける。
にっこりと口角をあげて、血に染まった顔を精一杯笑った顔にして言った。



「弥生は、笑ってればいいから









                               僕が弥生を護るから」







Re: Irregulars ( No.2 )
日時: 2011/09/04 11:20
名前: 結鎖 (ID: 32zLlHLc)

 episode 1


『普通ってなんだろう』






「弥生」

名を呼ばれた少女は振り返った。白い、純白の髪が翻り、ふわりと宙を舞う。少年は少女のこの動きが大好きだった。昔から、ずっと。ずっと。


「昂!今日は部活ないの?」

嬉しそうな、無邪気な笑顔を少年に向ける弥生と呼ばれた少女。彼女のその笑顔につられるように昂も少し口角を上げた。

嬉しそうな笑顔のまま走ってくる弥生。昂はうんと小さく言うとただでさえ嬉しそうだった少女の顔がもっと嬉しそうなものに変わっていく。


「じゃあいっしょに帰ろう!」

「そうだね」

付き合っている。この二人の関係にはその一言が当てはまる。


幼馴染で、二人とも家族がいない。5歳のときに孤児院で出会い、ずっと一緒に笑ったり、泣いたりしてきたのだ。



















孤児院の近くの学校に通い、孤児院が管理している寮に帰る二人。
普通の日常だった。



普通の   




                 ——普通の……

















                           ———グチャ、リ




肉片が音をたてている。しかし、その肉片は人の肉のように赤くはなかった。紫の肉片。見るからに人の肉ではない。


「弥生に何する気だった?」

昂は肉片に語りかけた。狂気の表情で。
肉片が返事をするわけも無い。しかし、昂はもう一度何する気だったと聞く。


「……連れて行く気だったんだよね」

分かり切ってるよねと付け足す。


「何もさせないよ。弥生は僕が護る」


昂の声が夜の闇に静かに響く。闇に染められた顔は決意の表情だった。


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