ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 絶望の世界で、僕たちは生きてゆく───
- 日時: 2011/09/24 01:14
- 名前: E (ID: HhjtY6GF)
17歳の子供の手には常にライフル、腰には手榴弾やフラッシュバン、背中には使いこまれた真剣の刀。
荒廃した世界で、彼らは何を目指して進んでいるのか。
─生きるためか─
─真実を求めるためか─
─ただ、進んでいるだけか─
世界に溢れる絶望に、彼らは立ち向かう。世界が荒廃した理由を求めるために………。
生きている限り、戦い続ける。
どんな壁にぶつかろうとも、僕たちは生きてゆく─────
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- Re: 絶望の世界で、僕たちは生きてゆく─── ( No.1 )
- 日時: 2011/09/24 02:31
- 名前: E (ID: HhjtY6GF)
腕時計のアラーム音で、ようやく彼は目を覚ました。
「ん……時間か…………」
カーテンが閉め切られたホテルの一室。ベッドに横になっていた青年の枕元には、ライフル、マシンガン、ピストルなどの銃器類が綺麗に並べられてある。青年はピストルを手に持ち、部屋を見渡す。
時計の時刻は、朝の9時過ぎ。しかし、騒音どころか外から音の一つもしない。
青年はピストルを持ったまま立ち上がり、窓を遮るカーテンを一気に開けた。そして、一言だけ囁いた。
「夢であってほしかった。」
青年の目の前に広がる、絶望の景色──────。
東京の街並みは、酷く荒れ果てていた。高層ビルは最上階の付近が露となり、もっと酷い所では高層ビルが街中で派手に倒れ、幾つもの建物を薙ぎ倒している。更に、東京のシンボルと言える東京タワーは、展望台から上の部分がない。
レインボーブリッジは中心部が陥没して海に沈んでいる。住宅街には旅客機が何機も墜落しており、その光景が一番現実離れしていた。唯一、建設中のスカイツリーだけが無傷で残っている。
それはまるで、砂漠に咲いた一輪の花の様に。
青年は深い溜息を吐くと、手榴弾やフラッシュバンが備え付けられたベルトを腰に巻き、一本の真剣の刀を背負う。
ベッドに置かれた銃器類を腰にしまい、ライフルの安全装置を外して握りしめた。
「今日は渋谷の辺りを行ってみるか。」
窓から渋谷区の方向を見る。といっても、ホテルから渋谷は見えなかった。
「リー、どこにいる?」
青年が部屋に響き渡るぐらいの声で言うと、バスルームから一匹のボンベイ種の猫が出てきた。
リーという名の猫は「ニャー」と鳴きながら、青年の肩にヒョイと飛び乗る。
「それじゃあ、行こう。」
青年はそう言うと、腰に常に付けているポーチから1つのスプレーを取り出し、部屋の隅々まで撒き散らす。
その間、リーが首についた首輪の鈴を鳴らしながら青年の首に顔を擦り付ける。
青年はスプレーをポーチにしまうと、ポケットから一枚の紙を取り出して床に捨てた。そして、青年は部屋を出て言った。
青年の捨てた紙には、何かが書かれてあった。
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1.この紙を拾った者へ
空と雲が朱に染まる時 壊れた塔には 鬼 が来た
我々には 時 間 があり 全ての 真実を突き止めれば 世界という生活の処 を取り戻せる1
僕はいつもいる。共に戦おう。光を求めて。
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