ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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僕と彼女の平行線.
日時: 2011/09/20 17:16
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: KCnf7FEj)


( 決して、交われない )




 ◆御挨拶
 シリアス・ダークでは初めまして! ゆう、と申します。
 オリジナル小説が長続きしないことで有名な自分です、(
 基本シリアスばっかり書いているので、ダーク、というよりはシリアスやら鬱やらが多いかもしれません。気分を害したり、気分を悪くなされた方はすぐに観覧をおやめください。
 観覧は基本的に自己責任でお願いしますね。

 ◇お願い
 荒らしや誹謗中傷はおやめください。本体は些細なことで泣きます。メンタル面が弱い部分があります。病み期もスランプも何時でも入ります。見守ってやって下さいませ。
 文才も無ければ絵の才能も無し。イラストは皆さまに頼りっきりです。
 飽き性です。長編オリジナルが続きません。何時終わるか分かりません。

 上記のことに目を通して尚読むぜ、という方はお願いします!、

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 [ プロローグ ] ( No.1 )
日時: 2011/09/21 17:57
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: KCnf7FEj)


 少女には、お姉ちゃんが居ませんでした。
 十も上のお兄ちゃんは格好良くて、爽やかで、少女の憧れでした。三つ下の妹は愛らしく、少女はとてもとても可愛がっていました。同い年で双子の弟も居ました。愛らしく格好良く、威勢が良く、少女は弟も大好きでした。
 でも、お姉ちゃんは居ませんでした。
 本当はお姉ちゃんは居るのです。しかし、お父さんもお母さんも忙しそうに走り回り、動き回り、お姉ちゃんのことを聞くことはできませんでした。
 少女のお父さんは極道と呼ばれるものの組長を務め、とてもとっても強いのです。だから迷惑をかけることはできなかったのです。

「でも、あいたいよ」

 少女は聞いてしまいました。
 お姉ちゃんはおうちの隣にある、大きな病院に隔離されていると。少女は考えます。まだ、十にも満たぬ幼い頭で考えるのです、どうすればお姉ちゃんを見張っている人物を倒せるのか、切り抜けられるのか。
 少女はいつでも効率よく、一人でも出来るような作戦を考えました。

「いってきます」

 誰も居ない真夜中、少女は外に出ました。ゆっくりと、慎重に見張りの目を切り抜けるのでした。少女はお姉ちゃんへ会いに行くのです。





「ちょろいね」

 少女はまだ幼さを秘めた声音で言います。がたいの良い男達がその場に倒れ伏しています。すべて、少女が倒したものでした。睡眠ガスを使えばどうにでもなると少女は考えたのです。
 そして少女はお姉ちゃんの居る病室へと足を進めました。
 さまざまなコードに繋がれたお姉ちゃん。人工呼吸器をつけているお姉ちゃん。少女は、笑いました。きれいだね、とってもきれい。窓から差し込む月光にきらりと反射する艶のある黒髪。閉じられた瞳は、何色なんでしょう。
 少女は不意に人工呼吸器のスイッチをぶちりと切りました。

「ばいばい、おねえちゃん。ずっといっしょにいてね」

 これが、少女の歪んだ人生の始まりでした。


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