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拝啓、俺。
日時: 2011/09/17 18:19
名前: 比奈 (ID: r7gkQ/Tr)

ぐるり、と

世界を見渡せばクズばっかりだった

目の前で苦しんでる人がいるのに自分の利益しか考えない

腐った世界だなぁだなんて思ったりして、自分大人じゃんなんて自惚れたりして

そんなこと考えてる自分が一番クズだなんて、思わなかった

堕ちる直前に見えた世界はとてつもなく歪んでいて、

自然と、にこりと笑みが零れて


「————          、」


……俺は、なんて言ったんだっけ?

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Re: 拝啓、俺。 ( No.1 )
日時: 2011/09/17 18:39
名前: 比奈 (ID: r7gkQ/Tr)

Ⅰ章 死にたいとか言ってる内はまだ生きてたいんだろ


 俺は他人曰く少し他の奴とズレているらしい。
 人はなんの為に生きているのかと問われたので、俺は即答で「そんなくだらないこと考えてる暇があったら死ね」と答えた。
 そうすると向こうから訊いたくせに「黙れクズ! 調子乗んな!」って怒鳴られた。
 意味がわからない。俺はクズでもなければ、調子にも乗っていない。
 だから俺は相手の精神年齢に合わせて「クズっていう方がクズなんだよ」って言ったら、鳩尾を殴られて、倒れ込んだ。

「世界って腐ってるなー……」
「あはははははっ今の台詞だけ抜いたらお前完璧厨二病認定だよ! あはははははっ!」
「そういうお前は通常運転で頭おかしいけど」

 今現在進行形で俺と喋っているのは、佐鳴夜流。かなり頭がおかしい。
 常に高笑いしていて、テンションが異常なほどに高いので、周りからは避けられている。
 聞いた話だが、中学のときもいきなり叫んだり、窓を消火器で割ったりしていたらしい。問題を起こしたとだけ聞けば「ああ、また佐鳴が?」となるほどだったとかどうとか。
 他にも問題を起こした数は二桁では収まりきれてないという逸話も残っているが、それはまた別の話。
 俺は、まあ、特例ってやつだ。

「きゃはははははははははっ! でもさあ、高二でそんな世界が腐ってるとかさあっ、言ってるお前もじゅーぶん頭おかしいよねえっ!」
「お前だけには言われたくねーよ」
「俺もお前だけには言われたくないっつぅのっ! きゃはははは!」

Re: 拝啓、俺。 ( No.2 )
日時: 2011/09/17 21:48
名前: 柚月 ◆iJQyXHhHIU (ID: .Hx7EboP)



面白いです!頑張って下さい♪

Re: 拝啓、俺。 ( No.3 )
日時: 2011/09/18 12:33
名前: 比奈 (ID: r7gkQ/Tr)

 そういうと佐鳴は腹を抱えて床の上をじたばたと暴れ出す。
 その反動で、佐鳴の体が俺の机に衝突し、机が大きな音を立てて倒れる。
 机からは教科書やらノートやらが飛びだし、ばらばらと床に落ちる。
 一瞬にして周りが静かになり、白けるが俺はそんなこと気にせず、

「ばぁー、か。狭い場所で暴れるからんなことになんだよ」
「きゃははっだって、これが狙いだもん!」
「確信犯とか、性格悪」
「確信犯? あは、なにそれ」

 どうやら確信犯の意味を知らないらしい。
 それはそれで、性格悪いっての。

「つか、お前机直せよ」
「やだね! どうせ次サボるんだから机使わないでしょお?」
「無論。リスーケーニガテー」
「あはははははははははぁっ! お前最悪ーっ!」

 また、腹を抱えて笑いだす。
 周りも呆れたのかなんなのか知らないが、じょじょに会話に戻っていった。
 クラスはすっかり、元に戻っている。

「でででででっどこでサボるー?」
「どこでもおうけい。お任せ」
「じゃあさっ最近駅前に出来たっていうケーキ屋行こうよ! あは!」

 ケーキ屋。佐鳴のイメージとはかけ離れている。
 佐鳴は極度の甘党だ。ギャップ萌えなんてレベルじゃない。
 俺も最初に聞いたときはぎょっとしたものだ。
 それにしても……ケーキ屋かよ。よりにもよって。

「俺甘いもの嫌いなんだけど」
「お前のジジョーなんて知らなあい! きゃはは!」

 自己中が、と返し、机に掛かっている鞄を取る。

「でも行く気満々じゃん」
「うっせ。ケーキ屋付き合うからスタバでコーヒー奢れ」
「ん」


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