ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Deceive
- 日時: 2011/09/13 15:08
- 名前: くぅ汰。 (ID: xSMD/D6J)
初めまして、くぅ汰。といいます
クリックありがとうございます
初めて小説投稿させていただきます
アドバイス、コメなどいただけたら嬉しいです
最初はいじめのシーンばっかですが、進展していくにつれて様々なシーンを取り入れて行きますので。
色々な面で駄目な奴ですがよろしくお願いします
プロローグなどはもう少し溜まってからまとめようかと思います
Page:1
- Re: Deceive ( No.1 )
- 日時: 2011/09/12 22:02
- 名前: くぅ汰。 (ID: kzK7vPH9)
プロローグ
ピピッピピピッ
一人取り残された教室の中で携帯の着信音が静かに響く
何事も無かったかのように立ち上がり、僕は件名を見てため息をついた
「なんだ…誰だよ、こんな変なメール送ってきたの」
僕は携帯を机に放り投げて崩れるように床に座った
「ちがう、僕が求めてるのはこんなちっぽけなゲームなんかじゃない。僕が、僕が求めてるのは────」
────そう、復讐のための呪いのゲームだ
- Re: Deceive ( No.2 )
- 日時: 2011/09/12 22:39
- 名前: くぅ汰。 (ID: kzK7vPH9)
登場人物
春瀬柚希
光要高等学校2年B組在籍。
ひ弱な性格で友達は高校に入ってから出来たことがない。
そのせいか良いように扱われていて、それを見て見ぬふりをしている周りを不快に思っている。
神川尚人
光要高等学校2年B組在籍。
5月の初め頃に転入してきた転校生。
柚希の隣の席になったのをきっかけに仲良くしようとする。
正義感が強く、いじめなどを許さない性格。
内藤良和
光要高等学校2年B組在籍。
入学当初から柚希に目をかけていて、よく他の人と一緒にこき使ったりする。
柚希の目が気に入らないらしい。
まだまだ増やしていきたいと思います
- Re: Deceive ( No.3 )
- 日時: 2011/09/12 23:07
- 名前: くぅ汰。 (ID: kzK7vPH9)
第1話 「地獄」
時刻は1時15分
ここ、光要学園では只今昼休みを迎えている
校舎の中は生徒達が友達と喋ったり、遊んだりしている
そんな和気藹々な雰囲気の中、鈍い音がとある教室から聞こえてくる
校舎の三階、右奥にある2年B組の教室だ
扉や窓は閉め切られており、外からは中の様子を伺えなくなっている
そこではある一人の生徒が何人もの生徒に取り囲まれ全身を蹴られていた
「いっ…!」
倒れこんでいる生徒がうなり声をあげる
お腹を強く蹴られたのか腹を抱えて震えている
その様子を見ていた生徒の一人がしゃがみ込んで震えている生徒の顔を伺う
「良和、こいつ全然平気って顔してるぜ」
良和と呼ばれた生徒はククッと笑った
「じゃあ、まだ耐えられるよな?」
震えている生徒は腹を抱えながらなんとかして逃げようと試みた
だが、そんなことは無理に近く、良和に案の定腕を捕まれてしまった
「逃げんなよ、春瀬。まだまだ楽しいゲームはここからだろーが。だろ?」
良和は自分の隣に立っている短髪の生徒を見た
その生徒はチラリと春瀬と呼ばれた生徒の顔を見るとニヤリと笑い
「ああ。柚希、悔しかったら俺ら全員を呪ってみろ。あのゲームでな」
足が笑いながら辛うじて立っている春瀬柚希は短髪の生徒を強く睨んだ
そう、事の始まりは5月の始めだった
- Re: Deceive ( No.4 )
- 日時: 2011/09/13 15:03
- 名前: くぅ汰。 (ID: xSMD/D6J)
第2話 「事の始まり」
5月、僕のクラスに転校生がやってきた。
「初めまして、神川尚人です。よろしくお願いします」
胡散臭い笑みを浮かべながら、転校生は───神川尚人は自己紹介を終えた。
「じゃあ、神川君の席は…、春瀬くんの横ね」
ただ、淡々と仕事をこなしている僕らの担任は最悪な事に僕の方を見て指さした。
誰も近づこうとしない僕の席の隣を。
「ははっ、運ねぇなアイツ。春瀬の隣だってよ」
遠くで良和らがクスクスと笑う。
そんな笑い声など気にせず、尚人は僕の方に近づき笑みを浮かべた。
「よろしく。君、名前は?」
このクラスの状況など全くわかっていない新入りが質問をしてきた。
僕自身あまり関わりたくないのだが、ここで返事をしていないとめんどうな事になりかねない。
「春瀬、柚希」
僕は無愛想にそう言った。
すると新入りはまた微笑んだ。
「へえ、柚希か…。良い名前だね!これからよろしく」
僕はあまりこういうタイプが好きではない。
皆の人気者になりそうなタイプほど、裏があることが多いからだ。
ニコニコ笑っている尚人を見て、不快に思った僕はHR終了のチャイムと同時に屋上へと逃げ込んだ。
────────────
「1限目はサボろう…」
あまりあの空間にいたくはない。
ため息をついたその時、入り口の扉が開く音がした。
振り返ってみるとそこには良和と他数名の生徒がいた。
「おうおう、春瀬じゃねぇか。なんだよ、こんなところでサボりかぁ?」
いつもと同様口元をニヤつかせながら近づいてくる。
やばい、やばい。
また何かやらかしに来た。
危険を察知した僕は扉の方に走った。
が、さほど運動神経がよくない僕がアイツらから逃げられる筈もなく呆気なく捕まってしまった。
「っ…!離せよ!」
振り払おうともがくが、上手く外れる事もなく二人の生徒に両腕を抑えられてしまい、良和が僕に近づいてくる。
「んな悲しい事言うなって。俺たちお前が暇してるだろうからってわざわざ遊びに来てやったんだぜ?」
ぐっ、と僕の髪を掴み無理矢理顔を上げさせられた。
痛い、髪の毛が抜けそうだ。
そんな僕の表情を見て良和は顔をしかめた。
「ちっ…またその目かよ。俺、お前の目が一番気にくわねぇんだわ。俺の事下に見てるような、あざ笑ってるようなその目がよ」
良和は苛々してきたのか、指の関節をポキポキ鳴らしている。
「そんな目で俺を見んじゃねぇ!!」
そして勢いをつけて僕に殴りかかってきた、その時。
「何してんだよ!」
勢いよく開いた扉の音と共に、僕を不快にさせたアイツが大声をあげた。
「ああ?転校生か、何だよ。今からいいとこなんだ。邪魔すんじゃねぇよ」
僕を殴り損なって余計に苛々してきたのか、良和はキレ気味に言った。
しかし、それ以上にキレ気味の奴が近づいてきた。
「てめぇら、柚希を…柚希をいじめんな!!」
神川尚人が無謀にも良和に殴りかかってきた。
- Re: Deceive ( No.5 )
- 日時: 2011/09/14 18:19
- 名前: くぅ汰。 (ID: ERqUQoIM)
第3話 「意外」
バカだ。
こいつはただの脳無しバカだ。
僕は制服に付いた砂埃を払いながら心底そう思った。
あの後、このバカ───神川尚人が良和に喧嘩を売り、マンガのようなヒーローになれるはずもなく僕らは殴られ続けた。
あの時、大人しくしていれば僕はともかくこいつは殴られずに済んだ。
痣を作ることも、制服を汚すことも、口の中を切る事も、アイツらのブラックリストに載る事もなかった。
自分には、何のメリットもないのに…。
お節介な奴。
僕は軋む体に鞭を打ち、上半身を起こし深くため息をついたのと同時に
「…ははっ。あははははははははははははははははははは」
神川は狂ったように笑い出した。
とうとうこいつの頭がイッたか。
いや、もともとイッているのか。
喧嘩の中に飛び込んで来るほどドMな奴だしな。
「あーあ。返り討ちにされちったな、柚希」
ようやく笑うのを止めた神川が僕を見ながら言った。
親しくもないのに名前で呼ばないでほしい。
黙ったままの僕を横目に神川は一人で喋りだした。
「俺さ、虐めってどうも好かねぇんだわ。なんかさ、集団で一人を虐めるぐらいなら1対1で正々堂々勝負しろって思うんだよね」
神川はゆっくりと立ち上がり、フェンスの方へと歩く。
「それに相手の気も知らずに暴力ふるったり、暴言はいたりしてさ。それで虐めてる方は快感を獲たりするんだろうけど、虐められてる方はそうはいかないよな。ただの敗北感しか感じなくなる。」
わかったように喋りやがって。
僕が敗北感だと…?
僕は何も負けていない、むしろ勝負などしていない。
わかった様にベラベラと喋り、虐められている奴を一括りにして哀れんで何がしたい。
「そしてそいつらはこの虐めの事を一生心の傷として共生していくはめになるんだよな。この傷は何をしても癒えることはないし、離れることもない。現実と一緒でいつまでもくっついて離れたりはしないんだ。だから俺は虐めが許せない」
長々と不快な事を喋られ、僕のイライラはピークに達していた。
「だからお前がアイツらにやられているとき、凄くむかついた」
もうイライラを抑えきれない僕は口元の血を拭いながら神川を見つめ問いた。
「なぁ…お前さ『正しい事』しようとしてるだろ」
いきなり僕が喋ったからなのか、質問の意味がわからなかったのか神川は口を開けて僕を見た。
「お前がした行動は、それは本当に僕の為にやったのか?」
ずっと口を開けっ放しだった神川は「当たり前だろ!!」と大きな声で言った。
「違うだろ。本当はお前が僕を助ける事によって自分は誰かの為に何かをしたっていう達成感や高揚感を味わいたかっただけじゃないのか?そんなのは僕を助けるっていうんじゃなくて、ただ『僕』という丁度いい『素材』があったから利用しようとしただけだろう?そんなのは『助ける』事にならない。ただ自分の『エゴ』に僕を巻き込んだだけだ」
当たっているのか外れているのかわからないが、ただ神川は呆然として立っている。
しばらくその状態が続き、ようやく神川は口を開いた。
「俺が、こんな事をしたのは…ただ、役に立つ人間だと思ってほしかったから」
役に立っていないがな。
「それに、俺はお前と友達になりたかったんだ」
は?
思ってもいない言葉に僕は唖然とした。
僕と友達にだと?
バカか、こいつ。
誰が虐められている人間と好き好んで友達になるかよ。
僕は立ち上がって扉へと向かった。
「俺、お前と友達になりたい。お前といたらぜってー面白くなる!!な?いーだろ?」
後ろで神川が喋っている。
まだ授業中なのに…バカだ。
確信した、こいつはバカだ。
そんなバカに洗脳された僕もバカなのかもしれない。
「…好きにすれば」
そう言った僕の顔は珍しくにやけていたと思う。
「さあて、次のプレイヤーはどのようなゲームを我々に見せてくれるのか。楽しみですねぇ」
暗闇の中、怪しい声の人間がにやりと笑った。
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